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〜幼少期編〜
第22話 林檎のお礼
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アルベルトには林檎とパーティーで世話になったのを手紙でお礼をしたためた。
まさかアルベルトに借りを作ってしまうとは、不覚だ。
だが、意外にもそれをネタにゆすってきたり、とんでもない要求をすることは無かった。
これからの予定かもしれないが、、、
そして、父上には先日のパーティでの働きは合格だったらしい。
父上の狙いはデミウド公爵に公爵令嬢として舐められぬように牽制をし、且つセーレム皇国とは親交を深めたいという意をアヤ様に理解していただくことであったらしい。
まぁ、そんな所だろうと思っていたが。
あまり刺激をすると厄介なことになりかねない。
父上は冷静に見えてかなり冷酷で残忍だ。
少しでも政治的な立場で父上を刺激してみろ。
何をされるかわかったものではない。
今回のパーティは私でちょうど良かったのかもしれない。
「お嬢様、アルベルト王子がいらっしゃっております。」
「あぁ、今日は私がお呼びしたんだ。先日のお礼もあるしな。メアリー、アフタヌーンティーの準備は出来ているかい?」
ロアンの知らせとともにメアリーに進捗を聞くと「はい、ご準備できております。」と返してきたので早速 アフタヌーンティーの会場、中庭に通してもらった。
蓮の花を浮かばせている池の真ん中に白に淡いピンクが色づいている美しいツタ状のバラをドーム型のガゼボが建っている。
一人で何かを考えたい時に使う場所だ。
前世の記憶を思い出したあと私の部屋の近くの庭に土地がかなり余っていたので作らせたのだ。
「綺麗な庭だな。」
「アルベルト様。ようこそお越しくださいました。」
一応いつものスタイルだと無礼だと思いドレスアップはしたけど、、、
そんなに変かな?全然見てくれないけど。
「どうかされました?」
「いや、もう体調はいいのか?」
「えぇ、林檎のおかげで良くなりましたよ。ありがとうございます。」
「それでそのお礼というわけか。」
「はい、心ばかりのお礼ですが。」
アルベルトは席に座りお菓子を一口食べる。
「それで、そのしゃべり方はいつまで続ける気だ?」
アルベルトは何故か2人になるといつもの話し方を要求するんだよねぇ。
でもこれはこれで女っぽい私を求められるよりかは男同士、友達的な、そんな感じで関わりたいということなのかもしれない。
いいぞぉ、、、物凄くいい。
私たちは良い友人として関係を築き上げれることができればヒロインが登場しても私が処刑される可能性は低いだろう。
2人を後押しする存在になることが出来れば!
「ふふふふふふふふ」
「なんだお前、気持ち悪いな。」
いやいや今私は気分がいいのだよ。
君のその悪態も喜んでこの紅茶とともに飲み込んでやろう。
「んふふぅ、まぁ君にも迷惑をかけてしまったみたいだし今回は素直に礼を言うとしよう。」
「なんなんだ?今日のお前はニヤニヤしていて本当に気持ち悪いぞ?」
「あのなぁ、君一応はこの国の王子なんだから言葉使いには気をつけなよ。」
「フンっ 外ではちゃんと上手くやるさ。」
頬杖をつきながらいつものツンツンした表情で庭の池を眺めているアルベルト。
心配ないさ、君の運命の相手はちゃんと君の本心を見抜いてくれる。
「いいねぇ、君は。」
つい本心が出てしまった。
心の中に留めておくべきなのに。
でも幸せというのは手元にあっても気づかないものなんだよ。
それに気が付くのは誰かに教えて貰えた時なんだ。
「は?何がいいんだよ。」
「幸せっていうのはそういうもんなんだよ。」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
まさかアルベルトに借りを作ってしまうとは、不覚だ。
だが、意外にもそれをネタにゆすってきたり、とんでもない要求をすることは無かった。
これからの予定かもしれないが、、、
そして、父上には先日のパーティでの働きは合格だったらしい。
父上の狙いはデミウド公爵に公爵令嬢として舐められぬように牽制をし、且つセーレム皇国とは親交を深めたいという意をアヤ様に理解していただくことであったらしい。
まぁ、そんな所だろうと思っていたが。
あまり刺激をすると厄介なことになりかねない。
父上は冷静に見えてかなり冷酷で残忍だ。
少しでも政治的な立場で父上を刺激してみろ。
何をされるかわかったものではない。
今回のパーティは私でちょうど良かったのかもしれない。
「お嬢様、アルベルト王子がいらっしゃっております。」
「あぁ、今日は私がお呼びしたんだ。先日のお礼もあるしな。メアリー、アフタヌーンティーの準備は出来ているかい?」
ロアンの知らせとともにメアリーに進捗を聞くと「はい、ご準備できております。」と返してきたので早速 アフタヌーンティーの会場、中庭に通してもらった。
蓮の花を浮かばせている池の真ん中に白に淡いピンクが色づいている美しいツタ状のバラをドーム型のガゼボが建っている。
一人で何かを考えたい時に使う場所だ。
前世の記憶を思い出したあと私の部屋の近くの庭に土地がかなり余っていたので作らせたのだ。
「綺麗な庭だな。」
「アルベルト様。ようこそお越しくださいました。」
一応いつものスタイルだと無礼だと思いドレスアップはしたけど、、、
そんなに変かな?全然見てくれないけど。
「どうかされました?」
「いや、もう体調はいいのか?」
「えぇ、林檎のおかげで良くなりましたよ。ありがとうございます。」
「それでそのお礼というわけか。」
「はい、心ばかりのお礼ですが。」
アルベルトは席に座りお菓子を一口食べる。
「それで、そのしゃべり方はいつまで続ける気だ?」
アルベルトは何故か2人になるといつもの話し方を要求するんだよねぇ。
でもこれはこれで女っぽい私を求められるよりかは男同士、友達的な、そんな感じで関わりたいということなのかもしれない。
いいぞぉ、、、物凄くいい。
私たちは良い友人として関係を築き上げれることができればヒロインが登場しても私が処刑される可能性は低いだろう。
2人を後押しする存在になることが出来れば!
「ふふふふふふふふ」
「なんだお前、気持ち悪いな。」
いやいや今私は気分がいいのだよ。
君のその悪態も喜んでこの紅茶とともに飲み込んでやろう。
「んふふぅ、まぁ君にも迷惑をかけてしまったみたいだし今回は素直に礼を言うとしよう。」
「なんなんだ?今日のお前はニヤニヤしていて本当に気持ち悪いぞ?」
「あのなぁ、君一応はこの国の王子なんだから言葉使いには気をつけなよ。」
「フンっ 外ではちゃんと上手くやるさ。」
頬杖をつきながらいつものツンツンした表情で庭の池を眺めているアルベルト。
心配ないさ、君の運命の相手はちゃんと君の本心を見抜いてくれる。
「いいねぇ、君は。」
つい本心が出てしまった。
心の中に留めておくべきなのに。
でも幸せというのは手元にあっても気づかないものなんだよ。
それに気が付くのは誰かに教えて貰えた時なんだ。
「は?何がいいんだよ。」
「幸せっていうのはそういうもんなんだよ。」
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