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剣術トーナメント編
第51話 アストルム騎士団 剣術トーナメント
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ついに始まったアストルム騎士団剣術トーナメント。
ベルメールの街並みは観光客で溢れかえり、騎士団で使っている闘技場は熱気と歓声で盛り上がりを見せていた。
その闘技場には王国騎士団や王宮内の要人もいた。
王国騎士副団長 バッカス・アグレスト。
最後までアストルム騎士団創立に反対をしていた男である。
「公女、王国騎士副 副団長のバッカスがご挨拶をしたいと申しております。」
足を組みながら不敵な笑みを浮かべ闘技場を座席から見つめるダリア。
その笑みをさらに引き上げさせるとキースに「いいよ」と入室を許可した。
30ぐらいの厳格そうな男が観戦部屋に入りダリアに礼を尽くす。
「楽にしていいよ。」
「は、お初にお目にかかります。ダリア嬢。バッカス・アグレストにございます。」
「やぁ、貴殿がアグレスト伯爵か。私の招待には応じないと思っていたよ。」
「公爵家直々のご招待に応じない者などおりません。大変光栄に存じます。」
「詭弁はよせ。こんな子供のお遊びに付き合わされてさぞ不満だろう。」
「決してそのようなことは、、、しかし、騎士団の大半が11歳前後の者たちで構成されていることは少々問題かと。」
そう言ったバッカス伯爵の目は鋭く光っていた。
「将来有望ではないか。私は見込みあるものしか入団を許したりしていないよ。」
頬杖をつきながらダリアは変わらずにバッカス伯爵に視線を向けることなく闘技場を見つめていた。
「しかし、今回は剣術のみの戦闘を許すとは何をお考えで?」
「これがアストルム騎士団だ。私たちは騎士団でありサーカス団ではない。魔法を見せびらかすために存在している訳では無いだろう。」
「魔法は力です。力なきものがどう国を守れると?」
「そうやって魔法だけが力だと思っているから王国騎士はとても弱いんだ。」
王国騎士を侮辱されバッカス伯爵の目に怒りが宿る。
だがダリアは目だけをバッカス伯爵に向けると不敵な笑みを浮かべながら口を開く。
「ファン・モンフォーヌ。先日王国騎士に入団しただろう。ウチのノア・モンフォーヌの兄だ。」
「それが、、、、」
「彼は既に兄を超えてるぞ?」
「そんなはずが彼には才能が!」
「信じられないのであれば今日特別枠として戦わせてみよう。いかに貴殿達の教育が行き届いていないかその目でしかと見ることだな。」
最後に冷たくそう言い放つとバッカス伯爵に「下がれ」と命じ「ハッ」と鼻で笑って見せた。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
ベルメールの街並みは観光客で溢れかえり、騎士団で使っている闘技場は熱気と歓声で盛り上がりを見せていた。
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最後までアストルム騎士団創立に反対をしていた男である。
「公女、王国騎士副 副団長のバッカスがご挨拶をしたいと申しております。」
足を組みながら不敵な笑みを浮かべ闘技場を座席から見つめるダリア。
その笑みをさらに引き上げさせるとキースに「いいよ」と入室を許可した。
30ぐらいの厳格そうな男が観戦部屋に入りダリアに礼を尽くす。
「楽にしていいよ。」
「は、お初にお目にかかります。ダリア嬢。バッカス・アグレストにございます。」
「やぁ、貴殿がアグレスト伯爵か。私の招待には応じないと思っていたよ。」
「公爵家直々のご招待に応じない者などおりません。大変光栄に存じます。」
「詭弁はよせ。こんな子供のお遊びに付き合わされてさぞ不満だろう。」
「決してそのようなことは、、、しかし、騎士団の大半が11歳前後の者たちで構成されていることは少々問題かと。」
そう言ったバッカス伯爵の目は鋭く光っていた。
「将来有望ではないか。私は見込みあるものしか入団を許したりしていないよ。」
頬杖をつきながらダリアは変わらずにバッカス伯爵に視線を向けることなく闘技場を見つめていた。
「しかし、今回は剣術のみの戦闘を許すとは何をお考えで?」
「これがアストルム騎士団だ。私たちは騎士団でありサーカス団ではない。魔法を見せびらかすために存在している訳では無いだろう。」
「魔法は力です。力なきものがどう国を守れると?」
「そうやって魔法だけが力だと思っているから王国騎士はとても弱いんだ。」
王国騎士を侮辱されバッカス伯爵の目に怒りが宿る。
だがダリアは目だけをバッカス伯爵に向けると不敵な笑みを浮かべながら口を開く。
「ファン・モンフォーヌ。先日王国騎士に入団しただろう。ウチのノア・モンフォーヌの兄だ。」
「それが、、、、」
「彼は既に兄を超えてるぞ?」
「そんなはずが彼には才能が!」
「信じられないのであれば今日特別枠として戦わせてみよう。いかに貴殿達の教育が行き届いていないかその目でしかと見ることだな。」
最後に冷たくそう言い放つとバッカス伯爵に「下がれ」と命じ「ハッ」と鼻で笑って見せた。
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