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剣術トーナメント編
第49話 大会前の微笑み
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ベルメールに到着した後、王族であるアルベルトとブランディーヌを部屋に案内をしキースと共にベルメール城の執務室大会の手配を始める。
「公女、いきなりトーナメントだなんて。何を考えておられるのですか。」
「不満か?キース。」
「そういう訳ではなく」
訝しげに顔を歪ませるキースに対してダリアは「わかったわかった」と両手をあげて見せた。
「いやなに、いくら子供の騎士団とはいえ遊び半分で入隊させろというアホな親がいたりするでは無いか。それと我々を甘く見ている王宮貴族に王国騎士様方。今回はその要人を招いている。」
「あぁ、もう既に嫌な予感がしてなりませんね。」
ダリアは口の端をニヤリと持ち上げて心の中に静かに燃える対抗心をチラつかせていた。
「見せつけてやれ、、、魔法に頼ってばかりの連中に剣術とはいかなるものかを。」
「、、、、かしこまりました。」
(気づけば公女の周りも何だか賑やかになった気が?)
ふとダリアの胸を過った思いを本人は一瞬で「まぁいいか」という感覚で横に流していく。
「そういえばノアの兄が王国騎士入隊が決まったそうだな。」
「モンフォーヌのことですか?えぇ、弟のノアが我が騎士団で功績を挙げていることに焦りというものを感じたようですよ。」
ダリアは「フンっ」と鼻を鳴らしながら足を組みなおし頬杖を着くといういかにも態度が悪い姿勢で悪態をつき始めた。
「あの程度の魔法で腰を抜かすようなお坊ちゃまに騎士がつとまるものか。剣道の顧問の先生に比べたら、、、」
「ケンドウ?」
「ごほんっ気にするな。」
軽く咳払いをするとダリアは何事も無かったように立ち上がりパチンと指を鳴らすと肩にレイヴンが現れる。
「さぁ、レイヴン。仕事の時間だ。」
そう口にするとダリアは闇を纏い始め口の端をニヤリと上げていた。
その姿はまるで闇の王のようだとキースは思った。
絶対的な正義を持ち、時に純粋に時に狡猾に。
なんとも形容し難いダリアに感情の高揚を感じていた。
「あぁ、死ぬのは怖いな。キース。」
そう言うダリアの目は笑っていなかった。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
「公女、いきなりトーナメントだなんて。何を考えておられるのですか。」
「不満か?キース。」
「そういう訳ではなく」
訝しげに顔を歪ませるキースに対してダリアは「わかったわかった」と両手をあげて見せた。
「いやなに、いくら子供の騎士団とはいえ遊び半分で入隊させろというアホな親がいたりするでは無いか。それと我々を甘く見ている王宮貴族に王国騎士様方。今回はその要人を招いている。」
「あぁ、もう既に嫌な予感がしてなりませんね。」
ダリアは口の端をニヤリと持ち上げて心の中に静かに燃える対抗心をチラつかせていた。
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「、、、、かしこまりました。」
(気づけば公女の周りも何だか賑やかになった気が?)
ふとダリアの胸を過った思いを本人は一瞬で「まぁいいか」という感覚で横に流していく。
「そういえばノアの兄が王国騎士入隊が決まったそうだな。」
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ダリアは「フンっ」と鼻を鳴らしながら足を組みなおし頬杖を着くといういかにも態度が悪い姿勢で悪態をつき始めた。
「あの程度の魔法で腰を抜かすようなお坊ちゃまに騎士がつとまるものか。剣道の顧問の先生に比べたら、、、」
「ケンドウ?」
「ごほんっ気にするな。」
軽く咳払いをするとダリアは何事も無かったように立ち上がりパチンと指を鳴らすと肩にレイヴンが現れる。
「さぁ、レイヴン。仕事の時間だ。」
そう口にするとダリアは闇を纏い始め口の端をニヤリと上げていた。
その姿はまるで闇の王のようだとキースは思った。
絶対的な正義を持ち、時に純粋に時に狡猾に。
なんとも形容し難いダリアに感情の高揚を感じていた。
「あぁ、死ぬのは怖いな。キース。」
そう言うダリアの目は笑っていなかった。
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