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86 マルリカの実② ※
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マルリカの実を食べてから愛し合う。
今日はその最初の日。それに緊張をしているからなのか、それともマルリカの実のせいなのか、僕の身体は少しおかしくなっていた。
「エディ? 具合が悪いのかい?」
「ううん。ちが……あぁん! やぁ!」
ビクンビクンと身体が勝手に跳ねた。とにかく自分でもびっくりするくらい触れられたところが熱くて、たまらなくなるんだ。
兄様は最初の日は赤ちゃんの育つところを作る日だって言っていた。こんな風になる事がその場所を作る事になるのかしら。
だって、口づけをしただけでもどうしていいのか分からなくなってしまうし、兄様の指が触れるたびにそこから甘い何かが広がってきて耐えられない感じになってしまうんだ。
「あ、あ、あ、いやぁ……こわ、こわいぃぃ」
「こわいの?」
「だって、あん! あん! こんなに熱くて、たまらなくなってくるなんて、あ、あ、も、早く……ほしいぃ」
こんな風にねだるのは初めてだった。
だっていつだって兄様は僕に合わせて愛してくれたし、繋がる時だって優しくしてくれて、気持ちよくなるのも、どうしていいのか分からなくなるのも、もっともっと愛し合ってからだったんだ。
それがこんな風に触れられただけで熱が溜まっていくような、耐えきれないような何かが身体の中を駆け巡っていくような、そんな風になるなんて。
「どうしよう。アル、どうしよう……あ、あ、だって、も、僕……」
「じゃあ、そうしようかな。これがマルリカの実がもたらすものなんだね、すごいな……」
「な……に」
「香油が必要ないくらい濡れている」
「!!」
耳元で囁かれて顔が一気に熱くなった。だけど僕が恥ずかしがってしまう前に、兄様は大きく僕の足を広げて、腰の下にクッションを入れ込むと長い指をそこへ入れた。
「あぁぁ! やぁ!」
バラバラと動く二本の指。グチュグチュと音を立てているのは間違いなく僕の中だ。
「やぁだ、アル、お願い! それじゃなくて……ほ、ほしいの……」
「うん、そうだね。こんなエディを前にしたら、理性なんて何の役にも立たないな」
そう言うと兄様は指を抜いて、まだ羽織っていたバスロープを珍しく乱雑に脱ぎ捨て、僕の上に覆いかぶさるとゆっくりと身体を沈めてきた。
「ああああああ!」
「…………くっ……」
入れただけなのに、そこから酷い音がしてたまらない気持ちになった。僕はどんな風になっちゃっているの? 香油がいらないくらいって、どうしよう、でも、でも、でも……
「うん。すごいね。もうすっかり柔らかくなっているよ」
「や、いわ、ないで……あぁ!」
中をこすられて、小さく揺すられるだけで信じられないくらいの熱が広がっていく。
「あん! あん! あぁぁ!」
前を触られているわけでもないのに、熱が弾けて、またすぐに勃ち上がっていく感覚に恥ずかしさと、怖さと、そしてもどかしさが湧き上がり、僕は本気でどうしていいのか分からなくなっていた。
「アル! あ、あ、また……いや、こわ……あぁぁん!」
「大丈夫、マルリカが私たちの魔力と一緒に育てる場所を作ろうとしているだけだ。だからエディは沢山感じていいんだよ」
「は、あ、あ、うんぅ……んんんん! あぁぁぁ!」
感じるところを責められてキリもなく甘い声が落ちる。まだこんなに自分の意識があるうちに、乱れてしまう事への羞恥心はあるけれど、こうしながらお互いの魔力を交えてマルリカの実がその場所を作っていくのだとしたら、これでいいのかな。
「エディ……」
「は、はい……」
「だいぶ、慣れてきているから、今日はもう少し奥に入れてほしいんだ」
「おく……?」
「うん。前にも何度か入れてもらったけど、多分あまり覚えていないと思うから」
そう言いながら兄様は僕の顔に何度も口づけを落とした。
「奥に作るって聞いているんだ」
「奥に……」
「うん。ゆっくり進むから、エディの中にもっと迎えて?」
コクリと頷くと兄様は綺麗な微笑みを浮かべてもう一度額に、そして唇に口づけを落として、そのまま僕の両足を抱えなおすと、その身体をグンと進めてきた。
「ひ! あ、あ、あ、あぁあぁぁぁ!」
奥に、ゆっくりと、けれど、確実に大きな熱が入ってくるのが分かった。無意識に逃げようとした腰を掴まれてゆるゆると揺さぶられながら中へ、中へと進んでくる熱。
「あ、だ……うぁ……あ、あ、あ」
声が、細切れになって、意味をなさなくなってくる。
苦しい、怖い、でもその奥に確かに甘くて、熱い何かを感じて、たまらずにまた白濁を飛ばした。
「アルゥゥゥ……」
「うん。ごめんね。苦しい? なじむまで動かずにいるよ。この辺りに『入れ物』が出来るらしい」
「……うん……」
おへその下あたりまで入っているのが分かってびっくりした。
「エディが気持ちよくなって私の魔力をしっかりと受け止めてくれればいい」
「ん、はぃ……あ、あん!」
身体の中でじわりじわりと何かが広がっていく気がした。何度か入れてもらったって言っていたけど僕には記憶がないから、きっともっと分からなくなってからこうされたのかなって思うとやっぱりなんだか恥ずかしい。
繋がっている所がジンジンして、お腹の中でじっと待っていてくれる熱がドクンドクンってしているような気がした。そう言えば僕は訳が分からないままに何度か達しているけれど、兄様はまだなんだよね。
「……も、へいき」
「エディ?」
「アルも、我慢しないでいいよ。えっと、えっと…………た、沢山、して」
その瞬間ギュッと抱き締められて、お腹の中のそれがまた少し大きくなったような気がして僕はもうどうしていいのか分からなくなってしまった。いつもみたいに訳が分からなくなってからこうしてもらえばよかったのかもしれないけれど、どうしていいのか分からないまま身体の熱を我慢出来ずに欲しいって言ったのは僕だものね。
「エディは可愛くて、私を煽るのがうまい」
「あ、煽ってなんか……あああぁっ!」
「愛しているよ」
耳元で熱い声が囁いた。それに「僕も」と答えたつもりの声は届いただろうか。
お腹の中で熱がグルグルと回っているのを感じながら僕は兄様の大きな背中にしがみついた。
マルリカの実の一日目。
僕達は明け方近くまで抱き合って、そのまま眠ってしまった。
気づいた時にはお昼を過ぎていて、綺麗なベッドで寝かされていて、枕元に腰かけた兄様が苦笑しながら「無茶してごめんね」と額に軽く口づけた。
「大丈夫」って言おうとして声が出なくてびっくりしたのと、恥ずかしかったのとで、僕はただただ首を横に振る事しか出来なかったんだ。
-----------
え、えへへへへへ
まだ一日目だよね(;^ω^)
今日はその最初の日。それに緊張をしているからなのか、それともマルリカの実のせいなのか、僕の身体は少しおかしくなっていた。
「エディ? 具合が悪いのかい?」
「ううん。ちが……あぁん! やぁ!」
ビクンビクンと身体が勝手に跳ねた。とにかく自分でもびっくりするくらい触れられたところが熱くて、たまらなくなるんだ。
兄様は最初の日は赤ちゃんの育つところを作る日だって言っていた。こんな風になる事がその場所を作る事になるのかしら。
だって、口づけをしただけでもどうしていいのか分からなくなってしまうし、兄様の指が触れるたびにそこから甘い何かが広がってきて耐えられない感じになってしまうんだ。
「あ、あ、あ、いやぁ……こわ、こわいぃぃ」
「こわいの?」
「だって、あん! あん! こんなに熱くて、たまらなくなってくるなんて、あ、あ、も、早く……ほしいぃ」
こんな風にねだるのは初めてだった。
だっていつだって兄様は僕に合わせて愛してくれたし、繋がる時だって優しくしてくれて、気持ちよくなるのも、どうしていいのか分からなくなるのも、もっともっと愛し合ってからだったんだ。
それがこんな風に触れられただけで熱が溜まっていくような、耐えきれないような何かが身体の中を駆け巡っていくような、そんな風になるなんて。
「どうしよう。アル、どうしよう……あ、あ、だって、も、僕……」
「じゃあ、そうしようかな。これがマルリカの実がもたらすものなんだね、すごいな……」
「な……に」
「香油が必要ないくらい濡れている」
「!!」
耳元で囁かれて顔が一気に熱くなった。だけど僕が恥ずかしがってしまう前に、兄様は大きく僕の足を広げて、腰の下にクッションを入れ込むと長い指をそこへ入れた。
「あぁぁ! やぁ!」
バラバラと動く二本の指。グチュグチュと音を立てているのは間違いなく僕の中だ。
「やぁだ、アル、お願い! それじゃなくて……ほ、ほしいの……」
「うん、そうだね。こんなエディを前にしたら、理性なんて何の役にも立たないな」
そう言うと兄様は指を抜いて、まだ羽織っていたバスロープを珍しく乱雑に脱ぎ捨て、僕の上に覆いかぶさるとゆっくりと身体を沈めてきた。
「ああああああ!」
「…………くっ……」
入れただけなのに、そこから酷い音がしてたまらない気持ちになった。僕はどんな風になっちゃっているの? 香油がいらないくらいって、どうしよう、でも、でも、でも……
「うん。すごいね。もうすっかり柔らかくなっているよ」
「や、いわ、ないで……あぁ!」
中をこすられて、小さく揺すられるだけで信じられないくらいの熱が広がっていく。
「あん! あん! あぁぁ!」
前を触られているわけでもないのに、熱が弾けて、またすぐに勃ち上がっていく感覚に恥ずかしさと、怖さと、そしてもどかしさが湧き上がり、僕は本気でどうしていいのか分からなくなっていた。
「アル! あ、あ、また……いや、こわ……あぁぁん!」
「大丈夫、マルリカが私たちの魔力と一緒に育てる場所を作ろうとしているだけだ。だからエディは沢山感じていいんだよ」
「は、あ、あ、うんぅ……んんんん! あぁぁぁ!」
感じるところを責められてキリもなく甘い声が落ちる。まだこんなに自分の意識があるうちに、乱れてしまう事への羞恥心はあるけれど、こうしながらお互いの魔力を交えてマルリカの実がその場所を作っていくのだとしたら、これでいいのかな。
「エディ……」
「は、はい……」
「だいぶ、慣れてきているから、今日はもう少し奥に入れてほしいんだ」
「おく……?」
「うん。前にも何度か入れてもらったけど、多分あまり覚えていないと思うから」
そう言いながら兄様は僕の顔に何度も口づけを落とした。
「奥に作るって聞いているんだ」
「奥に……」
「うん。ゆっくり進むから、エディの中にもっと迎えて?」
コクリと頷くと兄様は綺麗な微笑みを浮かべてもう一度額に、そして唇に口づけを落として、そのまま僕の両足を抱えなおすと、その身体をグンと進めてきた。
「ひ! あ、あ、あ、あぁあぁぁぁ!」
奥に、ゆっくりと、けれど、確実に大きな熱が入ってくるのが分かった。無意識に逃げようとした腰を掴まれてゆるゆると揺さぶられながら中へ、中へと進んでくる熱。
「あ、だ……うぁ……あ、あ、あ」
声が、細切れになって、意味をなさなくなってくる。
苦しい、怖い、でもその奥に確かに甘くて、熱い何かを感じて、たまらずにまた白濁を飛ばした。
「アルゥゥゥ……」
「うん。ごめんね。苦しい? なじむまで動かずにいるよ。この辺りに『入れ物』が出来るらしい」
「……うん……」
おへその下あたりまで入っているのが分かってびっくりした。
「エディが気持ちよくなって私の魔力をしっかりと受け止めてくれればいい」
「ん、はぃ……あ、あん!」
身体の中でじわりじわりと何かが広がっていく気がした。何度か入れてもらったって言っていたけど僕には記憶がないから、きっともっと分からなくなってからこうされたのかなって思うとやっぱりなんだか恥ずかしい。
繋がっている所がジンジンして、お腹の中でじっと待っていてくれる熱がドクンドクンってしているような気がした。そう言えば僕は訳が分からないままに何度か達しているけれど、兄様はまだなんだよね。
「……も、へいき」
「エディ?」
「アルも、我慢しないでいいよ。えっと、えっと…………た、沢山、して」
その瞬間ギュッと抱き締められて、お腹の中のそれがまた少し大きくなったような気がして僕はもうどうしていいのか分からなくなってしまった。いつもみたいに訳が分からなくなってからこうしてもらえばよかったのかもしれないけれど、どうしていいのか分からないまま身体の熱を我慢出来ずに欲しいって言ったのは僕だものね。
「エディは可愛くて、私を煽るのがうまい」
「あ、煽ってなんか……あああぁっ!」
「愛しているよ」
耳元で熱い声が囁いた。それに「僕も」と答えたつもりの声は届いただろうか。
お腹の中で熱がグルグルと回っているのを感じながら僕は兄様の大きな背中にしがみついた。
マルリカの実の一日目。
僕達は明け方近くまで抱き合って、そのまま眠ってしまった。
気づいた時にはお昼を過ぎていて、綺麗なベッドで寝かされていて、枕元に腰かけた兄様が苦笑しながら「無茶してごめんね」と額に軽く口づけた。
「大丈夫」って言おうとして声が出なくてびっくりしたのと、恥ずかしかったのとで、僕はただただ首を横に振る事しか出来なかったんだ。
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え、えへへへへへ
まだ一日目だよね(;^ω^)
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