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第13話
しおりを挟む朝方に帰ら着いたのでやはり昼に起きた。
スマホにはメールが入っていて、
『おはろ!今日は3人で20階層から出発するよん!スキルボールありがとね!』
叶に、杏が、
『ユウー!スキルボールありがとー!またご飯ね!』
最後はクリスか、
『ユウさん、昨日はありがとうございました。スキルも頑張って使いこなしますね!』
と3人からメールが来ていた。
「よっと」
身体は楽だし疲れはないな!
俺もギルドに行くか!
ギルドに到着すると受付が騒がしいな。
「どうしたんだ?」
と隣のやつに聞いてみると、
「どうやらAランク冒険者が来たようだ!」
「へぇ、どんなやつなんだろうな?」
「あそこのえらい美人らしいけどな」
と野次馬に紛れて見ていると、銀髪の美人で少しキツそうな感じだな。って、俺と目が合う?
そしてこっちにくるので人が割れると、
「貴方が相葉優?」
「お、おう」
「こっちに来て!」
「え?はい」
とついて行く、応接室のような場所に行くと座るように促される。
「悪いけど、貴方の経歴を見させてもらったわ」
と対面に座り書類をめくっている。
「わぁ、プライバシーの侵害だね」
キッと睨まれるが本当のことだしね。
「そこは悪かったと言っている。しかし急に冒険者になってこの短期間でC級冒険者。しかも薬草を見つけてる」
「すごい活躍だね」
手を叩く。
「茶化さない!貴方神シリーズを持ってるわね?それも『神眼』を」
ズバリ当ててくるが、信用できないから、
「さぁ?たまたま見つけた草が薬草だっただけですけど?」
「シラを切るつもり?貴方が神スキルの持ち主ならそれは公表すべきよ?」
「なんで?」
「『神灯』『神風』『神速』…神のつくスキルは数あれど『神眼』はまだ発見されてないわ!」
「へぇ。なんで公表するの?」
「貴方ねぇ!!全てを見通せるからでしょ!!ダンジョンの大災害を知らないわけ?未然に防げるかもしれないのよ!!あなたのその身勝手な考えがどれだけの人を苦しませると思ってるの!」
カチンと来た、
「それは無理だ。そんなもの見えないからな」
「な…あなた」
俺は立ち上がる。
「悪いがもう試した、そして俺も大災害で親と爺ちゃんを亡くしてる。全てを見通せるスキルなんてこの世にはない」
「そう。…悪かったわ」
「人を冷血漢のように扱って悪かったと?何様だお前は!」
久しぶりに大声を出した。
「ごめんなさい」
下を向いて答える女。
「ふん!口では何とでも言えるな!」
俺は部屋から出て行く。
「はぁ、やる気がなくなったな。だが暴れたい気分だ」
カードを通してモノリスでダンジョン40階層に入る。
本当に暴れるだけ暴れたな。
何時間ここで戦っている?
流石深層と呼ばれているだけはあるな。
今回は頭に血が上りすぎたみたいだ。
ここは?49階層か、あと1階層で帰るとするか。
ポーションを飲んで倒したモンスターのドロップをインベントリにいれる。
50階層ボス、レッドドラゴン。
「まじかよ。くるんじゃなかったな」
『ガアァァアァァァ!!』
レッドドラゴンが叫ぶ。
「くそ、全部あいつのせいだかんな!」
「『アイスアロー』」
『ガアァァアァ!』
火を吹いて魔法を消してしまう。
『神速』で『斬撃』を放ち尻尾を断ち切る。
『グァァアァア!!』
「なんだ、楽勝じゃッッ!!」
素早い体当たりで壁にぶつかり衝撃で壁が割れる。
「が。『ヒール』く、くそっ!『ヒール』はぁ、一回じゃ危なかったな!」
もうこちらを向いて火を溜めている。
「うらぁぁぁぁ!!」
壁を蹴り上げ『神速』でレッドドラゴンに向かう。
『ガアァァアァァァ!!』
真っ直ぐに火を斬りながら進み首から斬り裂くと首元で火が爆発して巻き込まれる。
“ガラガラ”
瓦礫をどかしながら這い出ると、
「くそ、『ヒール』ギリギリじゃねーかよ」
目の前には赤い剣とバスケットボール程の大きな魔石が落ちている。
「はぁ、疲れたなぁ」
とりあえずインベントリに入れると宝箱が出てくる。
罠があるのでめんどくさいが、罠を解除して開けると赤黒いレザーアーマーだった。
「へぇ、かっこいいじゃん」
とりあえず一杯やりたい気分だな。
モノリスに手をついて1階層に戻る。
ゲートを潜りスマホを見ると深夜の2時だ。
メールがついてるが後だな。
「なんだ?まだなにか?」
と目の前にいる女に声をかけるが頭を下げて、
「ごめんなさい。本当にすいませんでした」
「もう良い、わかった」
あの女が謝っているので、しょうがないから許すことにする。もう疲れたのだ。
俺は外に出て行く。
コンビニで缶ビールを買って、一本飲み干すと、ついて来てる女にも一本渡す。
「もう気にしてない、忘れろ」
「ごめんなさい、薬草を見つけるような人に…あの大災害を経験した人に言う言葉じゃなかった」
「わかったから」
もう一本飲み干すと、
「かぁー!うめぇな!生きてるって感じがするな!」
すると女も飲み干す。
「あぁ!もう!こんな仕事ばかり嫌になるわ!」
「「あはははは」」
「もう気にすんな!名前は?」
「…氷室イロハよ」
「可愛い名前だな!」
「ふん!どうせ似合わないと思ってるでしょ?一本ちょうだい」
「飲むねぇ、居酒屋にでも行くか」
「そうね。行きましょう」
二人で大通りに向かって歩いて行く。
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