32 / 37
ダンジョンブレイク
しおりを挟む「はぁ、街がこんななって」
「お、いたいた!忠野さん!」
「本田さんに幸太君も」
「流石に2人で買い物してたらこんなことになってビックリしましたよ」
「ですね、放置されたり人が死にすぎるとなるみたいですよ」
「スカイツリーだから人は多かったはずなんで後者かな」
幸太君もやるせない気持ちみたいだな。
「お、いたのじゃ!」
「ただいま」
「おかえり」
「これはどうしようもないのか?」
ダンジョンを消すしか手はないのかな。
「この状態を上がどう判断するかじゃないか?」
本田さんが言う。その通りだな。
翌朝のテレビでは死亡者などが告げられ災害ということになっている。人災でもあるよな?ギルド本部がどう判断するかだな。
東京23区にどれだけの数のダンジョンがあるか知らないし日本だけじゃなく世界にもあるのだからな。
話題が変わりダンジョンから取れる魔石がクリーンエネルギーになると発表があったそうだ。これでますますダンジョンが潰せなくなって来たな。
「災害っちゃ災害だな」
「まぁ、どうするかじゃな」
「そっちの世界ではどうだったんだ?」
「何も?今と同じじゃよ」
「私達が生まれな時にはあったからね」
「そうか」
まぁそうなるわな、今から生まれてくる子達はそれが普通になるな。
国の対策はそれからもなかった。
それから一か月が経つ、俺たちは相変わらずいろんなダンジョンに出かけている。
「はい!あ。分かりました。では」
「どうしたのじゃ」
「マジックバッグが完成したらしいよ」
「ほう。それは見に行かねばな」
「興味津々」
車で葛飾ギルドに向かうともう近藤さんは待機していた。
「お待たせして申し訳ないです」
「いや。これはどうしても見せたくてな」
「早速ですがこれですか?」
デカめの旅行用鞄くらいの大きさがある。
「あぁ、自分で言うのもなんだが最高傑作だ」
「そうですか、では」
中を探るとしっかりマジックバックになっているが(小)といったところかな。
「凄いですね!これが自分たちで作れるなんて」
「あぁ!これで発表できるが、材料の方は?」
「これだけあれば大丈夫ですか?」
全部で50枚ある。
「おぉ!これだけあればいろんなバッグが作れるだろうな!」
「それではこれを」
「わかった買い取ろう」
「これからはいちまい五十億でどうだろうか?」
「いいですよ。そこまで守銭奴ではないですから」
「良かった」
「ちなみにどのモンスターの皮なんだ?」
「ミスティックアイというモンスターで麻痺光線を撃ってきますね」
「麻痺対策が必要なのか!」
「そうですね」
「わかったありがとう、それじゃ!」
キラッとさせながらかえると統括は足取りが軽い。まぁ、思った通りにできたと思っているのだろうからまだ行けることは内緒にしておこう。
今野さんたちが駆けつけてきて、
「大丈夫なんですか教えて」
「はい。これ以上マジックバッグで稼ぐのはやめますから」
あまりやると不幸を買うようなもんだ。
「そうですか。なら何階層に出るかを教えてもらえますか?」
「ここなら35階層ですね。新宿だと25階層ですが」
「わ。わかりました」
「麻痺対策が必要ですのでそれだけは必ずお願いしますね」
「はい」
こうして俺の手から離れたマジックバッグは公表はされなかった。たぶんオークションなどで落札されているのか、まだ開発している段階なのかわからないな。
まぁ普通のマジックバッグには敵わないだろうな。
今攻略しているのは足立区の西新井大師ダンジョンである。できればここは潰しておきたいな。
お年寄りが多いしダンジョンにもあまり人がいない。
桑袋ビオトープダンジョンのほうにいっているようでギルド員もやる気が見えない。
ここも50階層っぽいのでさっさと攻略してやろうときたのだ、
「ここを無くしても大丈夫ですか?」
「なに?ダンジョンを潰してくれるわけですか?」
「多分大丈夫だと思います」
「ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします」
よし。そんな訳でこのダンジョンを初めて潰すことになるな!
「いくぞ!」
「任せるのじゃ」
「楽勝」
1階層から順に攻略して行く。ここはアクセサリーが多いな。麻痺耐性の指輪なんかも出てきた。まぁ、今のうちに取れるだけ取っておこう。
流石に二日に分けて50階層まできた、ボスはミスリルゴーレム。何故か仏像の形をしているが鑑定でミスリルゴーレムと出ている!
火遁の術を使い核が出たところで斬り倒すとドロップはスターネックレスだった。
スターネックレス…ステータス異常全耐性
と言ういいものが出た。
進んでいくとダンジョンコアがあったので触ると、
1、ダンジョンを消滅
2、ダンジョンコアを受け取る
3、ダンジョン1階層にもどるとあったので2を選んだらすぐにダンジョンコアをマジックバッグに入れるとギルド前に出た。
ダンジョンがあった場所は何も無くなっておりギルド職員もビックリしているが、俺が攻略しましたと言うと喜んでくれた。
「ありがとうございます」
「いえ。当然のことをしただけです」
「ここはお年寄りも多いですからね」
「そうですね、ダンジョンブレイクなんか起こしたら大変ですからね」
「本当にありがとうございます」
114
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる
まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。
そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。


劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる