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剣術トーナメント編
第50話 恋愛バトルロイヤル
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アルマ、ヒナ、ブランは部屋でアフタヌーンティーを楽しんでいた。
いや、楽しんでいたというのは客観的な見方によるものだろう。
実際の彼女たちは目だけで互いを牽制をしていた。
理由など考えるまでもないだろう。
「、、、、」
「、、、、」
「、、、、」
沈黙がしばらく流れそれを破ったのはブランディーヌだった。
「それで?あなた達は何故着いてきたの?」
「あら、王女様。それはあまりにも寂しいですわ。せっかく王女様とお見知り出来たのに。」
「おまえの狙いがわたしではないことくらいわかっている!」
「わ、わたくしはお兄様の妹として、、、」
「あら、嫌ですわヒナ嬢。ダリア様は女性ですのよ?まぁお兄様とお呼びしたくなるのもわかりますけどね?」
「しかし、ダリア・クロウリー。王宮ではこの名前はドレスを着飾った姿をよく耳にしていたのだが。」
「お兄様はいつからかドレスや宝石といったものに興味を示さなくなったそうです。着ていたドレスをわたくしに全てお与えになってしまいましたし、、、」
ヒナの言葉に2人は身を乗り出し目をギラつかせながら声を荒らげた。
「なっ!ダリア様のお下がりを全て?!では、今着ているのも!」
「な、なな!公爵家の令嬢とあろうものがそのように貧乏臭いことを!」
ブランはこのように言うが実際はお下がりを着られるなんてなんて羨ましいという風に思っていた。
もちろんアルマも同様だがアルマはそれを隠す気は無いらしい。
「も、もちろんお兄様は行きつけの店の新作が出る度にわたくしを連れて行ってくれますが。」
ヒナは静かに手を胸にあてがうと頬を少し赤らめ嬉しそうに表情を浮かべる。
「かつてのお兄様は公爵令嬢の名に相応しい程、いえそれ以上に美しく在られたと聞きます。わたくしもその妹として恥じぬよう在りたいと思うだけでございます。」
ヒナの羨望の眼差しに2人はそっぽを向きながら紅茶を飲む。
「ま、まぁ。血が繋がっていなくとも所詮は姉妹。それ以上になることは無いだろう。」
「同じ屋敷に住むのはとても羨ましいと思いますがね?」
3人がなんとも言えぬ空気の中沈黙が訪れる。
すると部屋をダリアが訪れ3人は一斉に立ち上がりダリアを歓迎する。
「お兄様!」
「ダリア様!」
「ダリア!」
「少し距離があったから疲れていると思ったんだが流石貴族令嬢だな。」
ダリアやれやれと吐息とともに漏れ出た心の声にアルマとヒナは得意げな顔をしてみせる。
「当然ですわ!ダリア様と同じ公爵家の者としてこれくらいの事で姿勢を崩すなどもってのほか、、、家名に泥を塗るようなことは致しませんわ。」
「おに、、、お姉様の妹として当然のことでございます。」
満足そうに「うんうん」と頷くとブランの方に向き手の甲にキスを落として挨拶をする。
「妃殿下、大浴場の近くに別室をご用意致しました。」
「な!わたくしも疲れてなどおりません!公爵家の娘たちに出来てわたくし出来ないわけがございません!」
「さすがは妃殿下。お力を見誤っておりましたわたくしをどうかお許しください。」
「わ、分かれば宜しい!」
その後ダリアはブラン達を部屋に送り再び執務室に戻って行く。
「君の兄も見に来ているそうじゃないか。、、、、なぁ?ノア。」
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
いや、楽しんでいたというのは客観的な見方によるものだろう。
実際の彼女たちは目だけで互いを牽制をしていた。
理由など考えるまでもないだろう。
「、、、、」
「、、、、」
「、、、、」
沈黙がしばらく流れそれを破ったのはブランディーヌだった。
「それで?あなた達は何故着いてきたの?」
「あら、王女様。それはあまりにも寂しいですわ。せっかく王女様とお見知り出来たのに。」
「おまえの狙いがわたしではないことくらいわかっている!」
「わ、わたくしはお兄様の妹として、、、」
「あら、嫌ですわヒナ嬢。ダリア様は女性ですのよ?まぁお兄様とお呼びしたくなるのもわかりますけどね?」
「しかし、ダリア・クロウリー。王宮ではこの名前はドレスを着飾った姿をよく耳にしていたのだが。」
「お兄様はいつからかドレスや宝石といったものに興味を示さなくなったそうです。着ていたドレスをわたくしに全てお与えになってしまいましたし、、、」
ヒナの言葉に2人は身を乗り出し目をギラつかせながら声を荒らげた。
「なっ!ダリア様のお下がりを全て?!では、今着ているのも!」
「な、なな!公爵家の令嬢とあろうものがそのように貧乏臭いことを!」
ブランはこのように言うが実際はお下がりを着られるなんてなんて羨ましいという風に思っていた。
もちろんアルマも同様だがアルマはそれを隠す気は無いらしい。
「も、もちろんお兄様は行きつけの店の新作が出る度にわたくしを連れて行ってくれますが。」
ヒナは静かに手を胸にあてがうと頬を少し赤らめ嬉しそうに表情を浮かべる。
「かつてのお兄様は公爵令嬢の名に相応しい程、いえそれ以上に美しく在られたと聞きます。わたくしもその妹として恥じぬよう在りたいと思うだけでございます。」
ヒナの羨望の眼差しに2人はそっぽを向きながら紅茶を飲む。
「ま、まぁ。血が繋がっていなくとも所詮は姉妹。それ以上になることは無いだろう。」
「同じ屋敷に住むのはとても羨ましいと思いますがね?」
3人がなんとも言えぬ空気の中沈黙が訪れる。
すると部屋をダリアが訪れ3人は一斉に立ち上がりダリアを歓迎する。
「お兄様!」
「ダリア様!」
「ダリア!」
「少し距離があったから疲れていると思ったんだが流石貴族令嬢だな。」
ダリアやれやれと吐息とともに漏れ出た心の声にアルマとヒナは得意げな顔をしてみせる。
「当然ですわ!ダリア様と同じ公爵家の者としてこれくらいの事で姿勢を崩すなどもってのほか、、、家名に泥を塗るようなことは致しませんわ。」
「おに、、、お姉様の妹として当然のことでございます。」
満足そうに「うんうん」と頷くとブランの方に向き手の甲にキスを落として挨拶をする。
「妃殿下、大浴場の近くに別室をご用意致しました。」
「な!わたくしも疲れてなどおりません!公爵家の娘たちに出来てわたくし出来ないわけがございません!」
「さすがは妃殿下。お力を見誤っておりましたわたくしをどうかお許しください。」
「わ、分かれば宜しい!」
その後ダリアはブラン達を部屋に送り再び執務室に戻って行く。
「君の兄も見に来ているそうじゃないか。、、、、なぁ?ノア。」
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