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聖ブルノア魔術学園編
第78話 我が妹、弟たちよ
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入学して1週間ほど経った頃、ダリアとアルベルトの周りはより一層騒がしくなっていた。
「ダリア様いつ見てもお美しいですわ。あの憂いに帯びた目、あの目と合うと思うとため息が零れて止みません!」
「ご覧になって!読書なさってるダリア様の元にアルベルト様が!」
(本を読んでるだけでこの騒ぎ…)
「おい、そろそろ夕食の時間だぞ。日が暮れ始めているのが見えないのか?」
読んでる本に指をかけて手前に倒すアルベルトに無表情に見上げるダリア。
「ほんとだ……」
「少しは休め、お前は頭を働かせすぎだ。」
「殿下にお気遣い頂けるなんて身に余る光栄です。」
「茶化すな。本気で言ってるんだぞ。兄上からも手紙で言われたんだ、お前を休ませるようにと。」
「ベルファ殿下が?」
「あぁ、あちらではアメリア嬢の神殿籠もりが遂に始まるそうだ。」
ダリアは本を閉じるとその上で手を組み、そのようだね と言った。
「心配じゃないのか?」
「心配である、だが。あそこは入学を酷く嫌がった者に護らせている。何かあればすぐに知らせるようにとも。それにアメリアはしっかりしているからね、さほど心配はしていないよ。それに私たちが留守の間はヒナが公爵家の令嬢として茶会やサロンに顔を出す手筈だから問題ないよ。」
「俺は時々お前と同い年であることを忘れるよ。」
「ふふっそれは褒め言葉として受け取っておくよ。それよりカリム殿下の話を最近あまり聞かないが何かあったのかい?」
アルベルトは少し嫌な顔をすると「場所を変えるぞ」とダリアを連れて教室を出た。
廊下を歩きながらアルベルトの顔を覗いてみるものの表情は変わらない。
誰もいない教室を見つけるとアルベルトは入っていく。
ダリアは付き添ってきたリアーナに外で見張るように言い付けると、続いて部屋に入る。
「なんだい?随分と警戒するじゃないか。」
ダリアは指を鳴らして防音魔法を部屋にかけ、アルベルトは髪を片手で乱しながら口を開く。
「……実はカリムが襲われたんだ。」
「……暗殺か。」
「あぁ、アヤ側妃もだ。」
アルベルトはダリアの助言もあってかカリムの面倒を見るようになっていた。
自分が感じていた寂しさを弟にも与えてはならないとダリアに言われ、少しづつではあるが交流するようになったのだ。
そんなカリムに少なからず情が芽生えたのだろう。
今回の暗殺未遂事件はアルベルトにとって堪えるものだった。
「たしか、カリム殿下の護衛は。」
「王国騎士団だ。」
アルベルトは入学前信頼しているアストルム騎士団にカリムたちの護衛を任せたいと願い出たが王国騎士団がそれを許さなかった。
アストルム騎士団のトップふたりがこの度入学となり騎士団としての行動を禁じられているため残りの騎士たちだけでは不十分だとし適切ではないと却下したのだ。
「お前の騎士たちなら守れたはずだ。ヤツらはカリムが側室の子供だからと手を抜いたのだろうな!」
ここまで怒りに身を任せているアルベルトを初めて見たダリアは顎を手で弄りながら思案をめぐらせた。
そしてアルベルトにひとつの方法を提案してせた。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌃
「ダリア様いつ見てもお美しいですわ。あの憂いに帯びた目、あの目と合うと思うとため息が零れて止みません!」
「ご覧になって!読書なさってるダリア様の元にアルベルト様が!」
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「おい、そろそろ夕食の時間だぞ。日が暮れ始めているのが見えないのか?」
読んでる本に指をかけて手前に倒すアルベルトに無表情に見上げるダリア。
「ほんとだ……」
「少しは休め、お前は頭を働かせすぎだ。」
「殿下にお気遣い頂けるなんて身に余る光栄です。」
「茶化すな。本気で言ってるんだぞ。兄上からも手紙で言われたんだ、お前を休ませるようにと。」
「ベルファ殿下が?」
「あぁ、あちらではアメリア嬢の神殿籠もりが遂に始まるそうだ。」
ダリアは本を閉じるとその上で手を組み、そのようだね と言った。
「心配じゃないのか?」
「心配である、だが。あそこは入学を酷く嫌がった者に護らせている。何かあればすぐに知らせるようにとも。それにアメリアはしっかりしているからね、さほど心配はしていないよ。それに私たちが留守の間はヒナが公爵家の令嬢として茶会やサロンに顔を出す手筈だから問題ないよ。」
「俺は時々お前と同い年であることを忘れるよ。」
「ふふっそれは褒め言葉として受け取っておくよ。それよりカリム殿下の話を最近あまり聞かないが何かあったのかい?」
アルベルトは少し嫌な顔をすると「場所を変えるぞ」とダリアを連れて教室を出た。
廊下を歩きながらアルベルトの顔を覗いてみるものの表情は変わらない。
誰もいない教室を見つけるとアルベルトは入っていく。
ダリアは付き添ってきたリアーナに外で見張るように言い付けると、続いて部屋に入る。
「なんだい?随分と警戒するじゃないか。」
ダリアは指を鳴らして防音魔法を部屋にかけ、アルベルトは髪を片手で乱しながら口を開く。
「……実はカリムが襲われたんだ。」
「……暗殺か。」
「あぁ、アヤ側妃もだ。」
アルベルトはダリアの助言もあってかカリムの面倒を見るようになっていた。
自分が感じていた寂しさを弟にも与えてはならないとダリアに言われ、少しづつではあるが交流するようになったのだ。
そんなカリムに少なからず情が芽生えたのだろう。
今回の暗殺未遂事件はアルベルトにとって堪えるものだった。
「たしか、カリム殿下の護衛は。」
「王国騎士団だ。」
アルベルトは入学前信頼しているアストルム騎士団にカリムたちの護衛を任せたいと願い出たが王国騎士団がそれを許さなかった。
アストルム騎士団のトップふたりがこの度入学となり騎士団としての行動を禁じられているため残りの騎士たちだけでは不十分だとし適切ではないと却下したのだ。
「お前の騎士たちなら守れたはずだ。ヤツらはカリムが側室の子供だからと手を抜いたのだろうな!」
ここまで怒りに身を任せているアルベルトを初めて見たダリアは顎を手で弄りながら思案をめぐらせた。
そしてアルベルトにひとつの方法を提案してせた。
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