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第四章 大事なものと中年冒険者
監督する中年
しおりを挟む四、五層と済ませて六層、さすがにアイツらが通った後だから少ない。
魔熊とフォレストヴァイパー、チャチャっと倒して七層。
おぉ、派手にやってるねー!
「兄さん助けて!」
いち早く気づいたノセが、死にそうな声を出している。
見ると蜂だ、しかも普通の蜂よりは大きい! ゴルフボールくらいの大きさだ。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
アーミー・ハニー・ビー ランクE
レベル10
最高級の蜂蜜を、巣に蓄える。巣を守る為、攻撃にまわると、周囲の仲間を呼び大群を作り攻撃する。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「お前ら巣になんかしたんか?」
モッチーが、
「してない! 魔熊がこの階層にもいて、俺らに負けそうになったら巣に攻撃しやがった!」
どんな熊だよ。
「ちょい踏ん張れよ! ウィンドブレス!」
強風を起こし蜂を遠くに追いやる。
「助かった、ありがとう兄ちゃん」
「またくるぞ、コッチに集まれ! モッチー、集まってきたらファイヤーウォールよろ!」
「りょーかい!」
追いやった方向から黒い大群が、
「いま!」
「ファイヤーウォール!」
「おおー、デッカい火の壁!」
これで少しはマシだろ、
「あとは各個撃破な?」
となんとか蜂はいなくなり、巣はお土産として持ち帰る。
マップを見てもだいぶ赤点が少なくなっている。
昼時だが、蜂がいるとこは嫌だとのことで八層へ。と今度は筋肉質な牛。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
アーマーブル ランクE
レベル30
赤い物を見ると興奮し突進してくる、皮は硬く防具に最適。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
ボブが追いかけられている。
まーいっか、ほっとこ。
「兄さーん! ほっといたらダメ! 助けて!」
だからなんで分かるかな?
賢人の影分身、モッチーのウォーターバレット、俺とノセは後でチマチマ。
何とか倒せたようで良かった良かった。
「良くないっす、なんで俺だけ」
「赤いの見ると興奮するんだってさ」
「早く言って! 俺になんかしたのかと思った」
「何を?」「ヘイト上げる魔法とか?」
……こいつ俺を信用してないな。
「あとでかけて上げるわ」
「うそ! あるの? え? ジョーダンですって!」
「俺はヘソを曲げました、そんな魔法ないけど、次の層はボブのみで頑張るように!」
「嘘ダァァァァォァ!」
まぁ無理だろうけどね、試してみたいが。
飯を食い、勝手にヘイトを集めてくれるボブを先に行かせながら、ゆっくり八層を進む。
「オラァァ!」
「ドラアァァァァ」
「うるさいボブ」
「んじゃ賢人に装備貸すから変われ!」
「臭そうだからヤダ!」
「………………クソが!」
と牛を殴りながら進む、俺らはドロップ拾い。
「やっと九層……」
九層に到達したが、見渡す限りの毛、毛、毛。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
雲羊 ランク E
レベル20
雲のように軽い羊毛は、高級品として扱われている。群れで生活していて、外敵が来ると鋭い角で攻撃してくる。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「敵対しなければ攻撃してこないみたいだけど……」
「こんだけ多いと避けれないんだが?」
「んじゃ、俺と賢人とモッチーは空飛べるし、頑張ってね」
ガシッ! とボブとノセがモッチーにしがみつく。
そしてモッチーが、
「あ、やばいって! あ、あ、あぁ!」
羊の群れの中に落ちていった。
「バカぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
『『『『メェエェェェェェェェェ!!!』』』』
南無三。俺と賢人は、ボブ、ノセを落とし、上から眺めている。
ちょっと面白い。
3人と大群の死闘は、3人に軍配が上がって、羊毛と角と肉が大量に落ちているので拾っている。
3人は大の字に寝転んで生きてはいるようだ。
「もぉ無理……ボブとノセは許さない」
「すいませんでしたぁ! でも俺とノセだけじゃ無理ですって」
「あんだけ集まってたら、上から魔法でいけたでしょ!」
「「あ」」
それからボブノセは土下座をし、許して貰っていた。
「ボスいくよぉ!」
十層、森のボスと言えば、
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
金黒老猿 ランクD
レベル60
知能が高い年老いた金黒猿、土魔法を使い敵対者を攻撃、仲間を呼びだす事も出来る。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「猿、土魔法に注意と仲間呼ぶらしい」
『ホオオォォォオォ!』
上から降ってきた4体の、
「ゴリラかよ! 猿じゃねえじゃん!」
ゴリラが降ってきた、しかもボブを全員で狙って攻撃している。
「あははは、ボブモテ期到来!」
「賢人後で殺す! てか助けて!」
可哀想なんで、俺が1匹づつ掴んで賢人、ノセ、モッチーに投げつける。
んでゴリラはボブに任せて、俺は猿と遊ぶ事にした。
とりあえず上に放り投げ、下からアイスランスを3発放つ。
猿は土魔法で壁を作ってガードした。
「やるねぇ、つか逃げるなよ」
『ホオォ! ホオオォォォオォ!』
と木を使って逃げ回る猿。
チラッと他を見ると、もう終わっていて観戦してやがる。
「兄ちゃん頑張れぇー」
クソッ、しくった。
部屋は広いが、結局は部屋な為、逃げ場は無い。
「テメェ、ようやく追い詰めたぞ!」
猿は土下座をしている。
まぁいいや、次に進むか、と後を振り返ると。
『ホゲァアァがぁぁぁ……』
風の檻に切り刻まれる猿。
「だろうね、ウィンドケージ使っといて良かったわ」
ドロップを拾いみんなの所に帰る。
他人も信用しないのにモンスターなんか信用するかっての!
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