31 / 114
アストルム騎士団創立編
第26話 談笑
しおりを挟む
「お前馬と領地を与えられたみたいじゃないか。」
いつもの庭のガゼボにてお茶を飲み語るアルベルト。
最近ちょこちょこ来るのだ。
「アル、君こんなとこでお茶なんか飲んでていいのかい?王子ってもっと忙しいのかと思ってた。」
私の本心に近い軽口に腹を立てたのかこちらを睨みつけている。
「別に、第2王子なんてやることなんてない。皆は次期王である兄上に期待をしているのだから。俺はオマケだ。」
フンっと鼻を鳴らしながら吐き捨てる言葉に私は眉間にしわを寄せた。
「王にならなくともこの国を支える大事な1人だろう?この国は王族以外の人間も国のために働いているのだから。それにね、アル。」
グイッとアルに近付くと真顔で大切なことを伝えた。
「そんなふうに自分を卑下してはいけないよ。君が何かを成し遂げられるかどうかはやってみないとわからないじゃないか。」
「っ、、、、!チッ!なんでお前は、、、」
何故か顔をそっぽに向けてしまった。
こんなに意地っ張りだったっけ?
「そういえば、お前妹が出来たんだろ?」
「まぁ、出来たというか、来たというか。」
「何も思わないのか?」
「??なにか思わないといけないのかい?」
「いや、気にしていないなら。いい。」
アルの言うこともわかる。
私の妹のような立場の人間は煙たがられるのが一般的だ。
まぁ本当に何も思わないけどな。
「そろそろ君の従者が探しに来る時間だぞ。今日は何の勉強を抜け出したんだい?」
「あ?別に、俺は剣術にしか興味が無いんだ。」
「剣も大切だけどね、15になれば魔術学校に入学なんだよ?勉強もしておかないと。」
そう言った瞬間アルの表情が険しくなる。
「まだ俺と婚約を破棄したいとおもっているのか?」
「私は煌びやかなドレスを着て大人しく隣に立つなんてこと性にあわないんだよ。それに、もっと素敵な女性は他にいるぞ?」
私が何か言う度にアルの期限はどんどん悪くなっていく。
私が何か気に触るようなこと言ったかい?!
「フンっ、、まぁ、別に良いがな?後ででかい魚を逃したと後悔しても知らないぞ?」
いや、君と私が婚約状態だと何に巻き込まれるかわからないから解消したいんじゃないか。
君 攻略対象ぞ?自覚を持ちたまえ。
それに、ゲームシナリオとは関係ないイベントだって発生しているみたいだし。
このダリア・クロウリーに騎士見習いを束ねる責務と領地を与えられることは無かったイベントだ。
この私がゲームのシナリオをねじ曲げ始めたのだ。
これからどのような影響が出るのかより一層の注視しなければならない。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
いつもの庭のガゼボにてお茶を飲み語るアルベルト。
最近ちょこちょこ来るのだ。
「アル、君こんなとこでお茶なんか飲んでていいのかい?王子ってもっと忙しいのかと思ってた。」
私の本心に近い軽口に腹を立てたのかこちらを睨みつけている。
「別に、第2王子なんてやることなんてない。皆は次期王である兄上に期待をしているのだから。俺はオマケだ。」
フンっと鼻を鳴らしながら吐き捨てる言葉に私は眉間にしわを寄せた。
「王にならなくともこの国を支える大事な1人だろう?この国は王族以外の人間も国のために働いているのだから。それにね、アル。」
グイッとアルに近付くと真顔で大切なことを伝えた。
「そんなふうに自分を卑下してはいけないよ。君が何かを成し遂げられるかどうかはやってみないとわからないじゃないか。」
「っ、、、、!チッ!なんでお前は、、、」
何故か顔をそっぽに向けてしまった。
こんなに意地っ張りだったっけ?
「そういえば、お前妹が出来たんだろ?」
「まぁ、出来たというか、来たというか。」
「何も思わないのか?」
「??なにか思わないといけないのかい?」
「いや、気にしていないなら。いい。」
アルの言うこともわかる。
私の妹のような立場の人間は煙たがられるのが一般的だ。
まぁ本当に何も思わないけどな。
「そろそろ君の従者が探しに来る時間だぞ。今日は何の勉強を抜け出したんだい?」
「あ?別に、俺は剣術にしか興味が無いんだ。」
「剣も大切だけどね、15になれば魔術学校に入学なんだよ?勉強もしておかないと。」
そう言った瞬間アルの表情が険しくなる。
「まだ俺と婚約を破棄したいとおもっているのか?」
「私は煌びやかなドレスを着て大人しく隣に立つなんてこと性にあわないんだよ。それに、もっと素敵な女性は他にいるぞ?」
私が何か言う度にアルの期限はどんどん悪くなっていく。
私が何か気に触るようなこと言ったかい?!
「フンっ、、まぁ、別に良いがな?後ででかい魚を逃したと後悔しても知らないぞ?」
いや、君と私が婚約状態だと何に巻き込まれるかわからないから解消したいんじゃないか。
君 攻略対象ぞ?自覚を持ちたまえ。
それに、ゲームシナリオとは関係ないイベントだって発生しているみたいだし。
このダリア・クロウリーに騎士見習いを束ねる責務と領地を与えられることは無かったイベントだ。
この私がゲームのシナリオをねじ曲げ始めたのだ。
これからどのような影響が出るのかより一層の注視しなければならない。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
32
お気に入りに追加
207
あなたにおすすめの小説
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
私ってわがまま傲慢令嬢なんですか?
山科ひさき
恋愛
政略的に結ばれた婚約とはいえ、婚約者のアランとはそれなりにうまくやれていると思っていた。けれどある日、メアリはアランが自分のことを「わがままで傲慢」だと友人に話している場面に居合わせてしまう。話を聞いていると、なぜかアランはこの婚約がメアリのわがままで結ばれたものだと誤解しているようで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる