王霞珠玉

あに

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第2章 ダンジョン攻略

セレネの飴ちゃん

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次の店で飴が売ってたので買って食いながら歩いているとガキがこっちを見てる、飴を見せると寄ってきたのでこの村のことを聞きながら情報を集める、ガキの名前はルネ、この村は最初にダンジョンがあった村で、勇者と呼ばれる人が来てダンジョンを攻略するまでは栄えていたらしい、その後ファイガルでダンジョンが見つかり出して、そちらに全て持ってかれた残り物の村らしい。

一応ダンジョンがあった場所を聞いてから残りの飴を全部やってルネを帰した、・・・残り物の村の割にはしっかりしてるよな。

「キング悪い予感がするんだけど」
「俺もだ、残り物のってことは残ってるってこったな」
二人で聞いた場所に向かうとしっかりした門と門番、村長がいた、
「よう、村長は何してんだ?ダンジョンだろそれ?」
村長はさほどびっくりしておらず、来ると分かっていたようだ。
「早かったのう、来るとは思っとったが勘がいいのかの?」
好々爺に見えるがなんか企んでるなぁ、めんどくさかったら断わろっと、
「んで?なんかして欲しそうだが?」
「やってくれるか!」
「内容次第に決まってるだろ」
さっきまでと違い落ち込むジジィに
「話だけは聞いてやるから喋って見ろよ」
「馬鹿だねー、キングは、どーせ黙ってらんなくなるのに」
バカツキはほっといて話を進める

聞くと勇者がダンジョンを攻略したのは間違いなく、これで平和になったと喜んでいたが、攻略はしたがしただけだった、ダンジョンは残っていて定期的に間引きしないと行けない、最初は国に相談したが追い払われてここは秘密のダンジョンになってしまったらしい。

「で?俺らにダンジョン攻略しろってか?初心者だぞ!」
無理にも程がある、
「儂らは今日のあの程度で村が危機に陥るほど村の男達がダンジョンで亡くなっている。報酬は必ず払うから、どうか、どうか、頼まれてくれんか?」

霞月は俺を見てニヤニヤしてる、どーせ俺が引き受けると思ってんだろ!甘いぜ!
「あー、少しだけなら見てみてやっても良いけど危なかったら辞めるからな!」
どうだ?良い妥協点だろ!と霞月をみたら大笑いしてやがる!ジジィも涙目になった。

「だから、あのな?無理だったら諦めるんだぞ?それでもいいのか?」
なんか間違ったこと言ってるか?
「はい!よろしくお願いしますじゃ!」
と両手を強く握ってくる、間違った気がする。


夜に霞月に聞くとあれじゃ遠回しにOKしてるだけだと言われた。
無理だったら辞めるといってるのにか?

よく分からんが言ってしまったからにはやらねば男が廃る、やるとは言って無いんだが?

翌朝、馬車はそのまま帰ってもらった、親父は休み以外は定期的に来るらしいからこれが終わったら乗せてもらうことにしてもらった。
「気を付けて帰れよー!」
「そちらも気をつけてくださいね!」
と手を振って別れたが、さてまずは巻物習得の時間だ。罠系の探知と解除を二人して覚えてマップに連動させる、霞月に聞いたらこう言うゲームがあるらしい、本当ゲームの世界だな。

行く前に昨日の飴を買った、ふた袋、だって見てんだもんこっちを昨日より多くの目が!
「ルネ!こっち来い!」
「はい!お兄ちゃん」
お兄ちゃん?なんだそりゃ?
「昨日より多いな、なんだありゃ?」
「私達みんな親が居なくて教会に住んでるから昨日の飴みんなで食べちゃった」
はぁ、俺と一緒かよ、一袋渡して
「足りるか?」
「うん!いいの?今日も案内「いいから子供は遊んでろ!」」
と頭を撫でてやると

「うん!お兄ちゃんありがとう」
と走ってみんなの所に行く。

ありがとうと聞こえるので手を振って早く帰れとやる、霞月が肩に頭を乗せてきて、
「本当にカッコつけマンなんだから」
と言って、勝手に飴を一つとって舐める。
「あー、甘い甘い」
勝手に歩き出す、仕方ないだろ、俺と一緒なんだからよ。
「うっせー!ならもう食うな!」
と頭を叩くと落とさなかったらしく、
「あっぶね、勿体無いだろ!甘いものなんかこの世界にあんまり無いんだから!」
ん?確かに無いな、砂糖が足りないのか?
「そーいえば無いな、なんでだ?」
「輸入してるか、栽培が上手くいってないか、どちらにしろ貴重品なんだと思うよ!それも飴にしては高いでしょ?」
まだ金銭感覚が鈍いんだよな、飴一袋銅貨20枚・・・2千円!たっかー!

「早く言えよ!買っちまった後じゃねーか!」
「僕が食べたかったからね」
「もーやんねー」
とアイテムボックスにしまう。
「あー、説明してあげたでしょ!・・・分かったよ半分出すから」
ガキが、
「分かったよ、確かにこんな高い物はあいつらにはやり過ぎだな」
少し反省した。

まぁ、気を取り直してダンジョン行くか!
「よし!も一個ちょーだい!」
・・・飴を渡してダンジョンへ、なんか乗り気しないなぁ。

門番には話をつけてあるからすんなり入れた。
生活魔法のライトをつけてマップを確認すると赤点だらけ、見えるのはスケルトンか、殴ってみるとバラバラと崩れるがまた元に戻る、もう一度倒してよく見ていると魔石があったのでそれを取ると崩れて灰になった、単純だな、罠は一層には無いのでやっていいよと霞月が言う、霞月は何かをやっているようなのでほって置いて、ボコボコ倒して魔石を取っていく。
マップで確認すると入口のない部屋があるから霞月に聞くと隠し部屋らしい、霞月が壁を押すとスライドして部屋がある。
「お、おい!これ!宝箱じゃね?」
「そーだね、でも多分中身は・・・やっぱりか」
錆びたネックレスやドックタグや腕輪、ここで死んだ人達の遺物だ。
「さっきのスケルトンも持ち主だね、骨格が違ったし、灰の後にはなにも残って無かったから」
こいつはそれを探してたのか、
「罠も無いようだし僕がそのまま預かるよ」
と宝箱ごとアイテムボックスに入れた
「よく入れたな?認識しないと入れられないんじゃなかったか?」
自分のじゃないのに入れてたし
「これは返すためにもって帰るの!そう言う認識!分かった?」
「お、おう」
そういうもんか、
「んじゃ一回りしたから二層に行こうか?」
とマップを見ながら進む。

二層に降りるとまた違う感じだな、
ライトが要らなくてダンジョンが光ってる感じだ、ってここも、スケルトンかよ!甲冑付けてるけど変わらないな、壊して魔石を抜くだけ。あれ?でも鎧は消えないな?
「多分この鎧もそうだね、もって帰るよ」
と灰を落としてアイテムボックスに入れる

んじゃ傷付けない様にしないとな、注意しながら壊していく。
二回は隠し部屋も無く三層へ行くと、ゴブリンか、色が茶色で外と違うな!動きは同じか、ボコッとやると、煙になっていき魔石が落ちる!これ解体なくていいじゃん!
「ダンジョンって解体要らないな!」
霞月に言うと
「あーぁ、僕の休憩が」
こいつは!
まー、罠もないしここもゴブリンだけだ、一回りして宝箱発見!でも赤点じゃね?
「これミミックだね、宝箱に擬態してて近づくと喰われるよ!」
「卑怯だな!おら!」ゴボッ!
消えたら綺麗なネックレスが落ちる。
鑑定したらこれも遺品。霞月に渡す。
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