上 下
34 / 37

錬金術

しおりを挟む

「へぇ。生きてるんだな」
 近藤は一命を取り留めたらしい。
「まぁ、これで懲りただろ」
「さすがケントじゃのう」
「生ぬるい」
「まだ生きてて良かったよ。じゃなきゃ第二の近藤が出てくるでしょ?」
 まぁ、もう出てるかもしれないけど俺には関係ない。関係を持ったものの悪事は許せないだけだしな。
「次はどうするのじゃ?」
「なにも考えてなかったな、ダンジョンでも行くか?」  

 と言う訳でしばらく閉まっていたスカイツリーのダンジョンに行ってみることにした。
「まだ荒れてるな」
 瓦礫の撤去作業などをやっている。
ギルドについて受付で入場手続きをすると、 一階層から入場する。ここはどうやら登って行くみたいだな)。
「ーっは!」
「オラオラー!」
「ウインドカッター」
 弓師、忍者、魔法使いか、まぁ、悪くないパーティーじゃないか?
 ダンジョンブレイクをするとダンジョンが強くなるらしいとのことをサーシャに聞いた。
 まあまだ序盤だから弱いモンスターばかりなのでさっさと行ってしまう。

 50階層、なんだかんだでもう50階層なのだが、ボスはレッドドラゴンだ。
 普通に倒してドロップの赤い太刀とドラゴンのウロコをとって宝箱を取りに向かう。
 宝箱には金貨50枚と錬金術の書というのが入っていた。これで錬金術が捗る。
 そして先に進むとまた先があった。
 100階層かな?それともまうすこしあるのか?とりあえずボードに触って1階層に戻る。
 ギルドに要らないものを買い取ってもらい外に出る。
 家に戻ると早速錬金術の書を拝見してみる。凄いなぁあー。そしてネットで色々ポチってこの部屋を錬金部屋にしようと思う。
 だが練金釜がないのが残念。
 あ、ダンジョン攻略報酬をもらってなかったとガチャを回すと白金貨が十枚だった。ショップに入れて練金釜を探すとあった一番小さいので一千万リラするが、これ以上買うものもないので中を、三千万リラで買うとデカい段ボールで届いた。中を開けてみると練金釜だ。
 今まで貯めてた不思議な素材の数々はこれのためだった訳だ。まずはポーションを作ってみる。薬草と水だけだが。薬草がないのでユニコーンのツノを煎じてポーションを作ると上級ポーションが50瓶できた。
 不思議なもんで瓶まで出来るようだ。
 それからマジックバッグに欠かせない空間封じの薬液も作ってみる。
 バイコーンの角を煎じてカーバンクルの宝石も砕いて粉にする。それを一緒に練金釜で煮るとポンと言う音と共に出来上がったのは空間封じの薬液だ。これで出来上がった物を鞣したものに塗ればマジックバックは完成する。まぁ。渡す気は無いけどね。
 
 次の日は朝から葛飾ギルドで商売していた。というのも。
「これは上級ポーションじゃ無いですか!これ一本で100万はしますよ!」
「じゃあ50万でいいから安く売ってくれよ」
「ダメです!値崩れが起きますから!」
「んー。じゃあ薬草を採取して来てくれるよう頼んでもらえないだろうか?」
「ええそれならばいいでしょう!」
「んじゃこれは」
「いやいや買い取りますから!」
「これじゃ売れない」
「売れますから!だから売ってください!」
 と朝から今野さんとの掛け合いが楽しくて揶揄っている。
「はぁ、はぁ、はぁ、はあー」
「どうしたんですか?」
「それはこっちのセリフです急に上級ポーションを安く売れとか言うからでしょ」
「あはは。あれは冗談ですよ」
「ったく、でも作れるようになったんですね!」
「はい!」
「おめでとうございます」
「あはは、ありがとうございます」
「薬草の件は了解しましたので」
「よろしくお願いします」
 フィールド型のところにならあるだろうと思っていたらダンジョン型にも生えていたらしいことをサーシャ先生に聞いた。
 俺は知らずに素通りしてたらしい。
 そして本田さんと幸太君にひと瓶づつあげたので卸したのは48本だ。これだけで相当な額になってしまった。
 昼にドライブスルーでご飯にしてスカイツリーダンジョンに向かう。
 50階層からだな。
 ダンジョンを歩いていると草が生えている。鑑定してみると上級薬草だった。
そうかこう言うふうに出来てるんだな。
 俺はそれを取るとマジックバッグにつめて歩き出す。
「これ!来とるぞ!」
「あ、悪い倒しといて」
「最悪!」
「ふぅ、取れた」
「取れたじゃ無いじゃろ!」
「敵が来てるの!早く戦って!」
「はいはい!」
 一戦終わるとお小言が酷かった。
 だって高級薬草があったからしょうがない。
「「しょうがなくない」」
 ということでサーシャが取ってくれることになった。
「ダンジョンでなんでこんなことをしなきゃなんないのじゃ」
「文句言わない」
「ごめんね。サーシャ」
「っとに」
 その日は75階層まで行って帰って来た。
 葛飾ダンジョンに寄ると大量の薬草を、手にすることができたので満足だ。
練金釜に入れて作るとポーションになっているので、これで若い冒険者も入りやすくなるだろうな!
「ええー!昨日の薬草で二百本ですか?」
「はい!」
「これならいくら高くても一万はしないですよね?」
「そうですね!ありがとうございます」
 安く売れて良かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

優秀すぎた俺が隠居生活を決め込んだ結果。〜鍛治とポーション作りを始めたら、思っていたのとは違う方向に注目を集めてしまっていたらしい〜

カミキリ虫
ファンタジー
冒険者になり、その優秀さを遺憾無く発揮していた主人公、エディ。 それ故に、完全に俗世では浮いてしまっていた。 やることなすこと、注目の的になり、まるで彼を中心に世界が回っているかのようだった。 そんな彼は休養を兼ねて、昔住んでいた山奥の家に帰ることにした。 しばらく畑で作物でも作りながら、一人でゆっくりと生活しよう。 ……そう思っていても、彼のことを知っている者達が放っておくはずわけも無い。 次から次にやってくる、一癖も二癖も強い少女たち。翻弄される主人公。それきっかけで、他にやるべきことも見えた。 その結果、さらに彼を注目されることになり、そんな日々も悪くはないと、そう思うのだった。

勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。

飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。 隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。 だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。 そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました

遥 かずら
ファンタジー
冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。 追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。 やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

裏アカ男子

やまいし
ファンタジー
ここは男女の貞操観念が逆転、そして人類すべてが美形になった世界。 転生した主人公にとってこの世界の女性は誰でも美少女、そして女性は元の世界の男性のように性欲が強いと気付く。 そこで彼は都合の良い(体の)関係を求めて裏アカを使用することにした。 ―—これはそんな彼祐樹が好き勝手に生きる物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

付与効果スキル職人の離島生活 ~超ブラックな職場環境から解放された俺は小さな島でドラゴン少女&もふもふ妖狐と一緒に工房を開く~

鈴木竜一
ファンタジー
傭兵を派遣する商会で十年以上武器づくりを担当するジャック。貴重な付与効果スキルを持つ彼は逃げ場のない環境で強制労働させられていたが、新しく商会の代表に就任した無能な二代目に難癖をつけられ、解雇を言い渡される。 だが、それは彼にとってまさに天使の囁きに等しかった。 実はジャックには前世の記憶がよみがえっており、自分の持つ付与効果スキルを存分に発揮してアイテムづくりに没頭しつつ、夢の異世界のんびり生活を叶えようとしていたからだ。 思わぬ形で念願叶い、自由の身となったジャックはひょんなことから小さな離島へと移住し、そこで工房を開くことに。ドラゴン少女やもふもふ妖狐や病弱令嬢やらと出会いつつ、夢だった平穏な物づくりライフを満喫していくのであった。 一方、ジャックの去った商会は経営が大きく傾き、その原因がジャックの持つ優秀な付与効果スキルにあると気づくのだった。 俺がいなくなったら商会の経営が傾いた? ……そう(無関心)

処理中です...