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ダンジョン
しおりを挟む「さて、白井君の意見も聞きたいね」
桐生院は帰ってくるなりそう話し始める。
「はぁ、まぁ、良いんじゃないですか?冒険者にとっては価値がなくてもそれに価値をつけて買い取りそれをエネルギーとして売る。そのためのプロジェクトでしょ?」
「さすがわかってるじゃないか!」
「でも、ゲームの話になりますがダンジョンは人を取り込もうと人の欲を刺激する物を生み出します」
「それはなにかな?ゲームには疎くてね」
「若返りの薬や万能薬などですかね」
「それはすごいね」
「それを求めて冒険者になる人もいるでしょうしね。ギルドがそこまで把握できるかですが」
「するつもりだよ。そんな人の欲を刺激するものなんてのは別の欲で満たしてやれば良い」
「金ですか」
「そう言うことだな」
「あはは、まぁ計画は始動したんだしこれはもう止めようがないですよね」
「そうだ!ここまでよくやってくれたよ!白井君のおかげだ!」
「では私はこれでお役御免とさせていただきますよ」
「なぜだい?」
「私もその冒険者になりたいからですかね」
「そうか。君はそっちの人間か!」
「はい、誰かのそばで甘い蜜を吸い続けるのは性に合わなくて」
「わかった!じゃあ日本までは同行してくれるね」
「了解しました」
帰りの飛行機は何事もなく到着した。
「ではここでお別れだ白井君」
「はい、ありがとうございました」
「なに、3回も命を救われてるんだ。君の家は好きに使いたまえ君の名義になっているからね」
「え」
「それじゃあ、また会おう」
桐生院は行ってしまった。
「俺の家ってどこだよ」
「こっちですよ」
後ろから声がかけられる。
「うわぁ!びっくりしたな」
「こっちがビックリしましたよ」
そこには鈴木さんがいた。
「こっちです」
「わかりましたよ」
車で東京に着くと葛飾区にあるマンションに停まる。
「へぇ。ここが俺の家になるのか」
「ここの301です」
「ありがとう」
「いえ」
「え?どうしてついてくるの?」
「色々説明しないといけないでしょう?」
「あぁ、そうか」
そうだよな、はいどうぞと家を渡されてもな。
「これで契約は完了です」
「ありがとうございます」
「それから桐生院会長からのメッセージで口座に今までの分を振り込んどいたから!だそうです」
「いくらだろう。見るのが怖いな」
「あと会計士にはここを使えば良いと言うことですので」
「了解」
「では、わたしはこれで」
「ごめんね一緒に仕事できなくて」
「いいえ」
鈴木さんは帰って行った。
しかし広い家だな!
「俺の荷物これだけかよ」
まずは買い物に行こう。スーツのままでいいか。
家具屋によってベッドと布団、ソファーやテーブルを買う。影収納は便利だなぁ。
あと必要な物を片っ端から買って行く。
そして銀行で通帳に記入をすると、10億円入っていた。
まあ少ないよりはいいけどさ。限度があるだろ?これ幾ら税金取られるんだよ!
支店長が来るし、とりあえず100万おろしてそのままだよ!貯蓄?するわけないだろ?
こちとら貧乏が異世界行って社長のボディーガードになって。今無職!今ここ!
もう目がまわるだろ!37やぞ!
はぁ。とビールを開けて飲むと癒されるなぁ。さてもう一仕事すっかな。
家具をセットして行く。在庫のあるものしか買わなかったからな。テレビも繋げて冷蔵庫も設置、ほかにはエアコンついてるし照明もついてる。あ、洗濯機は…またあとでいいか、スーツだしな。
さて、本格的に飲もうとウーバーを頼んでテレビをつけるともうダンジョンのCMがやってるな。とソファーに深く座りながら見ていると桐生院がテレビに出ていた。
ビールを吐き出しそうになりながらこの人は忙しいなぁと思いながら聞いているとダンジョンの事、冒険者の事、ギルドの事を細かく喋っている。
葛飾ダンジョン?ん?ここは?って近いじゃねーかよ。
明日にでもいってみるか。
と言う事で夜中まで飲んでいたので二日酔い気味だが、昼からオープンらしいから来てみたら大行列だな。影潜りで一番前のやつにへばりついて入り、冒険者登録をした。
最後にボードに触るとカードが出てくる。
キャッシュカードにもなってるらしいしよくできてるよな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
白井 健人 37歳
レベル53 職業 忍者
スキル 火遁の術 中級短剣術 鑑定 罠設置 生活魔法 忍法 初級風魔法
ユニーク 奇想天外 魔法の才能
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おろ?レベルが上がってるな?なんでだろ?まぁいいか。
「ダンジョンには入られますか?」
「あ、入ります」
「武器は?」
「これがあるんで」
とダガーを見せると、中に入る許可が降りた。
中はtheダンジョンで石造りの壁が少し光っているな。
まずは様子見でと、スライムか?倒すとなるほど小さな魔石を落とすな。
とりあえず5階層くらいまでは見てみるか。
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