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秘密の話
しおりを挟む「お待ちしていました」
やっぱりかよ。
「また凄いものを手に入れましたね」
「そうですね。近藤さんはマジックバッグに取り掛かってるんですか?」
「はい!いまは滑しの工程ですので、それよりも若返りの薬です」
「それは今持ってますけど」
「見せてもらっても?」
薬を出すと。
「これ一粒で10歳若返るそうです」
「はぁ、これが世に出れば金をいくら積んでも欲しがる人がいますね」
「そうですね」
「これは見なかったことにします」
近藤さんはキリッとした顔で言う。
「まだこの世に一つしかないですし、これを知っているのは我々だけですので」
「わかりました。それではこれは秘密ということで」
「はい!誰も口を割らないよう箝口令を出しますので」
「はい」
「それでは!頑張って下さい」
と言って帰って行った。
はぁ、良かったのか悪かったのか、まぁ、良かったのだろうな。
「また統括が出て来るとは思わなかった」
「もうキツイですよー」
「あはは苦手でしたもんね」
「しー!」
副ギルド長が口に手を当てる。
「それにしてもそうですか、あとは万能薬なんか見つかると大変でしょうね」
「めっ!」
「口は災いの元ですよ!」
「す、すいません」
今野さんは謝ってるが本当にありそうだな。
「でも今は回復魔法士がいますからね」
「そうですね、今でも十分回復している人がいますもんね」
和気藹々と話をしてその場は退室した。
さてと、葛飾ダンジョンは攻略したからなぁ。
「忠野さん!」
「おっ本田さん!」
「探してたんですよ、幸太君が言ってたので」
「あっ、これですね」
バッグから取り出しているように見せかけてマジックバッグから出している。
「本当にいいんですか?こんないい剣!」
「いいんですよ、2人にはちゃんと頑張ってもらいたいんです」
「うぐっ、なんでそういうことが平気で言えるかなぁ」
泣き虫だなぁ。
大切な人に死んでほしく無いだけなのに。
「あっ!十回層も攻略できたんですよ!」
「凄い!ユニコーンですよね?」
「はい!それだけ怪我もしましたがね」
「でも生きてて良かった!うれしいですよ」
「ほらまたそんなこと言う」
とまた泣きそうになってるし、
「でもそこからも大変ですから地道に頑張ってくださいね」
「わかってますよ!それでも稼げてますからね!」
「はい!」
本田さんにも無事に剣を渡せたし、次は新宿ダンジョンでも攻略するかな?
2人と相談して新宿ダンジョンに来ていた。
30階層までいっていたのでそこから登ろうと思ったがサーシャがついて来れなかったので20階層からのスタートだ。
苦もなく30階のデュラハンを倒して31階層、
「ここも50階層かなぁ?」
「そうじゃろうの」
「広さからいくと五十層が妥当」
ダンシングソードと言う剣のモンスターと戦いながら喋っている。
「そうか。なら50階層まで行こうか!」
「まぁ今のケントなら大丈夫なのじゃ」
「賛成」
ダンシングソードを倒してドロップを拾うとダッシュで階層を降りていく。もちろんマッピングしながらだがな。
そして50階層のボス部屋に辿り着く。
開けると中にはレッドドラゴンがいた。
「忍法影忍び」
ブレスを躱して影の中から攻撃する。
背中に飛び乗り羽を斬り落とすと首を斬る。
レッドドラゴンは消えてドロップのレッドソードと言う剣がドロップした。
宝箱を開けると金貨50枚と万能薬が入っていた。
「あちゃー、出ちゃったよ」
「もう隠しておいていいんじゃ無いか?」
「賛成」
「だな。これは見なかったことにしておこう」
俺たちは先に進んでダンジョンコアに触り1階層に戻ってきた。
時間は夕方だが、とりあえずギルドに報告すると別室に呼ばれてマッピングとドロップ品を出していく。
実際儲けはもういらないんだがな。
「それじゃあラストはこのソードですか?」
「そうですね」
「そうですか。てっきり万能薬でも出るかと思いましたよ」
出たけどね。
一時間ほどで終わり、カードに移してもらって帰る。車に乗るとホッと一息吐く。
「あぁ、疲れたなぁ」
「みてる我らでさえ疲れとるのじゃ」
「だな、お疲れ様、でもなんとかなったな」
車を出すと今日は居酒屋にでも行きたい気分だな。自宅に車を置いてチェーン店の居酒屋に入る。簡単に区切られているテーブル席だ。
まずは生ビールで乾杯してつまみがどんどん来るのでそれを消化していく、疲れが癒やされていくような気分になる。
「おいしいのじゃ、我は気に入ったぞ」
「これ美味しい、こっちもそっちも」
いつもより饒舌なミスティにビックリしながらも飲み進めていく。
さぁ、次はどのダンジョンに行こうかと話をしていると他の男どもが乱入してきた。
「俺の連れだ!さっさといなくなれば許してやるよ」
「いやいや美人2人なんて贅沢だって!俺たちも仲間に入れてくれよ!」
「ふざけてるのか?冒険者カードだ」
「げ。こいつ冒険者かよ!」
「早く行け!」
「ちっ!クソ野郎が」
「あぁ。しらけたな!また飲み直すか」
「そうじゃのう、ミスティは良かったのうケントに挟まれていて!」
「はい!ケントかっこよかった」
「あはは、やっぱ飲みすぎだから帰ろうか」
と外に出ると「待てこのやろう」と追いかけて来る奴らがいる。
「言っとくがただの怪我じゃ済まないぞ?」
「じょ。上等じゃねえか!やらるものならやってみろ!」
相手は6人で命の危機を感じる。
抜刀はしてはいけない、魔法の行使も厳禁、使うのは己の肉体のみ。1分もかからず倒れてしまった。
よし、正当防衛完了。
「カッコいい」
「かっこいいのじゃ」
「さあて2人とも帰るぞー!」
「「おおー」」
次の日の朝、
江戸川区の葛西ギルドに来ている。
初のところだから勝手が分からないな。
とりあえず入場したいんだが、受付に行って聞くと入場制限はないらしくそのまま入って大丈夫だそうな。
1階層はフィールド型でモンスターは見当たらないと思ったら湖の中に居るそうだ、こっちが危害を加えない限り襲って来ることもないらしい。だからデートスポットとして人気らしいがそれでいいのか?
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