悪役令嬢の心変わり

ナナスケ

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アストルム騎士団創立編

第26話 談笑

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「お前馬と領地を与えられたみたいじゃないか。」

いつもの庭のガゼボにてお茶を飲み語るアルベルト。
最近ちょこちょこ来るのだ。

「アル、君こんなとこでお茶なんか飲んでていいのかい?王子ってもっと忙しいのかと思ってた。」

私の本心に近い軽口に腹を立てたのかこちらを睨みつけている。

「別に、第2王子なんてやることなんてない。皆は次期王である兄上に期待をしているのだから。俺はオマケだ。」

フンっと鼻を鳴らしながら吐き捨てる言葉に私は眉間にしわを寄せた。

「王にならなくともこの国を支える大事な1人だろう?この国は王族以外の人間も国のために働いているのだから。それにね、アル。」

グイッとアルに近付くと真顔で大切なことを伝えた。

「そんなふうに自分を卑下してはいけないよ。君が何かを成し遂げられるかどうかはやってみないとわからないじゃないか。」

「っ、、、、!チッ!なんでお前は、、、」

何故か顔をそっぽに向けてしまった。

こんなに意地っ張りだったっけ?

「そういえば、お前妹が出来たんだろ?」

「まぁ、出来たというか、来たというか。」

「何も思わないのか?」

「??なにか思わないといけないのかい?」

「いや、気にしていないなら。いい。」

アルの言うこともわかる。

私の妹のような立場の人間は煙たがられるのが一般的だ。
まぁ本当に何も思わないけどな。

「そろそろ君の従者が探しに来る時間だぞ。今日は何の勉強を抜け出したんだい?」

「あ?別に、俺は剣術にしか興味が無いんだ。」

「剣も大切だけどね、15になれば魔術学校に入学なんだよ?勉強もしておかないと。」

そう言った瞬間アルの表情が険しくなる。

「まだ俺と婚約を破棄したいとおもっているのか?」

「私は煌びやかなドレスを着て大人しく隣に立つなんてこと性にあわないんだよ。それに、もっと素敵な女性は他にいるぞ?」

私が何か言う度にアルの期限はどんどん悪くなっていく。
私が何か気に触るようなこと言ったかい?!

「フンっ、、まぁ、別に良いがな?後ででかい魚を逃したと後悔しても知らないぞ?」

いや、君と私が婚約状態だと何に巻き込まれるかわからないから解消したいんじゃないか。
君 攻略対象ぞ?自覚を持ちたまえ。

それに、ゲームシナリオとは関係ないイベントだって発生しているみたいだし。

このダリア・クロウリーに騎士見習いを束ねる責務と領地を与えられることは無かったイベントだ。

この私がゲームのシナリオをねじ曲げ始めたのだ。
これからどのような影響が出るのかより一層の注視しなければならない。




𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃







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