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87 マルリカの実③ ※
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何がなんだか分からないうちに、一日目が終わっていた。どうやら僕は久しぶりに気を失ってしまったらしい。
夫婦の寝室で抱き合っていたはずなのに、自分の寝室に寝かされていて、しっかり夜着も着ていた。身体もさっぱりしている。
もしかしてマリーが綺麗にしてくれたのかな。ひどい状態だったような気がするから申し訳なかったな。
さらりとしたシーツにそっと手を滑らせて、僕は横になったままゆっくりと部屋の中を見た。
うん。やっぱり誰もいないね。兄様はどうしたのかな。自分の部屋に戻っているのかな。そう考えた途端、なぜだかものすごく寂しい気持ちになって、涙がうっすらと滲んできて、僕はびっくりしてしまった。
寂しいって感じただけで涙ぐんでしまうなんてありえない。そう思っていると夫婦の部屋の方からドアが開いた。
「エディ? ああ、目が覚めたんだね。良かった」
「……アル」
「うん。ごめんね。一人にして不安になったかな」
兄様はそう言いながら枕元に腰を下ろした。
「よく、わからないけど、いきなり寂しくなりました」
「ああ、マルリカの実のせいらしいよ。ふふふ、無茶してごめんね。起き上がれるようなら寝室の方に食事を用意よしよう。食べられるものだけでも口にした方がいい」
そう言いながらそっと瞼に、額に、頬にかすめるような口づけを落とされて僕はほぉっと息を吐いた。
「アルは食べたの?」
「いや、エディと一緒にって思っていたよ。それにね、なんだか離れたくなくてね。しかも誰も近づけさせたくない。これがマルリカの実の効能なのだとしたらなんだか面白いね。でもこんなにエディを独り占めする事はないからちょっと楽しくて新鮮だったな」
「…………え……まさか……ここに運んだのって」
「うん。マリーが手伝うと言ってくれたんだけど、それすら嫌でね。ベッドは一応クリーンはかけて、お風呂に入っている間に整え直してもらったけどね」
「お風呂も?」
「ああ、綺麗になっているだろう?」
ううう、にっこりと笑う兄様の笑顔が眩しいよ。
「お、起こしてくれたら良かったのに」
「入っている間に起きるかなと思ったんだけど、起きなかったから少し無茶をしてしまったって反省はしていた」
「…………む、無茶したのはお互い様ですよ」
そう。多分あの実を多く食べた僕の方が魔力を欲しがっていたんだ。だって……しがみつくようにして「もっと」って言っていたような気がするんだもの!
「き、昨日ので、お腹の中に赤ちゃんを育てる所が出来たのかな」
「う~ん、それは分からないけど、とりあえず、今日は私の方が多く実を食べるから、少し心配だよ」
「!」
僕は兄様の困ったような顔をまじまじと見つめてしまった。
そうだよね。昨日の事がマルリカの実を食べた事によっておきたっていうか、そうなったっていうか、ええっとつまり……き、今日は兄様の方が……その……えっと……ちょっと抑えが効かなくなっちゃうかもしれないのかな。
「え……っと……」
顔が熱くなる。どうしよう。いや、どうもこうもないんだけど、あうぅぅ
「エディ、そんな顔をしたら駄目だよ。なんだかレオラにまた叱られてしまいそうだ」
「え! レオラが来ているのですか?」
レオラというのはフィンレーのメイド長で母様の専属メイドだ。結婚式の時とその夜に僕はレオラについてもらった。マリーを招待客として招きたかったからっていうのもあったんだけど、母様がレオラをつけるって決めたんだ。そして初めての夜に僕はレオラから大切な事を教えてもらった。あの時は今一つ分からない事もあったけれど、今ならあの話の意味がちゃんと分かる。大事な事を母様とレオラは僕に伝えてくれたんだ。
そして今も、レオラがグリーンベリーに来ている。
「レオラは……僕達がマルリカの実を使って子どもを作ろうとしている事を知って来たんですよね」
「うん。そうだと思うよ。母上が寄越したんだろうね。エディの力になれると思って」
「そうですね」
「まぁ、レオラとの再会はこの実の儀式が終わってからにしよう。とりあえず、今日と明日はよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「エディを怖がらせないようにするよ」
「…………よ、よろしくお願いします」
僕が赤い顔をしてそう言うと兄様は笑うのを堪えるような顔をして「さぁ、じゃあ何か食べよう」と僕を抱き上げた。
「わぁ!」
「言ったでしょう? 三日間エディを独り占めするって。久しぶりにあーんもさせてもらおうかな」
「だ、大丈夫です! ちゃんと食べられます」
僕の言葉に兄様は「そう? 残念」と言って再び頬に口づけた。
午後はぼんやりと過ごした。というか実際は起きていられなかったっていった方がいい。気付くと眠っていて、椅子に座っていたはずなのにいつの間にか兄様にベッドに移されていた。
これでいいのかなって思ったけど、「多分身体がこうする事を望んでいるんだよ」って言われて、素直にそう思えた。こんな風に何もしない日って不思議だけれど、心地よい。
気づけば兄様が隣にいて、声をかけてくれる。兄様は僕を独り占めって言ったけれど、それは僕にとっても同じだ。僕も忙しい筈の兄様を独り占めしている。それはなんて贅沢な時間なんだろうって思ったよ。
日が暮れて夕食をとって、心配だからと言われて兄様と一緒にお風呂に入って、それから昨日と同じように夫婦の寝室のソファに座った。
目の前には二つ目のマルリカの実。
兄様はそれを昨日と同じように器用に皮を剥いて、四つの房が入っている中身を見せた。
「じゃあ、今日は私が三つ。エディが一つだ」
「はい」
「エディ、苦しくなったり、無理だと思ったらすぐに言うんだよ」
「は、はい」
そうして僕達は決められている分をそれぞれに食べて…………
「お腹が……熱い……」
「おいで…………エディ」
お互いの身体を抱き締めた。
◇◇◇
「あ、あ、あ、あん!」
揺さぶられる度に落ちる甘い声。ゆっくりと抱き合っていたのは最初だけだ。気付けば少し強張ったような顔をした兄様と目が合って「大丈夫」って言った途端、きつく抱き締められた。
「苦しい?」
「あ、へ……き……あ、んん……あぁぁ!」
中の、あたると感じてしまうところをこすられてピンと足が伸びる。
「ここだよね。気持ちのいい所」
「あ、だめ、そこばっかり、あぁぁっ!」
甘い声と同時に触られてもいない熱が弾けて息が上がった。
「僕、ばっかり……っ……アルも……」
「うん。でもなんだか歯止めがきかなくなりそうだからね。よく分からないけれどマルリカにはそういう作用があるのかもしれないな」
うん。僕もそう思った。でもそうなる事でお互いの魔力をなじませて、無から命を作り出していくのだとしたらやっぱりすごい実なんだなって思う。
「だい、じょうぶ……きっと実が、守ってくれるから、だから……」
どうか我慢なんてしないでほしい。そんな声が聞こえたかのように兄様は珍しく少しだけ情けないような顔をしてから「エディ」と名前を呼んで、身体を進めてきた。
「あああぁぁ!」
昨日も入ってきた奥に熱が届く。次いでお腹の中に広がる熱。
「あん! あん! あ、も、あっ……あつぃぃ……ぁ、きもち……いぃ……」
ほろりと零れ落ちた涙を長い指がすくう。
「うん、熱くて、気持ちいい……もっと、ほしくなる……」
「……うん。もっと……たくさん……いっぱいにして」
「…………エディ、あんまり煽らないように」
苦笑をしながら兄様は一度それを抜いて、僕の身体をうつ伏せにすると、腰を高く上げて、再び最奥へと入ってきた。
「あぁぁぁ!」
「……っく……」
お腹に集まる熱が身体の中を駆け巡っていくような気がした。幾度、そうしたのかは分からない。だけど結局この日も、僕は兄様の腕の中で意識を飛ばしてしまったらしい。
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おそるべしマルリカ……www
夫婦の寝室で抱き合っていたはずなのに、自分の寝室に寝かされていて、しっかり夜着も着ていた。身体もさっぱりしている。
もしかしてマリーが綺麗にしてくれたのかな。ひどい状態だったような気がするから申し訳なかったな。
さらりとしたシーツにそっと手を滑らせて、僕は横になったままゆっくりと部屋の中を見た。
うん。やっぱり誰もいないね。兄様はどうしたのかな。自分の部屋に戻っているのかな。そう考えた途端、なぜだかものすごく寂しい気持ちになって、涙がうっすらと滲んできて、僕はびっくりしてしまった。
寂しいって感じただけで涙ぐんでしまうなんてありえない。そう思っていると夫婦の部屋の方からドアが開いた。
「エディ? ああ、目が覚めたんだね。良かった」
「……アル」
「うん。ごめんね。一人にして不安になったかな」
兄様はそう言いながら枕元に腰を下ろした。
「よく、わからないけど、いきなり寂しくなりました」
「ああ、マルリカの実のせいらしいよ。ふふふ、無茶してごめんね。起き上がれるようなら寝室の方に食事を用意よしよう。食べられるものだけでも口にした方がいい」
そう言いながらそっと瞼に、額に、頬にかすめるような口づけを落とされて僕はほぉっと息を吐いた。
「アルは食べたの?」
「いや、エディと一緒にって思っていたよ。それにね、なんだか離れたくなくてね。しかも誰も近づけさせたくない。これがマルリカの実の効能なのだとしたらなんだか面白いね。でもこんなにエディを独り占めする事はないからちょっと楽しくて新鮮だったな」
「…………え……まさか……ここに運んだのって」
「うん。マリーが手伝うと言ってくれたんだけど、それすら嫌でね。ベッドは一応クリーンはかけて、お風呂に入っている間に整え直してもらったけどね」
「お風呂も?」
「ああ、綺麗になっているだろう?」
ううう、にっこりと笑う兄様の笑顔が眩しいよ。
「お、起こしてくれたら良かったのに」
「入っている間に起きるかなと思ったんだけど、起きなかったから少し無茶をしてしまったって反省はしていた」
「…………む、無茶したのはお互い様ですよ」
そう。多分あの実を多く食べた僕の方が魔力を欲しがっていたんだ。だって……しがみつくようにして「もっと」って言っていたような気がするんだもの!
「き、昨日ので、お腹の中に赤ちゃんを育てる所が出来たのかな」
「う~ん、それは分からないけど、とりあえず、今日は私の方が多く実を食べるから、少し心配だよ」
「!」
僕は兄様の困ったような顔をまじまじと見つめてしまった。
そうだよね。昨日の事がマルリカの実を食べた事によっておきたっていうか、そうなったっていうか、ええっとつまり……き、今日は兄様の方が……その……えっと……ちょっと抑えが効かなくなっちゃうかもしれないのかな。
「え……っと……」
顔が熱くなる。どうしよう。いや、どうもこうもないんだけど、あうぅぅ
「エディ、そんな顔をしたら駄目だよ。なんだかレオラにまた叱られてしまいそうだ」
「え! レオラが来ているのですか?」
レオラというのはフィンレーのメイド長で母様の専属メイドだ。結婚式の時とその夜に僕はレオラについてもらった。マリーを招待客として招きたかったからっていうのもあったんだけど、母様がレオラをつけるって決めたんだ。そして初めての夜に僕はレオラから大切な事を教えてもらった。あの時は今一つ分からない事もあったけれど、今ならあの話の意味がちゃんと分かる。大事な事を母様とレオラは僕に伝えてくれたんだ。
そして今も、レオラがグリーンベリーに来ている。
「レオラは……僕達がマルリカの実を使って子どもを作ろうとしている事を知って来たんですよね」
「うん。そうだと思うよ。母上が寄越したんだろうね。エディの力になれると思って」
「そうですね」
「まぁ、レオラとの再会はこの実の儀式が終わってからにしよう。とりあえず、今日と明日はよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「エディを怖がらせないようにするよ」
「…………よ、よろしくお願いします」
僕が赤い顔をしてそう言うと兄様は笑うのを堪えるような顔をして「さぁ、じゃあ何か食べよう」と僕を抱き上げた。
「わぁ!」
「言ったでしょう? 三日間エディを独り占めするって。久しぶりにあーんもさせてもらおうかな」
「だ、大丈夫です! ちゃんと食べられます」
僕の言葉に兄様は「そう? 残念」と言って再び頬に口づけた。
午後はぼんやりと過ごした。というか実際は起きていられなかったっていった方がいい。気付くと眠っていて、椅子に座っていたはずなのにいつの間にか兄様にベッドに移されていた。
これでいいのかなって思ったけど、「多分身体がこうする事を望んでいるんだよ」って言われて、素直にそう思えた。こんな風に何もしない日って不思議だけれど、心地よい。
気づけば兄様が隣にいて、声をかけてくれる。兄様は僕を独り占めって言ったけれど、それは僕にとっても同じだ。僕も忙しい筈の兄様を独り占めしている。それはなんて贅沢な時間なんだろうって思ったよ。
日が暮れて夕食をとって、心配だからと言われて兄様と一緒にお風呂に入って、それから昨日と同じように夫婦の寝室のソファに座った。
目の前には二つ目のマルリカの実。
兄様はそれを昨日と同じように器用に皮を剥いて、四つの房が入っている中身を見せた。
「じゃあ、今日は私が三つ。エディが一つだ」
「はい」
「エディ、苦しくなったり、無理だと思ったらすぐに言うんだよ」
「は、はい」
そうして僕達は決められている分をそれぞれに食べて…………
「お腹が……熱い……」
「おいで…………エディ」
お互いの身体を抱き締めた。
◇◇◇
「あ、あ、あ、あん!」
揺さぶられる度に落ちる甘い声。ゆっくりと抱き合っていたのは最初だけだ。気付けば少し強張ったような顔をした兄様と目が合って「大丈夫」って言った途端、きつく抱き締められた。
「苦しい?」
「あ、へ……き……あ、んん……あぁぁ!」
中の、あたると感じてしまうところをこすられてピンと足が伸びる。
「ここだよね。気持ちのいい所」
「あ、だめ、そこばっかり、あぁぁっ!」
甘い声と同時に触られてもいない熱が弾けて息が上がった。
「僕、ばっかり……っ……アルも……」
「うん。でもなんだか歯止めがきかなくなりそうだからね。よく分からないけれどマルリカにはそういう作用があるのかもしれないな」
うん。僕もそう思った。でもそうなる事でお互いの魔力をなじませて、無から命を作り出していくのだとしたらやっぱりすごい実なんだなって思う。
「だい、じょうぶ……きっと実が、守ってくれるから、だから……」
どうか我慢なんてしないでほしい。そんな声が聞こえたかのように兄様は珍しく少しだけ情けないような顔をしてから「エディ」と名前を呼んで、身体を進めてきた。
「あああぁぁ!」
昨日も入ってきた奥に熱が届く。次いでお腹の中に広がる熱。
「あん! あん! あ、も、あっ……あつぃぃ……ぁ、きもち……いぃ……」
ほろりと零れ落ちた涙を長い指がすくう。
「うん、熱くて、気持ちいい……もっと、ほしくなる……」
「……うん。もっと……たくさん……いっぱいにして」
「…………エディ、あんまり煽らないように」
苦笑をしながら兄様は一度それを抜いて、僕の身体をうつ伏せにすると、腰を高く上げて、再び最奥へと入ってきた。
「あぁぁぁ!」
「……っく……」
お腹に集まる熱が身体の中を駆け巡っていくような気がした。幾度、そうしたのかは分からない。だけど結局この日も、僕は兄様の腕の中で意識を飛ばしてしまったらしい。
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おそるべしマルリカ……www
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