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魔法屋

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 ポルタに帰るとまずは魔法屋に行く。
「ちわっ!聖魔法ってあるか?」
「聖魔法なんかこんなとこにあるわけないだろ?アルスタットならあるんじゃないか?」
「マジかぁ、……なんかオススメはあるか?」
 魔法屋の親父は奥に入って帰ってくる。
「これはとっておきの魔法玉だが、毒魔法だ」
「ほぉ、値段は?」
「一千万ゼル!」
「たけぇよ!流石にそれはいらん」
「なんだよ、けっこう出回らないんだぜ?」
「いや、いらんな」
「ちっ!ならスクロールはどうだ?」
 親父はスクロールを並べる。
「早駆け、天歩、剛断、だ。どうだ?」
「いいのあるじゃん、いくらだ?」
「一個五十万ゼルだ」
 足元見てやがるなぁ。
「三個で九十万なら買う」
「ならキリのいいとこで百二十」
「どこがキリのいいとこだよ!百!」
「ひゃ、百十だ!これ以上は」
「買った!」
 四十万の値切りに成功。だが高いな。
「はぁ、なら百十万ぜるだ」
「ほい、百十万だ。ありがとさん」
「もうくんな!」

 魔法屋を出て『転移』でアルスタットへ。
 魔法屋の梯子だ。
「ちわっ!」
「らっしゃい、って、あれ?あんたまた来たのかい?」
「聖魔法はあるかい?」
「あるよ」
「いくらだ?」
「三百万ゼルだな」
「はぁ、買うよ」
 さっきの駆け引きで疲れたのもあるし、ちょっと高いくらいだろ。
「まいど」

 これで

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コタロー・カザマ 十六歳
 レベル91
 力 S+
 体 A+
 速 S
 魔 S+
 運 A+
スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)        
    闇魔法 光魔法 聖魔法 回復魔法 転移魔法 時空間魔法 強化魔法 支援魔法   付与魔術
    剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断
ユニーク 

 黒の魔女の弟子
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 スキルが充実してきたぜ!
 出来れば早駆けじゃなくて瞬歩が欲しかったから早駆けはアイテムボックスに入れたままだ。

 外が騒がしいから野次馬になってみる。
「さっさとどけこら!こっちは忙しいんだよ!」
 檻に入ってるのはユニコーン?傷だらけじゃないか。
「見てんじゃねぇよ!」
 酷いなぁ、でもしょうがねぇか。

 ポルタに転移し、宿に戻る。
「あのユニコーン可哀想だったな」
 でも、モンスターはモンスターだしなぁ。
 俺らが狩りをしてるのとなんら変わらない。ただ獲物が違うってだけだしな。
「今日はゆっくり休んで、また明日からダンジョンだな」
 
 深夜、大きな音で目が覚める。
「な、なんだ?」
 慌てて外に出ると方角的にアルスタットの方だ。
『転移』
 アルスタットの魔法屋の前に転移すると、一面焼け野原になっている。
「何があった?」
「よ、よう、あんたか、」
『ヒール』
「あ、あんがとよ。いきなりだったからビックリしたけど『白の魔女』がいきなり攻撃してきたんだ。たぶんユニコーンのせいだ。あいつらが攫って来たから報復にきたんだよ」
 昼間のあれか、ユニコーンなんて御伽話で済ませとけば良かったのに、それにしてもやり過ぎだろ?
「そうか。ありがとな」
 俺は生きてる人に回復魔法をかけて回る。
 みんな口々にユニコーンの祟りだの白の魔女の攻撃だの言っている。

 中心部にいくと檻の残骸と焼けこげた人の姿が見えた。ユニコーンは白の魔女のものだったのか?
 流石に夜中だからルーに会いに行くわけにもいかず、夜が明ける頃まで回復魔法に専念していた。

「あぁ、白の魔女の逆鱗に触れたみたいね」
 ルーの家で話を聞く。
「ユニコーンは特別な生き物なの、人間が敵うような相手じゃないはずだから、卑怯な手を使ったんじゃないかしら?」
「それでもやりすぎだろ?アルスタットは中心部が焼け野原になってたぞ?」
 ルーはコーヒーを持って口に運ぶ。
「なぁ、魔女ってのはあんなことすんのか?」
「今回が特別ね。白の魔女は温厚よ?でも怒らすと一番怖いかもね」
 はぁ、魔女を怒らすなんてよくやるわ。
「まぁ、帝国がなんとかするでしょ。白の魔女を怒らせて気が気じゃないと思うわよ」
「そりゃそうか」
「そうよ、ユニコーンを保護だったら話は変わってたと思うけど、違うんでしょ?」
「あぁ、傷だらけで衰弱してたな」
「なら私から言うことはないわね」

 アルスタットに転移してみると、皆が復旧作業の真っ最中だった。
「よう、昨日は助かったぜ」
「おう、魔法屋の」
「ユニコーンは白の魔女の使いらしくて、いま帝王様が直々に謝罪しているらしいぞ」
「マジかぁ、捉えたやつは?」
「死んじまってるだろうよ。触らぬ神に祟りなしってこった」
「だな」 
 それにしても酷い有様だな。
「じゃあねぇ、国が補填してくれるらしいからそれまでの我慢だ」
「そうか、まぁがんばれよ」
「おう、ありがとな」
 魔女は天災扱いみたいだな。

 ポルタに帰って来た俺は宿に入りベットに横になる。
「はぁ。まぁダンジョンに入ってるなら魔女の怒りを買うことはないだろうが、ユニコーンがペットならちゃんと自分のとこで管理しろよな」
 っていっても聞かないんだろうなぁ。

 翌朝は朝からガノンダンジョンだ。
 ガノンダンジョン  三十七階層
「おらおら!かかってこいやぁ!」
 オーガの群れを無双している。ここでストレス発散だ。
『ウガァアァ』
「効かないねぇ!おらっ!」
 オーガの棍棒が肩口にヒットするが、防具が丈夫だから全然効いてない。
「オラオラオラ!」

 ガノンダンジョン  四十階層
 オーガキング……オーガ最上位種、オーガを召還して戦う。
「無駄無駄無駄ぁー」
 オーガ達は怯え切っている。
『ウガァアァウガァアァ』
「何喋ってんのかわかんねーぞ!」
 オーガキングを一刀両断する。
「ドロップだけは金になるんだよなー」
 オーガ以上になると途端に買い取るのを渋るからなぁ。まぁオーガのドロップは沢山手に入ったしいい感じだ。

 四十階層から転移陣で外に出る。
「これ日本で売ったらどれくらいになるんだろ?」
 親父に頼んで売ってみてもらうかな。
『転移』

「どわぁ!ビックリした!」
「よぉ、親父!」
「小太郎!俺をあまりビックリさせるな!」
「悪いな。それよりもこれを売ってみてくれないかな?」
 俺はオーガのドロップ、オーガの皮、オーガの牙、オーガの角をテーブルに出す。
「なんじゃこれは?」
「モンスターのドロップ品だよ、これ高く売れると思うぜ?」
「な、つい先日二百五十万も買取で出したばかりだろ?」
 そういえば時間差があるの忘れてたな。俺が売れればいいんだが、親父が目をつけられるのは勘弁だな。
「あ、オークションとかあるかもな!それなら匿名で出せるはずだ」
 転移で自分の家まで帰るとパソコンで検索してみると、出てくる出てくる。
 ヤホーにゲルカリなんかは本物か?ここは冒険者ギルド主催のオークションだな!
 
 
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