王霞珠玉

あに

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第2章 ダンジョン攻略

ダンジョンクリアー後の・・・

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三十層の扉を開けるといたのはロボット?
マネキンみたいなロボットだよな?
瞬きしないし表情無いし、
「よくぞ中級ダンジョン、ブラッシーをクリアしました、おめでとう」
抑揚の無い声で言われてもね、
「最後は名をここに残すか、褒美を受け取るか、ダンジョンマスターになるかです、選びなさい」
俺は決まったが霞月は
「褒美をください」
「なら俺も褒美で!」
まー、名を残してもしょーがないしダンジョンマスターにはなりたくない、残りは褒美しかないわな!
「では褒美を与える、この三つから選びなさい」
と出てきたのは剣と盾と赤い玉?!
「霞月赤い玉があるぞ!」
「うん、僕は赤い玉をとるよ」
「じゃー俺は剣でいいか」
と二人とも取った瞬間景色が変わり剣も赤い玉も無い。
「「は?」」
見た感じ牢屋みたいだな?

しばらく飴を舐めて二人で喋ってると声がしてきた、なんか王冠かぶった紫の髪がクリンクリンの豚が喋る。
「今回も上手く捕まったでおじゃるな!」
「そうですな、全く馬鹿ばかりだ」
ん?豚語がわかるとは言語理解パネエな!
「で?僕達をどうするつもり?」
霞月も分かるのか?てか普通に喋ってる!
「ここは帝国、嵐帝国なのだよ、王国を滅ぼす為のな」
嵐って嵐家の?なんで?
「なんで王国を滅ぼそうとするんですか?」
霞月が猫被ってる
「なーに、簡単なことでおじゃるな、聖赤玉を作れる王家を落とせば此の世界も、あっちの世界も嵐家が一番になるでおじゃるよ」
ん?意味がよく分からないが、
「それをする意味は?今のあっちの嵐家は富豪は富豪ですが世界的では無いですが?」
だよなー、土地持ちのボンボンだしな、
「意味がわからないでおじゃるか?この力をあっちで使えばいいだけでおじゃるよ」
は?ダメだろそんなの、力で支配すんのか?
「それは先祖代々受け継がれた嵐家の家訓に反する行為では?」
ガンっ!豚の横にいる赤い髪の豚が檻を蹴る、
「その家訓は嵐家と王家で交わした約束事だ、そんな事はこっちで生きている嵐家とは何の関係も無いし、むしろお前は俺達に協力すべきなんだよ!」
こっちにも嵐家?は?もしかして、
「こっちの嵐家が本家になる時が来たのでおじゃるな!私の名前は嵐 ソナタ、こちらで生まれたが嵐家の血は流れておじゃる!」
「俺は嵐 カナタ、もちろん血は流れてるぞ」
別の嵐家作ってんのかよ、何やってんだよ嵐家の先祖は?
「それは嵐家の先祖がここに残って作り上げたと言う事ですか?」
豚は笑いながら
「そうでおじゃるよ、この世に絶望した我が先祖が作り上げた帝国、天帝国である」
「分かりました、で僕達を捕まえたのは?」
「同じく共に王国を討つのであれば出してやる、じゃなきゃ死罪だ、邪魔にしかならん!」
すげー自分勝手な奴だ!
「返事は明日まで待つでおじゃるからよく考えて答えるでおじゃるな!」
豚が帰っていく、豚語は聞き取りづらくてしょーがない、なんだよおじゃるとかへんな言葉使って、
「キング!聖青玉使って帰って大丈夫だからげっ!」
俺の拳骨が落ちる、
「豚に何言われて何考えてる?てかお前も豚語喋れるんだな?」
あ、また装備したままだった、ヒールと
「装備したままで拳骨禁止!てか豚語って何?」
「いや、悪い、豚語は豚が喋る言葉で、俺にも言語理解があったから聞き取れたけどおじゃるおじゃる煩くてかなわんぞ」
霞月は大笑いして
「あれはオークじゃないし、ただ太った人間だよ、しかも嵐家を名乗る奴等だ」
豚じゃなかったのか!じゃあ俺も喋っとけば良かった!
「こっちの嵐家ってことは昔の先祖の子孫にあたるのか」
霞月は胡座をかいて腕を組み
「そーいうことだね、でもこっちで繁栄してるのなら血は薄くなってるはずだよ」
「なんでだ?霞月達も血は薄くなる筈だろ?」
「僕らは嵐家を継ぐ際にあることをする、だから結婚しても血が薄くならない、あいつらはこっちの人間と子孫を残してきてるから、僕には似てなかっただろ?」
「そうか?似てるようわっ!似てませんでした!刀を抜くなよ!」
本当こいつは冗談が通じないな!
「んじゃ出るか?ここにいてもしょーがないだろ」
霞月が悩んでいる、
「いや、あんだけの事を言ってたんだ、そう簡単に「いくぞ?」え?」
鉄格子が曲げられ人が通れるくらい開いてる。
こんなヒョロイ檻に入れられてもなぁ、
「どーやって?ちょっと待ってね」
俺を後ろに下げて刀で斬るとスパスパ檻が斬れていく。
「どーしたバカツキ?」
霞月は眉間を抑えてる、頭でも痛いのか?
「僕らが強いのか、それとも舐められてるのか?いや?罠か?でも・・・」
霞月は座って飴を食べ始める、俺も一つ貰い食べるがどうしたんだ?
「なぁ、キング、隠密の指輪あったよね?」
「あるぞ」
アイテムボックスから取り出す
霞月は隠密のピアスを付けて、俺も指輪をはめる。
「で?どうすんだ?」
「確認したいからついてきて!喋らないようにね」
頷くと、霞月が先頭で歩いていくからついて行く、なんか空いてる牢屋ばっかだなぁ。
門番は気付いてないが、扉があるので眠ってもらい、縛り上げて俺らのいた牢屋に入れておく、鍵は奪って扉を開けると、どっかの庭にでた。
マップを確認するとこのデカイ城に二人は居るみたいだ。
霞月について行くと一旦城の外に出るとピアスを外し、俺も指輪を取る。
「情報収集、ここが何処でどういう事なのか!」
まぁ、ついてけばいいだろ!



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