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アストルム騎士団創立編
第34話 悪役令嬢の妹と婚約者
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無事に茶会も終わり、ダンディス伯爵令嬢達が目的としていたヒナいびりは私によって阻まれ、というかそれどころではなかったという雰囲気だった。
改めて鏡を見てみるとダリアの顔は美形だ。
原作ではキツい顔だと思っていたが、こうして髪型や服を変えてみると美青年だと言われても確かになんら違和感もない。
そして、ダンディス伯爵令嬢のお茶会以来屋敷がある領地にやたら貴族が訪れたり、茶会の招待が増えた。
「ダリア様、男性の正装で茶会に出られたのはなにか目的があったのですか?貴族令嬢からの手紙が絶えませんよ?」
「いや、まぁ、、、騎士見習いとして君たちのことも束ねている身だ。それを知ってもらおうと思っただけなんだが。」
リアーナが私宛の大量の手紙をゲンナリした様子で見ながらため息をつく。
(あのお茶会で一体何人の令嬢が叶わぬ恋に落ちてしまったことか、、、)
「なんだ?」
「いえ、そういえば王宮でも騎士見習いを貴族から召し上げているとか。」
王宮騎士、それは貴族にとってとても名誉なことで貴族男児は中でも男爵などはかの王宮騎士になることを目指す者も多い。
男は王宮騎士、女は聖女。
この国の名誉の得方というものは実に分かりやすいものである。
「王宮騎士は絶対に女性を雇用しないからな、とても勿体ない。」
「他の騎士でも女性は滅多にいませんからね。ダリア様くらいですよ、女性でも構わず自身の騎士団に入れようとする方は。」
男尊女卑、とまでは言わないが屋敷の中で本を読んで過ごしたり勉強をしている女性の方が戦略、策略に詳しいものは多い。
「お兄様、ヒナです。」
「入っていいよ。」
少し表情を曇らせながら控えめにドアを開いて入室するヒナに首を傾げながら要件を聞く。
「その、お兄様のご婚約者様がいらっしゃってます。」
、、、、、は?
「アルベルト様かと」
リアーナに耳打ちされてようやく理解する。
「そうか、お前は会ったことがないのか。」
「は、はい。」
「では共においで、紹介しよう。」
ずっと俯きながら歩く妹を軽く窘めるといつもは素直に聞く妹が不満そうに顔を上げる。
「アルベルト第2王子だよ、説明しただろう?私の今の婚約者だ。」
「これからもだ!」
大きな声に驚いて振り返るとこちらもまた不満そうな色がありありと見える第2王子サマがプリプリしながら大股でこちらに歩み寄ってくる。
「殿下、いつもの庭でお待ちください。これから向かおうとしていましたのに。」
「なにが今の婚約者だ!お前まさか未だに解消しようとしている訳じゃないだろうな!」
「お兄様?婚約解消をなさるのですか?」
「お兄様だと?!」
混ぜるな危険、、、会わせるな危険。
「貴様、今婚約解消と聞いて喜んだな!」
「ひっ、、よ、喜んでなど。」
サッと私の後ろに隠れるヒナを背にしながらアルベルトを宥める。
「殿下落ち着いてください、これは私の妹です。どうかご容赦を。」
妹と聞いてアルベルトの動きがピタリと止まる。
「例の親子か。」
「はい、ヒナも無礼を謝りなさい。こちらはディシュタイン王国第2王子、アルベルト・ディシュタイン殿下であらせられる。」
「ぶ、、、無礼をお許しください殿下。ヒナ・クロウリーと申します。」
「いや、いい。俺も怒鳴ってしまった。すまなかった。」
あら意外に素直!
ニヤニヤしてアルを見ていると顔を赤くしながら「なんだっ!」と怒鳴ってきた。
「いえ、ただ私は素直な殿下の方が好ましく思いますよ。」
「なっ、、、、、、、う、うるさいっ!」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
改めて鏡を見てみるとダリアの顔は美形だ。
原作ではキツい顔だと思っていたが、こうして髪型や服を変えてみると美青年だと言われても確かになんら違和感もない。
そして、ダンディス伯爵令嬢のお茶会以来屋敷がある領地にやたら貴族が訪れたり、茶会の招待が増えた。
「ダリア様、男性の正装で茶会に出られたのはなにか目的があったのですか?貴族令嬢からの手紙が絶えませんよ?」
「いや、まぁ、、、騎士見習いとして君たちのことも束ねている身だ。それを知ってもらおうと思っただけなんだが。」
リアーナが私宛の大量の手紙をゲンナリした様子で見ながらため息をつく。
(あのお茶会で一体何人の令嬢が叶わぬ恋に落ちてしまったことか、、、)
「なんだ?」
「いえ、そういえば王宮でも騎士見習いを貴族から召し上げているとか。」
王宮騎士、それは貴族にとってとても名誉なことで貴族男児は中でも男爵などはかの王宮騎士になることを目指す者も多い。
男は王宮騎士、女は聖女。
この国の名誉の得方というものは実に分かりやすいものである。
「王宮騎士は絶対に女性を雇用しないからな、とても勿体ない。」
「他の騎士でも女性は滅多にいませんからね。ダリア様くらいですよ、女性でも構わず自身の騎士団に入れようとする方は。」
男尊女卑、とまでは言わないが屋敷の中で本を読んで過ごしたり勉強をしている女性の方が戦略、策略に詳しいものは多い。
「お兄様、ヒナです。」
「入っていいよ。」
少し表情を曇らせながら控えめにドアを開いて入室するヒナに首を傾げながら要件を聞く。
「その、お兄様のご婚約者様がいらっしゃってます。」
、、、、、は?
「アルベルト様かと」
リアーナに耳打ちされてようやく理解する。
「そうか、お前は会ったことがないのか。」
「は、はい。」
「では共においで、紹介しよう。」
ずっと俯きながら歩く妹を軽く窘めるといつもは素直に聞く妹が不満そうに顔を上げる。
「アルベルト第2王子だよ、説明しただろう?私の今の婚約者だ。」
「これからもだ!」
大きな声に驚いて振り返るとこちらもまた不満そうな色がありありと見える第2王子サマがプリプリしながら大股でこちらに歩み寄ってくる。
「殿下、いつもの庭でお待ちください。これから向かおうとしていましたのに。」
「なにが今の婚約者だ!お前まさか未だに解消しようとしている訳じゃないだろうな!」
「お兄様?婚約解消をなさるのですか?」
「お兄様だと?!」
混ぜるな危険、、、会わせるな危険。
「貴様、今婚約解消と聞いて喜んだな!」
「ひっ、、よ、喜んでなど。」
サッと私の後ろに隠れるヒナを背にしながらアルベルトを宥める。
「殿下落ち着いてください、これは私の妹です。どうかご容赦を。」
妹と聞いてアルベルトの動きがピタリと止まる。
「例の親子か。」
「はい、ヒナも無礼を謝りなさい。こちらはディシュタイン王国第2王子、アルベルト・ディシュタイン殿下であらせられる。」
「ぶ、、、無礼をお許しください殿下。ヒナ・クロウリーと申します。」
「いや、いい。俺も怒鳴ってしまった。すまなかった。」
あら意外に素直!
ニヤニヤしてアルを見ていると顔を赤くしながら「なんだっ!」と怒鳴ってきた。
「いえ、ただ私は素直な殿下の方が好ましく思いますよ。」
「なっ、、、、、、、う、うるさいっ!」
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