45 / 114
アストルム騎士団創立編
第38話 悪役令嬢 わからせる
しおりを挟む
「こ、、、、公爵家の。」
「モンフォーヌも落ちたものだな。ロランに調べさせたときは国を守るために何人もの優秀な騎士を輩出したと聞いていたのだが。あのファンという者はあまり魔法を使いこなせていないように見える。」
「そんな!ファン様はこの屋敷で魔術学はとても優秀であると!」
「魔法と魔術は違うぞ。」
ノアはダリアを見上げながら首を傾げた。
「魔法とは自然に息づく力のことだ。そして私たちの中にある力。魔力とも言うだろう。」
そう言うとダリアは手のひらで小さな風を巻き起こしてみせる。
(か、風の属性なんだこの人。)
「そして魔術というのは薬や武器、戦闘技術に魔法の力を構築して利用することだ。まぁ詳しくは魔術学校で習うだろうからあまり今は詳しくなくていい。」
「ま、、、魔術学校?そ、それは選ばれた人しか行けないはずです。僕は、、、」
「ん?侯爵家の人間じゃないのかい?」
「そ、それは、、、」
いくら侯爵家の次男とはいえ闇属性を受け継いでしまった自分が認められるわけが無い。
ノアは再び俯くが
「魔力があるね、君がノアか。」
(なんで、、、わかったんだ?なんで僕を探してるの?)
「これは調査通りだな。君、侯爵家の次男だろ?」
「えっ、、と。その。」
「ダリア嬢!探しましたよ、会場からお姿が見えなくなってしまわれたので。」
ノアが答えようとした時どこからかノアの兄、ファン・モンフォーヌがダリアの元に駆け寄ってくる。
無表情でファンの方に顔を向けるとダリアは視線を外す。
ファンはノアを見ると顔を歪ませて心無い言葉をぶつける。
「なんだお前。なぜお前がダリア嬢と一緒にいるんだっ」
「い、いえ偶然、、、」
「はっ!もしかして婚約者としての申し込みをしようとしたわけではないだろうな?お前なんかが分不相応に決まってるだろ!最も魔族に近い闇の魔法を持つお前がっ!」
ファンがそう言葉を吐き捨てたその時。
突然光が消え、闇に3人が覆われていく。
ファンは何も見えず狼狽えていると自身の手で炎を作り出す。
が一瞬にして消されてしまう。
「闇の魔法に対してその無礼。なるほどファン殿は余程勇ましいと見える。」
「ひっ!だ、、、ダリア嬢、、なにを!」
「知らなかったか?私の属性魔法は闇だ。貴殿が言うように魔族に最も近い力である。よってこの力は畏怖されるべきものであり扱いが一番難しい力なのだ。」
徐々にファンの前に姿を現すダリアの右肩には真っ黒い何かが黄金に目を怪しく光らせていた。
「聖女はこの力を使わなかったのでは無い。扱えなかったのだ」
魔物の鳴き声と誰かが泣きわめく声が闇の渦の中で混じり合いファンの目にも恐怖で涙が溢れていく
「水も炎も風も光も決して我々に適うことはない。ましてや力を見誤っているようでは話にならないな。」
フッと不敵に笑ってみせると闇の渦を仕舞いこんだ。
ファンを通り過ぎ座り込むノアに手を差し伸べると不敵に微笑みながらこう囁いた。
「ここに残るか?」
ダリアの言葉にノアは手を取り無言で立ち上がる。
「決まりだな。」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
「モンフォーヌも落ちたものだな。ロランに調べさせたときは国を守るために何人もの優秀な騎士を輩出したと聞いていたのだが。あのファンという者はあまり魔法を使いこなせていないように見える。」
「そんな!ファン様はこの屋敷で魔術学はとても優秀であると!」
「魔法と魔術は違うぞ。」
ノアはダリアを見上げながら首を傾げた。
「魔法とは自然に息づく力のことだ。そして私たちの中にある力。魔力とも言うだろう。」
そう言うとダリアは手のひらで小さな風を巻き起こしてみせる。
(か、風の属性なんだこの人。)
「そして魔術というのは薬や武器、戦闘技術に魔法の力を構築して利用することだ。まぁ詳しくは魔術学校で習うだろうからあまり今は詳しくなくていい。」
「ま、、、魔術学校?そ、それは選ばれた人しか行けないはずです。僕は、、、」
「ん?侯爵家の人間じゃないのかい?」
「そ、それは、、、」
いくら侯爵家の次男とはいえ闇属性を受け継いでしまった自分が認められるわけが無い。
ノアは再び俯くが
「魔力があるね、君がノアか。」
(なんで、、、わかったんだ?なんで僕を探してるの?)
「これは調査通りだな。君、侯爵家の次男だろ?」
「えっ、、と。その。」
「ダリア嬢!探しましたよ、会場からお姿が見えなくなってしまわれたので。」
ノアが答えようとした時どこからかノアの兄、ファン・モンフォーヌがダリアの元に駆け寄ってくる。
無表情でファンの方に顔を向けるとダリアは視線を外す。
ファンはノアを見ると顔を歪ませて心無い言葉をぶつける。
「なんだお前。なぜお前がダリア嬢と一緒にいるんだっ」
「い、いえ偶然、、、」
「はっ!もしかして婚約者としての申し込みをしようとしたわけではないだろうな?お前なんかが分不相応に決まってるだろ!最も魔族に近い闇の魔法を持つお前がっ!」
ファンがそう言葉を吐き捨てたその時。
突然光が消え、闇に3人が覆われていく。
ファンは何も見えず狼狽えていると自身の手で炎を作り出す。
が一瞬にして消されてしまう。
「闇の魔法に対してその無礼。なるほどファン殿は余程勇ましいと見える。」
「ひっ!だ、、、ダリア嬢、、なにを!」
「知らなかったか?私の属性魔法は闇だ。貴殿が言うように魔族に最も近い力である。よってこの力は畏怖されるべきものであり扱いが一番難しい力なのだ。」
徐々にファンの前に姿を現すダリアの右肩には真っ黒い何かが黄金に目を怪しく光らせていた。
「聖女はこの力を使わなかったのでは無い。扱えなかったのだ」
魔物の鳴き声と誰かが泣きわめく声が闇の渦の中で混じり合いファンの目にも恐怖で涙が溢れていく
「水も炎も風も光も決して我々に適うことはない。ましてや力を見誤っているようでは話にならないな。」
フッと不敵に笑ってみせると闇の渦を仕舞いこんだ。
ファンを通り過ぎ座り込むノアに手を差し伸べると不敵に微笑みながらこう囁いた。
「ここに残るか?」
ダリアの言葉にノアは手を取り無言で立ち上がる。
「決まりだな。」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
31
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない
たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。
何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話
悪妃の愛娘
りーさん
恋愛
私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。
その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。
そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!
いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!
こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。
あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる