王霞珠玉

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第2章 ダンジョン攻略

王の秘密

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八十六層から八十九層までは普通に中層、なんら変わらず霞月が虫嫌いなのを抜かせばだけど、九十層はたぶん大蜘蛛、まぁ、俺が行くけどね!
「まかせた、キング」
「あいよ!」
と入って行くと大蜘蛛、変わらないねー、頭に一撃で消えて行く大蜘蛛、落ちたのは指輪と魔石、宝箱からは巻物、王乱拳、アイテムボックスに入れて、なんか誘われてるような気がしないでもないが行かないわけには行かないからな。

九十一層、出て来るねぇ、上層のみなさんが、でも少し弱いんだよ!酷使の森のほうが確かに強くて卑怯なんだよね。
宝箱を見つけて開けるとオリハルコンのインゴット、「これで帰る?」
「な訳ないでしょ」
と二人で笑いながら下って行く、
九十五層、ランドドラゴン、一回りデカイな、まあ、これくらいか、と倒し終わって残ったのは肉と魔石、宝箱には刀、鑑定して月影の刀、アイテムボックスにしまい、
「僕は何が何でも最下層までいくよ!」
「ダチがいくなら俺も行かないとな!」

九十九層も終わり、次の階段で百層。
「さて、グランドドラゴンに行きますか!」
「そーだね、本物より先に偽物だけどね」
と降りて行くとグランドドラゴン、
やはり格が違うが負ける訳に行かない。
「ひさびさにあれやる?」
「合体技?」
「そうそれ!」
「いくよ!」
「「王霞乱舞」」

霧が晴れるとグランドドラゴンは消えていた、落ちていたのはツノと魔石、宝箱には武神のガントレット、アイテムボックスに入れて、
「さーて、だれだ?こんな手の込んだことしてるのは?」
「ちょっと頭に来てるんですけど!」


「まー、そう怒るでないわ!」
と出てきたのは霞月の爺ちゃん?
「よう来たの!まあ、下に行こうかの」
と転移陣がある方に歩いて行く。
俺達は声も出ずに着いて行き転移陣に乗ると
百一層、王家の隠れ里に到着した。

古い屋敷がありその中に入る、畳みに座り机の上に茶をだす爺ちゃん。
「訳がわからんだろうから説明する、茶でも飲みながら聞きなさい」
もう俺の頭はパンクしそうだし霞月もたぶん同じ思いだと、
「まずは今の王家は聖赤玉は作れん、作れるのはこの隠れ里におる王家の一族だけじゃ」
そんなことは聞いたような覚えがあるな、
「王家が可笑しくなったのは嵐家の先祖で一緒に行った奴のせいじゃ」
俺みたいな奴ってことか、
「今の王家は王家ではない!王家の名を騙った偽物じゃよ、こっちの嵐家は見たな?」
頷くがいまいち核心に触れていない気がする
「こっちの嵐家を作った先祖の連れてきた奴が今の王家を乗っ取りモンスターを地球に送ろうとしとる奴になる」
方向性の違いか?
「そして紫運命球で儂が連れて帰ったのはお前じゃ、キング!」
・・・・・・・・・・・・・・・え?
「赤子のお前と帰り普通に暮らして欲しいと願い、施設に入れた」
は?
「本当のお前の名は王  叶都、叶う都と書いてカナトじゃ」
へ?
「キングは王家の一族であり、この隠れ里に住んでおる王家の子供じゃ」
霞月と顔を合わせるが声が出て来ない。
「みんな入っておいで!」
と沢山の人が入ってくる。
「こっちがお前の父と母で叶江と都じゃ」
「叶江だ、大っきくなって戻ってきたな!」
「都よ、私がお母さんよ、立派になって」
父よ、母よ、急に言われても・・・
「でこっちからお前の兄で件、姉の桜、もう一人姉の梅、でもう一人の兄の皇、でこっちは妹で双子の光と夜美、弟の友、でまだ乳飲み子じゃが妹の睡蓮、これがお前の家族じゃ」
んー、頭が痛くて、ん?双子の光と夜美だったか?
「叶都兄さんでいいの?」「いいの?」
「あ、あぁ、よろしくな、光に夜美!」
「「やったー、叶都兄さんだー!」」
お、おぉ、俺は孤児から一気に大家族になってしまったぞ、
「叶都、分かんないことがあれば聞いてくれ、帰ってきて嬉しいぞ」えーっと件さんで、
「私にこんなイケメンの弟が!桜姉さんって呼んでね!」
「はい、桜姉さん」「はぅっ!」
「桜姉さん、叶都が困ってるでしょ!私は梅、よろしくね!」「はい、梅姉さん」
「俺は皇だ、よろしく頼む」「はい、皇兄さん」
「ぼ、僕は友です」「おう、よろしく友」

「じゃー、みんな挨拶は済んだじゃろー、ちょっと難しい話をするから席を外してくれんか?」
と爺ちゃんが言うとはーい!と言ってみんな散らばった。
「どうじゃ?このサプライズは?」
爺ちゃんが聞いてくる。がここで霞月が
「ジジィ!僕は心の底から怒ってる!今がどんなに大事で、キングが凄く頑張ってくれて、僕の我儘なのに信頼してくれて、だがこれはなんだ!最初から仕組んであったのか?茶番なのか?僕とキングはダチなんだぞ!なにダチにしてくれてんだ!今キングは分かってないから為すがままにされてるけど頭の中ぐちゃぐちゃになってるぞ!僕だってぐちゃぐちゃになってるぞ!なにがサプライズだ!何が自由に生きろだ!こんなことに巻き込んで!僕らがどんな思いでここまできたか分かってんのか?ジジィ一人で来れるなら、来て解決することも出来ただろう?なに父さんの刀宝箱にいれてんだ!父さんを見殺しにしてるんだ!母さん自殺したじゃないか!キングの人生も僕の人生もいまめちゃくちゃになってる!説明しろ!」
一気に言ったなぁ、俺もそら言いたい事沢山あるが何言っていいかわかんない、霞月も沢山頑張ったのにここで爺ちゃん登場とか訳わかんないよな。
「霞月、悪かった、許しておくれ、この通りじゃ」と土下座する爺ちゃん。
「キング帰るよ!俺は嵐家から抜ける!流石にこれは無い!」
立ち上がる霞月を止めて、
「まぁ、落ち着け!って言っても俺も頭めちゃくちゃでよく分からんが一応聞くだけ聞こう」
と言うと霞月は胡座をかいて腕を組んで座った。
「叶都、すまんの、本当は叶都が来た時から分かっておったのじゃが久しぶりに嬉しくての、説明もせんと送ってしまってすまない」
来た時から分かってたのか、
「儂が王家に一人で挑んだのは聞いとるよな?儂の妻になる女が捕まってしまって、乗り込んだはいいが、相手が強くて瀕死になったところをお前の父に助けられここに匿われた」
「その時は9並びだったのか?」
「いや、まだまだ若造じゃった、ここまでくるのに時間をかけ過ぎての、流石にいまの儂だけじゃあの偽王家に敵わなんだ」
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