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アストルム騎士団創立編
第27話 悪役令嬢、現る!
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最近、領地のことやら、騎士見習いのことやらでいっそう忙しくなった。
こういうのもなんだが10歳でこんなに忙しくなるような事あるかい?
ないね、、、
外で友達と鬼ごっこでもしてたよ。
それが今では騎士見習いからの報告書に領地の資料。
それに騎士団創設するための準備を一日中こなしている。
聖女になるためのレッスンなどやっている暇なはい。
母上の使用人は容赦なく呼びに来るがロランに全て任せていた。
ヒナが来たから余計に焦っているのだろう。
側室の子供に聖女候補を奪われると。
遂に母上の1番近い使用人メイド、ヒルダが私に説教しに来た。
「お嬢様、公爵令嬢としての自覚はお在りですか?聖女候補というものは貴族令嬢が美しさ以外でも認められる大事な行事です!奥様のように候補にでもなれば王子との婚約も問題なく進むでしょう!それに!」
、、、、ん?ヒナ?
ちょうどいい、悪いがヒナ。
私の身代わりとなってもらおう。
そういえば最近あの二人を食卓で見かけないな。
父上も何も言わないのが気になる。
「ヒルダ、もういい。」
「わかって頂けましたか、それでは、、、」
「女側がいつまでもそのような考え方だから女が舐められるのだ。」
席を立ちヒルダにすれ違いながら低い声で嫌味を言い放ってやった。
「実に母上の召使いらしい発言だな。」
あー、スッとした。いつまでもペラペラと聞き苦しいことを言われたんじゃたまったもんじゃない。
さてと、ヒナを探すか。
東館にいるはずだが、、、、
しばらく探し回っていると水の音がかすかに聞こえる。
誰かが盛大に零したような、そんな音だ。
メイドが零したのかと思い音のした方に足を向けると使用人でも着ないボロを着たヒナが生気のない瞳をして転んでいた。
「ヒナ様、また零されたのですか?」
その奥から蔑んだ目でヒナの元へ嫌味を言いながら近付くメイドの姿。
「まったく、これで何度、、め、、、だ、ダリアお嬢様?!」
私を見て青ざめるメイド。
それはそうだろうな。私は今とてもこわーい顔をしているのだから。
「こ、こちらにいらっしゃるとは聞いておりませんでしたので!」
「私の行く先をわざわざお前に伝えないといけないのか?」
「と、とんでもございません!」
「それで?これはどういうことだ?」
「ご、ご覧の通りヒナ様に掃除をして頂いておりました。お、奥様のご命令で!」
「ほぉ?また母上か。ここは父上直属の使用人に管轄を命じていたと思ったが?お前は母上の使用人だろう?」
「お、奥様が公爵夫人としてここを取り仕切ると仰って。」
「なるほど、、、それはおかしい話では無い。」
メイドは少しホッとしたように胸をなでおろしている様子だが私の目は鋭くなるばかり。
「で?母上がこのようにしろと?服も?」
「は、はい!部屋の移動も命じられました。」
ちらりとヒナに視線を落とすとここに来た日より明らかに痩せている。
「なるほど、、、リアーナ、このメイドを捕らえよ。」
「はっ!」
リアーナは即座にメイドを拘束し、ひざまつかせた。
「お、お嬢様?なにを!」
困惑しているメイドを睨みつけると「ヒッ」と悲鳴をあげて黙る。
「キースを呼べ、騎士見習いを集めさせろ。」
ロランは黙ってその言葉に従う。
公爵家というものがどういうものか教えてやろう。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
こういうのもなんだが10歳でこんなに忙しくなるような事あるかい?
ないね、、、
外で友達と鬼ごっこでもしてたよ。
それが今では騎士見習いからの報告書に領地の資料。
それに騎士団創設するための準備を一日中こなしている。
聖女になるためのレッスンなどやっている暇なはい。
母上の使用人は容赦なく呼びに来るがロランに全て任せていた。
ヒナが来たから余計に焦っているのだろう。
側室の子供に聖女候補を奪われると。
遂に母上の1番近い使用人メイド、ヒルダが私に説教しに来た。
「お嬢様、公爵令嬢としての自覚はお在りですか?聖女候補というものは貴族令嬢が美しさ以外でも認められる大事な行事です!奥様のように候補にでもなれば王子との婚約も問題なく進むでしょう!それに!」
、、、、ん?ヒナ?
ちょうどいい、悪いがヒナ。
私の身代わりとなってもらおう。
そういえば最近あの二人を食卓で見かけないな。
父上も何も言わないのが気になる。
「ヒルダ、もういい。」
「わかって頂けましたか、それでは、、、」
「女側がいつまでもそのような考え方だから女が舐められるのだ。」
席を立ちヒルダにすれ違いながら低い声で嫌味を言い放ってやった。
「実に母上の召使いらしい発言だな。」
あー、スッとした。いつまでもペラペラと聞き苦しいことを言われたんじゃたまったもんじゃない。
さてと、ヒナを探すか。
東館にいるはずだが、、、、
しばらく探し回っていると水の音がかすかに聞こえる。
誰かが盛大に零したような、そんな音だ。
メイドが零したのかと思い音のした方に足を向けると使用人でも着ないボロを着たヒナが生気のない瞳をして転んでいた。
「ヒナ様、また零されたのですか?」
その奥から蔑んだ目でヒナの元へ嫌味を言いながら近付くメイドの姿。
「まったく、これで何度、、め、、、だ、ダリアお嬢様?!」
私を見て青ざめるメイド。
それはそうだろうな。私は今とてもこわーい顔をしているのだから。
「こ、こちらにいらっしゃるとは聞いておりませんでしたので!」
「私の行く先をわざわざお前に伝えないといけないのか?」
「と、とんでもございません!」
「それで?これはどういうことだ?」
「ご、ご覧の通りヒナ様に掃除をして頂いておりました。お、奥様のご命令で!」
「ほぉ?また母上か。ここは父上直属の使用人に管轄を命じていたと思ったが?お前は母上の使用人だろう?」
「お、奥様が公爵夫人としてここを取り仕切ると仰って。」
「なるほど、、、それはおかしい話では無い。」
メイドは少しホッとしたように胸をなでおろしている様子だが私の目は鋭くなるばかり。
「で?母上がこのようにしろと?服も?」
「は、はい!部屋の移動も命じられました。」
ちらりとヒナに視線を落とすとここに来た日より明らかに痩せている。
「なるほど、、、リアーナ、このメイドを捕らえよ。」
「はっ!」
リアーナは即座にメイドを拘束し、ひざまつかせた。
「お、お嬢様?なにを!」
困惑しているメイドを睨みつけると「ヒッ」と悲鳴をあげて黙る。
「キースを呼べ、騎士見習いを集めさせろ。」
ロランは黙ってその言葉に従う。
公爵家というものがどういうものか教えてやろう。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
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