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88 戻ってきた日常と思いがけない話
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マルリカの実を食べて愛し合う三日間が終わった。
この後はどういう風になるのかな。
いつになると赤ちゃんが出来たって分かるんだろう。
僕は本当にマルリカの事を何も知らずに使ってしまったんだなって今更ながら思った。
シャマル様達がやり方は兄様に伝えておくって言ったから、何だか兄様が全部分かっているっていう気持ちになっていたけれど、僕だってやり方はともかく、その後で僕自身の身体がどうなっていくのか調べておかなければいけなかったよね。だけど、生まれてくる時の方が気になっちゃったんだもん。
「…………トーマス君に聞いてみようかな」
ああ、でもトーマス君だって初めての事だもの。自分の事で精一杯だよね。体調だって色々と変化があるかもしれないし。
「そうしたらやっぱりルシルかなぁ」
だけど、それを聞いたら、僕が本当に何にも知らずにマルリカを使ったって分かっちゃうな。でも、体調の変化とか、いつになったら子供を授かったって分かるのかなとか、やっぱり聞いておいた方がいいよね。
「ほんとにどうして一足飛びに生む方が気になっちゃったのかなぁ……」
ため息交じりにボソリと呟く僕は今日も自分の部屋のベッドに寝かされている。もちろん身体もさっぱりしているし、夜衣だって着ているよ。でも昨日と違うのは、兄様の姿が見えなくても、淋しくて泣いてしまう事はない。マルリカって本当に不思議な実だな。
そんな事を考えていたらノックの音がした。そうしてそっと扉が開く。
「エディ?」
名前を呼ばれて起き上がろうとして、出来ない事に気づいた。そして兄様もそれに気づいたみたいで、そのまま枕元にやってくる。
「おはよう、エディ」
「おはようございます、アル」
「身体はどう?」
「えっと……起き上がれません」
「うん。今日は仕事は休みだ。もうレイモンドたちには伝えているよ」
「……す、すみません」
「いや、こちらこそ、うまく加減が出来なかった。ごめんね。でも忘れられない時間になった」
「…………はい」
兄様が嬉しそうに笑ってそう言ったから、顔が熱くなった。きっと真っ赤になっているな。
「さて、三日間が過ぎてこれからの事を話したいんだけど、私はこれから仕事に行かなくてはならない。夕方にはグリーンベリーの執務室も顔を出してくるよ。マリー達が心配をして部屋の外で待っている。エディは体力回復のポーションを飲んで、出来るだけ食事をしてゆっくり身体を休めてほしい」
「はい……」
ああ、心配をかけちゃったな。せっかく一日だけしかお休みをしない日程を選んだはずなのにな。
「エディ。そんな顔をしないで。二人で決めた事だからね。それに数日はゆっくりしていた方がいいみたいだ。詳しくはマリー達から聞いてほしい。なるべく早めに帰ってくる。夕食は一緒にとろう」
「はい、アル。いってらっしゃい」
触れるだけの軽い口づけを交わして、僕はベッドの中から兄様を見送った。
「おはようございます、エドワード様」
兄様が出ていくと、少しだけ間をおいてマリーが部屋に入ってきた。そしてその後には……
「レオラ!」
「お久しぶりでございます、エドワード様。いきなり起き上がってはなりませんよ」
あの時と変わらない笑顔でレオラは僕の横に来た。
「しばらくの間こちらでお世話をさせていただく事になりました。よろしくお願いいたします」
「そうなんだ。よろしくね」
「はい。では少しだけ身体を起こしてお食事を召し上がってくださいませ。ポーションは食前でも食後でも構いませんので」
レオラの言葉に頷いて、僕はマリーに助けられながら身体を起こした。
「どこか痛んだり、苦しいところはございませんか?」
「大丈夫。ありがとう。マリー、レオラ。先にポーションを飲むね」
多分その方が動けるようになるはずだから。
「かしこまりました」
こうして僕の日常が戻ってきた。
◇ ◇ ◇
食休みをしてからまたベッドに横になった。どうやら少し熱を出しているらしい。でもそれはよくある事なんだとレオラが教えてくれた。だから安心して目を閉じる。
そうして眠って、目が覚めるとマリーがいて、「汗をかかれているので、着替えてから水分をとりましょう。食べられるようでしたら、少しでも昼食を」と言った。
「昼食は寝ていたからあまり食べられそうにないな。ああ、水分を果実水にしてもらおうかな」
「かしこまりました」
マリーは手際よく身体を拭いて着替えさせてくれる。クリーンの魔法もさっぱりするけど、こうして身体を拭くとやっぱり気持ちがいい。
「ねぇ、マリー」
「はい。なんでしょうか?」
「あのさ、あ、赤ちゃんが出来たっていつくらいに分かったのかな」
着替えながら少し早口でそう言うとマリーはふわりと笑って「個人差がありますね。女性ですと月のものがございますので、それがこなくなって気付く事が多いようです」と言った。
「そ、そうか。そうだよね。ごめんね、こんな事を聞いたりして」
「いいえ、初めての事ですから気になるのは当然です。少し体調が落ち着いてきましたら、レオラからもお話しさせていただきたい事があるようです」
「レオラから?」
「はい。レオラの知り合いがマルリカの実を使って出産をしているそうで、体調の変化など詳しく聞いているとか。私も色々と調べましたので、エドワード様が不安にならないよう、お助け出来たらと思っております」
「マリー……」
「大丈夫ですよ。分からない事や不安な事がございましたら、なんでも声をかけてくださいませ。私とレオラできちんとお話し出来るようにいたします」
「うん。ありがとう」
いつの間に知らせたのか、冷たすぎない果実水が運ばれてきて、僕はそれを口にしてまた横になった。
「今はしっかりと休んで、まずは体力を戻しましょう。全てはそれからです」
「はい」
マリーが笑ってそう言ったので、僕も笑って頷いた。そうだよね、とにかく体力を戻さないと十日には会議がある。今日は八日。でも会議自体はフィンレー公爵領で行われるし、僕は立ち会うだけだから大丈夫だと思うんだ。それに事前にシャマル様達は来られないから、おもてなしとかを考えないでもいいし。
夜になって上がったり下がったりの微熱も収まり、ベッドの上での食事ではなく兄様と一緒に夕食を食べる事が出来た。今日の仕事の状況も伝えてもらって、支障がなく回っている事にホッとした。
「ゆっくり休んだので、明日からは仕事に戻ります」
僕がそう言うと兄様はやんわりと笑った。そして。
「エディ、実はエルグランド家から遣わされた者が明日こちらへ来るんだ」
「エルグランド家から? え、でも会議の前には関りのある家の方とはお会いしないようになったのでは?」
「うん。会議には関りがない。実はね、叔父上達が早めに確かめた方がいいと」
「確かめる?」
え? 何を確かめるんだろう?
「マルリカの実を使って子作りをするとね、子が出来ているかどうかは数日で判明するそうだ」
「え!」
すすすすす数日で?
「それで、子が出来ているならば、魔法陣での転移などはしばらくはやめた方がいいそうだ。ごめんね、そこまできちんと確認をしていなかった」
「え…………」
「もちろん馬車での移動などは論外だと言われた」
「…………ぼ、僕はどうやって公爵領に行ったらよいのでしょうか」
少しだけクラッとした。そして次の瞬間、もっとちゃんと計画をしなければならなかったんだって思った。
収穫が終わって、会議が十日だからなんとかなると思っていた。僕は……僕は……
「エディ、そんな顔をしないでほしい。明日エルグランド家が寄越す医師に確認をしてもらって、子が出来ていると分かったらグリーンベリーからの代表は私とスティーブが出席をする。エディにはきちんと会議の内容を伝えるよ。とにかく明日、診ていただこうね。父上達にも、叔父上達からもくれぐれも無理をさせるなと言われている。そしてこれは迷惑をかけたとか日取りを間違えたとか考えてはいけないとも。子が出来る事は何よりもめでたい事だと、何物にも代えがたい事だと伝えてほしいと言われている」
「…………わ、分かりました……」
そうだよね。僕たちが選んで決めた事だもの。それを間違えたなんて思ったら駄目だよね。だって、あの実はグランディス様がくださった実なんだもの。それを新しい実が売り出す前に使いたいと思ったんだもの。
「明日、よろしくお願いします。赤ちゃんが、来てくれていたら嬉しいです」
僕がそう言うと、兄様は「そうだね」って笑ってくれた。
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この後はどういう風になるのかな。
いつになると赤ちゃんが出来たって分かるんだろう。
僕は本当にマルリカの事を何も知らずに使ってしまったんだなって今更ながら思った。
シャマル様達がやり方は兄様に伝えておくって言ったから、何だか兄様が全部分かっているっていう気持ちになっていたけれど、僕だってやり方はともかく、その後で僕自身の身体がどうなっていくのか調べておかなければいけなかったよね。だけど、生まれてくる時の方が気になっちゃったんだもん。
「…………トーマス君に聞いてみようかな」
ああ、でもトーマス君だって初めての事だもの。自分の事で精一杯だよね。体調だって色々と変化があるかもしれないし。
「そうしたらやっぱりルシルかなぁ」
だけど、それを聞いたら、僕が本当に何にも知らずにマルリカを使ったって分かっちゃうな。でも、体調の変化とか、いつになったら子供を授かったって分かるのかなとか、やっぱり聞いておいた方がいいよね。
「ほんとにどうして一足飛びに生む方が気になっちゃったのかなぁ……」
ため息交じりにボソリと呟く僕は今日も自分の部屋のベッドに寝かされている。もちろん身体もさっぱりしているし、夜衣だって着ているよ。でも昨日と違うのは、兄様の姿が見えなくても、淋しくて泣いてしまう事はない。マルリカって本当に不思議な実だな。
そんな事を考えていたらノックの音がした。そうしてそっと扉が開く。
「エディ?」
名前を呼ばれて起き上がろうとして、出来ない事に気づいた。そして兄様もそれに気づいたみたいで、そのまま枕元にやってくる。
「おはよう、エディ」
「おはようございます、アル」
「身体はどう?」
「えっと……起き上がれません」
「うん。今日は仕事は休みだ。もうレイモンドたちには伝えているよ」
「……す、すみません」
「いや、こちらこそ、うまく加減が出来なかった。ごめんね。でも忘れられない時間になった」
「…………はい」
兄様が嬉しそうに笑ってそう言ったから、顔が熱くなった。きっと真っ赤になっているな。
「さて、三日間が過ぎてこれからの事を話したいんだけど、私はこれから仕事に行かなくてはならない。夕方にはグリーンベリーの執務室も顔を出してくるよ。マリー達が心配をして部屋の外で待っている。エディは体力回復のポーションを飲んで、出来るだけ食事をしてゆっくり身体を休めてほしい」
「はい……」
ああ、心配をかけちゃったな。せっかく一日だけしかお休みをしない日程を選んだはずなのにな。
「エディ。そんな顔をしないで。二人で決めた事だからね。それに数日はゆっくりしていた方がいいみたいだ。詳しくはマリー達から聞いてほしい。なるべく早めに帰ってくる。夕食は一緒にとろう」
「はい、アル。いってらっしゃい」
触れるだけの軽い口づけを交わして、僕はベッドの中から兄様を見送った。
「おはようございます、エドワード様」
兄様が出ていくと、少しだけ間をおいてマリーが部屋に入ってきた。そしてその後には……
「レオラ!」
「お久しぶりでございます、エドワード様。いきなり起き上がってはなりませんよ」
あの時と変わらない笑顔でレオラは僕の横に来た。
「しばらくの間こちらでお世話をさせていただく事になりました。よろしくお願いいたします」
「そうなんだ。よろしくね」
「はい。では少しだけ身体を起こしてお食事を召し上がってくださいませ。ポーションは食前でも食後でも構いませんので」
レオラの言葉に頷いて、僕はマリーに助けられながら身体を起こした。
「どこか痛んだり、苦しいところはございませんか?」
「大丈夫。ありがとう。マリー、レオラ。先にポーションを飲むね」
多分その方が動けるようになるはずだから。
「かしこまりました」
こうして僕の日常が戻ってきた。
◇ ◇ ◇
食休みをしてからまたベッドに横になった。どうやら少し熱を出しているらしい。でもそれはよくある事なんだとレオラが教えてくれた。だから安心して目を閉じる。
そうして眠って、目が覚めるとマリーがいて、「汗をかかれているので、着替えてから水分をとりましょう。食べられるようでしたら、少しでも昼食を」と言った。
「昼食は寝ていたからあまり食べられそうにないな。ああ、水分を果実水にしてもらおうかな」
「かしこまりました」
マリーは手際よく身体を拭いて着替えさせてくれる。クリーンの魔法もさっぱりするけど、こうして身体を拭くとやっぱり気持ちがいい。
「ねぇ、マリー」
「はい。なんでしょうか?」
「あのさ、あ、赤ちゃんが出来たっていつくらいに分かったのかな」
着替えながら少し早口でそう言うとマリーはふわりと笑って「個人差がありますね。女性ですと月のものがございますので、それがこなくなって気付く事が多いようです」と言った。
「そ、そうか。そうだよね。ごめんね、こんな事を聞いたりして」
「いいえ、初めての事ですから気になるのは当然です。少し体調が落ち着いてきましたら、レオラからもお話しさせていただきたい事があるようです」
「レオラから?」
「はい。レオラの知り合いがマルリカの実を使って出産をしているそうで、体調の変化など詳しく聞いているとか。私も色々と調べましたので、エドワード様が不安にならないよう、お助け出来たらと思っております」
「マリー……」
「大丈夫ですよ。分からない事や不安な事がございましたら、なんでも声をかけてくださいませ。私とレオラできちんとお話し出来るようにいたします」
「うん。ありがとう」
いつの間に知らせたのか、冷たすぎない果実水が運ばれてきて、僕はそれを口にしてまた横になった。
「今はしっかりと休んで、まずは体力を戻しましょう。全てはそれからです」
「はい」
マリーが笑ってそう言ったので、僕も笑って頷いた。そうだよね、とにかく体力を戻さないと十日には会議がある。今日は八日。でも会議自体はフィンレー公爵領で行われるし、僕は立ち会うだけだから大丈夫だと思うんだ。それに事前にシャマル様達は来られないから、おもてなしとかを考えないでもいいし。
夜になって上がったり下がったりの微熱も収まり、ベッドの上での食事ではなく兄様と一緒に夕食を食べる事が出来た。今日の仕事の状況も伝えてもらって、支障がなく回っている事にホッとした。
「ゆっくり休んだので、明日からは仕事に戻ります」
僕がそう言うと兄様はやんわりと笑った。そして。
「エディ、実はエルグランド家から遣わされた者が明日こちらへ来るんだ」
「エルグランド家から? え、でも会議の前には関りのある家の方とはお会いしないようになったのでは?」
「うん。会議には関りがない。実はね、叔父上達が早めに確かめた方がいいと」
「確かめる?」
え? 何を確かめるんだろう?
「マルリカの実を使って子作りをするとね、子が出来ているかどうかは数日で判明するそうだ」
「え!」
すすすすす数日で?
「それで、子が出来ているならば、魔法陣での転移などはしばらくはやめた方がいいそうだ。ごめんね、そこまできちんと確認をしていなかった」
「え…………」
「もちろん馬車での移動などは論外だと言われた」
「…………ぼ、僕はどうやって公爵領に行ったらよいのでしょうか」
少しだけクラッとした。そして次の瞬間、もっとちゃんと計画をしなければならなかったんだって思った。
収穫が終わって、会議が十日だからなんとかなると思っていた。僕は……僕は……
「エディ、そんな顔をしないでほしい。明日エルグランド家が寄越す医師に確認をしてもらって、子が出来ていると分かったらグリーンベリーからの代表は私とスティーブが出席をする。エディにはきちんと会議の内容を伝えるよ。とにかく明日、診ていただこうね。父上達にも、叔父上達からもくれぐれも無理をさせるなと言われている。そしてこれは迷惑をかけたとか日取りを間違えたとか考えてはいけないとも。子が出来る事は何よりもめでたい事だと、何物にも代えがたい事だと伝えてほしいと言われている」
「…………わ、分かりました……」
そうだよね。僕たちが選んで決めた事だもの。それを間違えたなんて思ったら駄目だよね。だって、あの実はグランディス様がくださった実なんだもの。それを新しい実が売り出す前に使いたいと思ったんだもの。
「明日、よろしくお願いします。赤ちゃんが、来てくれていたら嬉しいです」
僕がそう言うと、兄様は「そうだね」って笑ってくれた。
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