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第六章 龍と解放と中年冒険者
海外と落ちない飛行機と中年
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「三人ってあんまりないですよねー」
「だな、このメンバーならボブは必ずいるしな」
ボブが落ち込んでなければいいけどな。
「まぁ、モッチーもナキさんもいるから大丈夫でしょ」
賢人は武器の手入れをしている。
「お兄さん、今回はダンジョン どうするんですか?」
「逆にノセはどうしたい?」
コイツらはどう考えてるのか。
「僕は、そんな危険なダンジョンは、攻略した方がいいと思ってます」
「俺ら三人で? それは危ないだろ? モッチーもナキさんもいないんだぞ?」
「賢人の言ってる事は分かるけど、汚染されて進化したのって、モンスターだけなのかな?」
あぁ、守護者が心配だな。
「……それはキツイな。兄ちゃんどうする?」
「今回は調べるだけにする」
「え? お兄さん?」
ノセは驚くが、
「ノセ、今回って言ってるぞ?」
「あ、そうですね! 今回はそうしましょう!」
そう、今回は目的もあるし、安全第一だ。
「そろそろ寝るぞ」
「お! やりますか? けんとぉー、誰が好きなんだよー? へぶっ!」
賢人の枕がノセの顔面に突き刺さる。
「うっせぇ! 寝ろ!」
「目が冴えてまっす! こんなのないから、たーのしもーぜー!」
ウザいな。
「ノセ、チェンジするぞ?」
「よし! チェンジお願いしまーす!」
「ま、待って! チェンジはイヤー! 頑張るから! チェンジはしないで!」
しまった、うるさくなってしまったな。
ドタバタと賢人とノセがジャレ合う。
まぁ、楽しそうだし、いいか。
翌日は快晴。
「しっ、死ぬって! マジ死ぬって!」
分かる! 分かるぞ!
「お兄さーん! ヤバイ! ダメぇー!」
何がヤバイ?! お! おぉ!
「うぉー! こえぇー!」
柄にもなく叫ぶ! しょうがない!
俺らは今、飛行機の中。
乗客は俺らだけ。何人乗れるのか聞いたら九人だった。
操縦するのは、ハゲたおっさん。
いや、これは飛行機なのか? もっと大きな飛行機がよかった!
ガタガタ揺れる機体に、折れそうな翼、エンジンも凄い音だ。
「だーいじょうぶ! 墜ちないから! ……ぶん」
「うぉーい! いま多分って言ったな? 操縦してる奴が言ったらダメだろ!」
ふざけるな! このハゲ機長が!
「……ヘブンって言ったんだよ」
「もっと悪いわ! なんだ? 天国に行くのか? おい! 天国行きか?」
「ナーンダヨー、ヤーメーローヨー。あっ!」
え?
「おい! どうした?」
「……なんでもないです。しっかり掴まってて下さい」
「おい! 敬語をやめろ! なんだ? 墜ちるのか? おい! 答えろハゲ!」
席から動けない! 怖い!
「だぁーれがハゲか! ハゲって言った方がハゲなんじゃー! あぁ、もういいや。突っ込むぞ」
「やめろ! ごめんって! 謝るから! お、おい! 賢人! 気絶するなって!」
ヤバイ、賢人が気絶してる。
ノセは?
「ブゥー、ブルブルブルブル、ギシッギッギッ」
うぉ! 飛行機の軋む音なんかリピートすんじゃねぇ!
「うぉーい! 機長! こっちは二人脱落だぞ? どうすんだ!」
「んー、大丈夫だって。生きてりゃいい事あるから」
こんな大人になってはいけない!
「生きてりゃな! 墜とすなよ? 頑張れ!」
生きた心地がしない。
「な! 大丈夫だったろ?」
ハゲ機長が肩を叩いてくる。
「ふざけるな、二度と乗るか」
なんとか目的地に着いたが、二人は地面に頬擦りしていて立ち上がらない。
「え? 帰りも一緒だよ? 俺もこのままここに泊まるし」
マジか!
「チェンジ! 交代を!」
ありえない! 次こそ墜ちる!
「まぁそう言うなよ、俺は落内陽介だ。よろしくな!」
「ダジャレか? ……まぁ、しょうがないか。千社だ。よろしく」
握手をする。悪い奴では、……いや、上空で客を再起不能にする悪い奴だな。
ゴツい車で砂漠を進む。
そのまま案内されて、ギルドで手続きをする。
『中国第二ギルドにようこそ、それでは千社様は単独でよろしいのですね?』
グループか単独を選ぶそうだ。
グループは他のグループと一緒にダンジョンに行くらしく、面倒くさいのでやめといた。
しかし、第二ギルドか。
『あぁ、早速だが、人を探してる、丸森って女だ』
『丸森様なら現在、ダンジョンに向かわれております』
この受付は、なんか冷たい感じだな。笑ってるけど、……目がな。
『そうか、あと進み具合はどんな感じだ? 汚染は大丈夫か?』
『現在、二層を攻略中になります。汚染はされてませんが、モンスターが強力になっていますので注意が必要です』
と、資料を見せてくる。
この資料を見ると、確かに数値は基準を下回っているようだな。
『ダンジョンに潜ってる人間も、検査して問題なしか。分かった、ありがとう』
受付も終わって、外に出る。
「ホテルに行くぞ。……そろそろちゃんとしろよ」
賢人とノセは歩けるようになったが、まだ呆けている。
「あぁ、生きてるっていいね」
まだダメか。
「おい、ホテルに行って飯食うぞ」
二人を引っ張り、歩いてホテルに向かう。
「だな、このメンバーならボブは必ずいるしな」
ボブが落ち込んでなければいいけどな。
「まぁ、モッチーもナキさんもいるから大丈夫でしょ」
賢人は武器の手入れをしている。
「お兄さん、今回はダンジョン どうするんですか?」
「逆にノセはどうしたい?」
コイツらはどう考えてるのか。
「僕は、そんな危険なダンジョンは、攻略した方がいいと思ってます」
「俺ら三人で? それは危ないだろ? モッチーもナキさんもいないんだぞ?」
「賢人の言ってる事は分かるけど、汚染されて進化したのって、モンスターだけなのかな?」
あぁ、守護者が心配だな。
「……それはキツイな。兄ちゃんどうする?」
「今回は調べるだけにする」
「え? お兄さん?」
ノセは驚くが、
「ノセ、今回って言ってるぞ?」
「あ、そうですね! 今回はそうしましょう!」
そう、今回は目的もあるし、安全第一だ。
「そろそろ寝るぞ」
「お! やりますか? けんとぉー、誰が好きなんだよー? へぶっ!」
賢人の枕がノセの顔面に突き刺さる。
「うっせぇ! 寝ろ!」
「目が冴えてまっす! こんなのないから、たーのしもーぜー!」
ウザいな。
「ノセ、チェンジするぞ?」
「よし! チェンジお願いしまーす!」
「ま、待って! チェンジはイヤー! 頑張るから! チェンジはしないで!」
しまった、うるさくなってしまったな。
ドタバタと賢人とノセがジャレ合う。
まぁ、楽しそうだし、いいか。
翌日は快晴。
「しっ、死ぬって! マジ死ぬって!」
分かる! 分かるぞ!
「お兄さーん! ヤバイ! ダメぇー!」
何がヤバイ?! お! おぉ!
「うぉー! こえぇー!」
柄にもなく叫ぶ! しょうがない!
俺らは今、飛行機の中。
乗客は俺らだけ。何人乗れるのか聞いたら九人だった。
操縦するのは、ハゲたおっさん。
いや、これは飛行機なのか? もっと大きな飛行機がよかった!
ガタガタ揺れる機体に、折れそうな翼、エンジンも凄い音だ。
「だーいじょうぶ! 墜ちないから! ……ぶん」
「うぉーい! いま多分って言ったな? 操縦してる奴が言ったらダメだろ!」
ふざけるな! このハゲ機長が!
「……ヘブンって言ったんだよ」
「もっと悪いわ! なんだ? 天国に行くのか? おい! 天国行きか?」
「ナーンダヨー、ヤーメーローヨー。あっ!」
え?
「おい! どうした?」
「……なんでもないです。しっかり掴まってて下さい」
「おい! 敬語をやめろ! なんだ? 墜ちるのか? おい! 答えろハゲ!」
席から動けない! 怖い!
「だぁーれがハゲか! ハゲって言った方がハゲなんじゃー! あぁ、もういいや。突っ込むぞ」
「やめろ! ごめんって! 謝るから! お、おい! 賢人! 気絶するなって!」
ヤバイ、賢人が気絶してる。
ノセは?
「ブゥー、ブルブルブルブル、ギシッギッギッ」
うぉ! 飛行機の軋む音なんかリピートすんじゃねぇ!
「うぉーい! 機長! こっちは二人脱落だぞ? どうすんだ!」
「んー、大丈夫だって。生きてりゃいい事あるから」
こんな大人になってはいけない!
「生きてりゃな! 墜とすなよ? 頑張れ!」
生きた心地がしない。
「な! 大丈夫だったろ?」
ハゲ機長が肩を叩いてくる。
「ふざけるな、二度と乗るか」
なんとか目的地に着いたが、二人は地面に頬擦りしていて立ち上がらない。
「え? 帰りも一緒だよ? 俺もこのままここに泊まるし」
マジか!
「チェンジ! 交代を!」
ありえない! 次こそ墜ちる!
「まぁそう言うなよ、俺は落内陽介だ。よろしくな!」
「ダジャレか? ……まぁ、しょうがないか。千社だ。よろしく」
握手をする。悪い奴では、……いや、上空で客を再起不能にする悪い奴だな。
ゴツい車で砂漠を進む。
そのまま案内されて、ギルドで手続きをする。
『中国第二ギルドにようこそ、それでは千社様は単独でよろしいのですね?』
グループか単独を選ぶそうだ。
グループは他のグループと一緒にダンジョンに行くらしく、面倒くさいのでやめといた。
しかし、第二ギルドか。
『あぁ、早速だが、人を探してる、丸森って女だ』
『丸森様なら現在、ダンジョンに向かわれております』
この受付は、なんか冷たい感じだな。笑ってるけど、……目がな。
『そうか、あと進み具合はどんな感じだ? 汚染は大丈夫か?』
『現在、二層を攻略中になります。汚染はされてませんが、モンスターが強力になっていますので注意が必要です』
と、資料を見せてくる。
この資料を見ると、確かに数値は基準を下回っているようだな。
『ダンジョンに潜ってる人間も、検査して問題なしか。分かった、ありがとう』
受付も終わって、外に出る。
「ホテルに行くぞ。……そろそろちゃんとしろよ」
賢人とノセは歩けるようになったが、まだ呆けている。
「あぁ、生きてるっていいね」
まだダメか。
「おい、ホテルに行って飯食うぞ」
二人を引っ張り、歩いてホテルに向かう。
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