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リアのレベルアップ

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「小太郎様、どこへ?」
「いや、自由国家に」
「私も行きます」
「いや、家でゆっくりしてていいよ?」
「いえ、小太郎様が行くところが私の行く場所ですから」
 えー、一人でダンジョンにでも行こうと思ったんだけどな。

「はい」
「はい!」
『転移』

 自由国家について、ギルドを探しダンジョンについて聞いてみたら、ここから西の草原に初級ダンジョン、北西の森に中級ダンジョン、来た道を戻って南口にむかうと上級ダンジョンがあるそうだ。

「リアはダンジョンはどこまで行ったんだ?」
「初級ダンジョンだけです。それも途中で断念してしまって」
「強かったのか?」
「いえ、仲間が怪我をしてしまって」
 そうか、仲間がいるとそういうことがあるか。

「んじゃちょっとパワーアップしようか」
「パワーアップですか?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 リア 506歳
 レベル  18
 力 E+
 体 D
 速 D
 魔 E+
 運 F
 スキル 曲射 三連射
 ユニーク
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「こんなもんか」
「すいません弱くて」
「いや、さいしょはこんなもんだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リア 506歳
 レベル  18
 力 E+
 体 D
 速 D
 魔 E+
 運 F
 スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)        
     回復魔法 強化魔法 支援魔法   付与魔法
    弓術 体術 感知 集中 天歩 剛断 瞬歩 遠見 暗視 曲射 三連射
 ユニーク
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ま、こんなもんか。
「こんなに使っていただいてありがとうございます」
「俺と一緒にいるんだから当たり前だろ?」
「はい!」
 自由国家から西へ行き、初級ダンジョンに入る。
「じゃあ行くぞ」
「はい!」
 俺達は駆け足で初級ダンジョンを攻略して行く。
「リア!」
「はい!」
“シュッ”
 ゴブリンの頭に矢が生える。
「今の調子だ」
「はい!」
 リアは弓術に加えて体術もとらせたから、近接もお手のものだ。
 その長い手足を使い蹴りやパンチで倒して行く。
 十階層のボスはリア一人にやらせた。
 ホブゴブリンは棍棒を持ち上げるが、弓師の三連射で体を射抜かれ絶命した。
「余裕じゃないか」
「こんなに強くなるなんて」
 このままの勢いで三十階層まで進み、三十階層ボス、ゴブリンキング。少し強いか、とりあえずリア一人でやれるところまでと思っていたが、三連射を二回撃ったところで決着がついた。
 今回はドロップ品のみで宝箱はなし。
 毎回ランクアップされても困るしな。
 今日は宿で休み明日は中級ダンジョンだ。
「小太郎様、お背中を」
「ら、大丈夫だよ!リアはそういうことをしなくてもいいんだ」
「でも」
「大丈夫、俺はリアを見捨てたりしないから」
「は、い」
 男女の関係はまだ俺には早い。童貞じゃないけどな!
 
 翌朝はリアが布団の中に入っていた。いつの間に!でも、服はきていたからセーフだ。
 リアも心配なのだろうか?ここは一発なんてヘタレな俺には出来るわけがない。
「起きたか?今日は中級に行くぞ?」
「はい、あのすいません」
「ん?何がだ?」
「昨日は寝付けなくて小太郎様の布団に」
「だ、だいじょぶだ、だが俺も男だからな」
「はい」
「よし、今日も頑張るぞ!」
「はい!」
 はだけた服を直しながら自分の部屋にいくリアは少し頬が赤くなっていた。
 
 中級ダンジョンも駆け足で攻略する。
 リアは後方だが近接をやらすために剣術も覚えさせた。やはり体力があまりない為長時間は無理でも手数は多い方がいい。
四十九階層。『ヒール』で回復させてやり、小休止した後、五十階層のボスだ。
 
 リアの三連射が刺さるがゴーレムが相手だと部が悪い。俺が押さえつけてる間に剣で核を貫く。パワーレベリングだから致し方ないだろう。
 リアも結構辛そうだな。
 明日は休みにして明後日上級ダンジョンだな。
 宿に泊まるとやはり背中を流そうとしたりしてくる。あまり拒否るのも良くないので、背中は流してもらい、寝るのは別だ。

 鍵をかけたはずだがいつのまにかまた布団の中で寝ているリアがいた。
 どうやって?
 まぁ、今日は休みだから昼近くまでベットでゴロゴロしていた。リアからは自由国家のことや、他のことを聞いて過ごした。
 昼過ぎになると魔法屋に行きめぼしいものを探したが、短剣術くらいしかなかった。
 道具屋でブランクのスクロールと魔法玉を買い漁り。武器屋でリアの短剣を買った。


 翌朝、いつものようにリアを起こして、準備をさせる。今日は上級ダンジョンだ。
「危険だと感じたらすぐに撤退しろ、俺がついてるからな」
「はい!」
「じゃあ行くぞ」
 上級ダンジョンの低階層はリア一人でも十分通用したが、中層になるにつれて一人じゃ危ない場面が出てくるようになった。
「ここでレベルを上げて行くぞ」
「はい、すいません」
「いや、ここまでこれたのはリアの力だ」
「はい!」 
 四十八階層。クラウドモンキーと言う蜘蛛のようなサルが出てくるところでリアのレベル上げだ。今日は最後に五十階層のボスを倒して宿に帰る。
“シュシュシュッ”
 猿が木から落ちるとドロップ品を俺が取りにいく。

 五十階層のボスはクイーンビーだった。リアには相性がいい敵だろう。周りのキラービーを倒しながらリアはクイーンビーを狙い、何度も挑戦した。やっと倒した時には矢が尽きる寸前だった。
「よくやったな」
「はい。ありがとうございます」
 今日は疲れたのでよく眠れるだろう。
 翌朝は俺はリアに抱かれながら起きた。抱き枕にされていたのだ、なぜに?

 昨日の今日だから矢を補充して、五十階層からまたやり直す。昨日より早く終わって、次の階層へ。
 途中からまたレベル上がをしながら階層を降っていく。今日は時間的に八十階層までだな。

 八十階層。ワークロコダイルと言う半人だ。硬い皮膚に矢が刺さらないが、集中を使い矢が通りやすい所を狙って攻撃している。
 最後は長剣で首を斬り落とし勝利した。
「お見事」
「無我夢中で」
「いや。それでも頑張った証が見えて来てるよ」
 あとはスキルをもっと上手く使えれば見違えるほど強くなるだろう。
 あとは明日の百階からまで後略だな。

 また背中を流してもらい。寝に入る。
 普通に入ってくるのはいかがなものかと。まぁ、男としての俺のヘタレ具合は相当だから手は出さない。けっして三歳児になったトラウマではない。据え膳食わぬは男の意地でござる。

 ようやく百階層に到着したが相手がやはり悪かった。ブルードラゴンだ。矢は凍りつき、肉体は刃を通さない。
「ここは俺がやる!」
「いえ。ギリギリまで私にやらせて下さい」
 しょうがないのでみていると少しずつブルードラゴンに撃ちかっている。最後は矢が“ビュンッ”と音を立ててブルードラゴンの胸に吸い込まれていった。
「やった!勝てました!」
「よかったな!」
 これでリアは上級攻略者だな。

 日本の家に帰ると、上級を攻略したことをユフィやルージュにお祝いされとても嬉しそうなリアがいた。

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リア 506歳
 レベル  78
 力 A+
 体 B+
 速 A+
 魔 B+
 運 B-
 スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)        
     回復魔法 強化魔法 支援魔法   付与魔法
    剣術 弓術 体術 短剣術 感知 集中 天歩 剛断 瞬歩 遠見 暗視 曲射 三連射
 ユニーク
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 なんとかB以上になったな。あとは鍛錬あるのみだな。
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