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51 三度目の交渉①
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三の月になった。昨年と同様にマルリカの実はしっかりと実り、無事に収穫が出来た。
今年の収穫は昨年よりも多い4764個だった。1600個以上増えたのかな。うんうん。
苗を増やすために今年は一棟増やしてもらったけれど、これ以上になるのであれば、マルリカの専用の温室を建てた方がいいような気がした。でもそれは僕だけでは決められない。マルリカの実の窓口はフィンレーになっているし、取引先は国だしね。
販売数を決める会議の前に一度父様に相談をして、会議にかけていくようになるのかな。
そんな事を考えながら迎えた三度目の会議。今回からは予定通りにフィンレーの公爵領で行われる事になった。
さすがにシャマル様は来る事が出来ず、代わりというよりはもっと偉い人が来た。シェルバーネの皇太子殿下だ。うん、次期国王陛下だよ。そして始めの年からずっと関わっている宰相府の役人の方々と見届け役としてエルグランド公爵家からはダリウス叔父様もいらした。ダリウス叔父様は外務の方に関わっているんだって。
今年も参加をしているルフェリット国王陛下に挨拶をした後、皇太子殿下は僕に向かってニッコリと微笑みながら口を開いた。
「今年も無事に収穫して頂き感謝いたします、グリーンベリー伯爵」
「ご挨拶頂きましてありがとうございます。昨年を上回る量が収穫出来てホッとしております」
僕の言葉に殿下は小さく頷いて再び口を開いた。
「本来であれば父であるシェルバーネ国王がこの場で皆様と話し合いをするべきところですが、今回は私が名代として参加をさせていただきます。どうぞ皆様よろしくお願いいたします」
こうして三度目の会議が始まった。まずは今年の状況だ。
ルフェリットは当初1000個を買取したけれど、年明けに予備分から59個を追加購入し、先週末の時点で1035個を販売。345組の人が実を手にしたという計算になる。最初の年として考えると結構な数が出たんじゃないかな。今年の実は三の月二十四日までが販売予定だけど、もしかしたら売り切れになる可能性もある。
マルリカの実は時間経過の無いマジックボックスの中に入っているので、残ったとしてもそのまま販売をする予定だけど、来年度の販売前に状態の鑑定をかけて、万が一にでも劣化が見られれば処分をする事が決まっている。
一方シェルバーネの方は2000個を購入。ルフェリットが追加の可能性が有りとして予備分の約半分59個の希望を出していた為、残り67個を全て買い取りして、年内に販売を終了している。
どれほどの実が犯罪者の手に渡ったのかは分からないけれど、それでも一昨年よりは欲しいと望む者達の手に渡ったと信じたい。
「ではまずはお互いに望む数を出して調整をして行きましょう」
「分かりました」
「ではまずシェルバーネの希望は3000個です。今年は年内に販売が終了となりました。安定して実が入って来る事が浸透してき始めている今、犯罪の取り締まりはきちんと行いながら数は確保したいという希望です」
シェルバーネの宰相府の役人(多分副宰相)
「なるほど、それではルフェリットの希望を申し上げます。初年度の後半からの伸びが著しく、実の存在の周知を引き続き行っていきたいと考えました。そこで希望は昨年度の約倍、2040個を希望いたします」
両国の数を聞いて思わず眉間の辺りに皺を寄せてしまった僕の背中を兄様がトントンとしてくれた。かなり苗も増やしたつもりだったんだけど、足りないのかぁ。でも1.5倍以上増えているんだよ?
「ふむ。まぁ、予想はしておりましたが、やはりこうなりますね」
爽やかな笑みを浮かべて皇太子殿下が口を開いた。
----------------
短いですが一旦切ります。
今年の収穫は昨年よりも多い4764個だった。1600個以上増えたのかな。うんうん。
苗を増やすために今年は一棟増やしてもらったけれど、これ以上になるのであれば、マルリカの専用の温室を建てた方がいいような気がした。でもそれは僕だけでは決められない。マルリカの実の窓口はフィンレーになっているし、取引先は国だしね。
販売数を決める会議の前に一度父様に相談をして、会議にかけていくようになるのかな。
そんな事を考えながら迎えた三度目の会議。今回からは予定通りにフィンレーの公爵領で行われる事になった。
さすがにシャマル様は来る事が出来ず、代わりというよりはもっと偉い人が来た。シェルバーネの皇太子殿下だ。うん、次期国王陛下だよ。そして始めの年からずっと関わっている宰相府の役人の方々と見届け役としてエルグランド公爵家からはダリウス叔父様もいらした。ダリウス叔父様は外務の方に関わっているんだって。
今年も参加をしているルフェリット国王陛下に挨拶をした後、皇太子殿下は僕に向かってニッコリと微笑みながら口を開いた。
「今年も無事に収穫して頂き感謝いたします、グリーンベリー伯爵」
「ご挨拶頂きましてありがとうございます。昨年を上回る量が収穫出来てホッとしております」
僕の言葉に殿下は小さく頷いて再び口を開いた。
「本来であれば父であるシェルバーネ国王がこの場で皆様と話し合いをするべきところですが、今回は私が名代として参加をさせていただきます。どうぞ皆様よろしくお願いいたします」
こうして三度目の会議が始まった。まずは今年の状況だ。
ルフェリットは当初1000個を買取したけれど、年明けに予備分から59個を追加購入し、先週末の時点で1035個を販売。345組の人が実を手にしたという計算になる。最初の年として考えると結構な数が出たんじゃないかな。今年の実は三の月二十四日までが販売予定だけど、もしかしたら売り切れになる可能性もある。
マルリカの実は時間経過の無いマジックボックスの中に入っているので、残ったとしてもそのまま販売をする予定だけど、来年度の販売前に状態の鑑定をかけて、万が一にでも劣化が見られれば処分をする事が決まっている。
一方シェルバーネの方は2000個を購入。ルフェリットが追加の可能性が有りとして予備分の約半分59個の希望を出していた為、残り67個を全て買い取りして、年内に販売を終了している。
どれほどの実が犯罪者の手に渡ったのかは分からないけれど、それでも一昨年よりは欲しいと望む者達の手に渡ったと信じたい。
「ではまずはお互いに望む数を出して調整をして行きましょう」
「分かりました」
「ではまずシェルバーネの希望は3000個です。今年は年内に販売が終了となりました。安定して実が入って来る事が浸透してき始めている今、犯罪の取り締まりはきちんと行いながら数は確保したいという希望です」
シェルバーネの宰相府の役人(多分副宰相)
「なるほど、それではルフェリットの希望を申し上げます。初年度の後半からの伸びが著しく、実の存在の周知を引き続き行っていきたいと考えました。そこで希望は昨年度の約倍、2040個を希望いたします」
両国の数を聞いて思わず眉間の辺りに皺を寄せてしまった僕の背中を兄様がトントンとしてくれた。かなり苗も増やしたつもりだったんだけど、足りないのかぁ。でも1.5倍以上増えているんだよ?
「ふむ。まぁ、予想はしておりましたが、やはりこうなりますね」
爽やかな笑みを浮かべて皇太子殿下が口を開いた。
----------------
短いですが一旦切ります。
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