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16 悲しい現実
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「お久しぶりです。エドワード様」
「ご無沙汰しております。シャマル様、ダリウス様」
二の月の半ば。マルリカの実の収穫を前に、シャマル様達がグリーンベリーにやって来た。
王城ではシェルバーネの高位の役人と宰相府から宰相次官の侯爵が、ルフェリットの宰相であるニールデン公爵と賢者のメイソン侯爵と一緒に両国の調査内容の報告を行っているらしい。その話の見届け人として父様とスタンリー公爵が詰めていると聞いた。
「ダリウス叔父様方はこちらにいらしていても大丈夫なのですか?」
「ああ、大丈夫だよ。あそこにいてもかえって邪魔になるだけですからね。それよりもマルリカの実の様子を確認をして、甥っ子夫婦とお茶を飲んでいる方が有意義だ」
そう答えたのは僕が声をかけたダリウス叔父様ではなくてシャマル様の方だった。
それに思わず笑うとシャマル様は「色々と心配をかけてしまった事も詫びたかったしね」と言葉を加える。
「とりあえず、後からフィンレーのご当主が話をするかと思うが、分かっている事をかいつまんで話せればと思っているよ」
シャマル様の言葉を聞いて少しだけ兄様が緊張したような顔をしたのが分かった。
「大丈夫だよ。エドワード君を傷つける様な事はしないよ。まずは心配をされている人身売買の組織だが、ルフェリットの方で一つ大きなものを釣り上げてくれた。その後同じような事をしていた者達をシェルバーネの方で調べ、すでに処刑を終えている」
「…………」
「驚いたかい? けれど、シェルバーネの法はそういう法なのだよ。戦いの神の国だからね。禁じられた事をした報いは自身が受ける」
「……処刑をする前にその者達が売り払った者達の消息は掴めたのでしょうか」
硬い声で兄様が口を開くと今度はダリウス叔父様が答えた。
「追える者は全て。残念ながら亡くなっている者もいた。何しろ手に入れた者の名も把握はされておらず、帳簿も杜撰なものだったから正確な人数までは出せなかったが、国交が正常化してからそれらがルフェリットから攫ってきた者は167名。内保護を出来たのは82名。行方知れずが31名、死亡を確認出来た者は16名。自分で望んで来たのだと国の介入を拒み、事件とする事をしなかった者は38名だ」
「……それを全て鵜呑みにしたのですか?」
兄様の問いにダリウス叔父様が苦い表情を浮かべた。
うん。だって、昨年の秋の終わりに摘発された船には20名の人が乗っていて、その船はここで収穫されたマルリカの実が売り出された三の月以降毎月二回行き来をしている。
単純に計算をすれば、300人近くなる。それが国交が正常化されて四年近くで167名というのは少なすぎるのではないだろうか。
「アルフレッド、長い者でシェルバーネに来てから四年近い時間が経っている。勿論被害が多くなったのは昨年からだが、それ以前にシェルバーネへとやって来た者達の中にはすでに三人の子を持っている者もいる。保護をされた後の事を考え、ルフェリットに戻されてどうなるか分からないという状況よりも、魔力持ちの妾や側室で子は認知をされている今の生活を選ぶ者もいるだろう。シェルバーネとしては、その者の将来を捻じ曲げた行いをした者達を罰する事しか出来なかった」
「…………言われている事は理解できます。ですが、理解は出来ても、売られた事は変わりはない。そして、これからも産む為の道具にされるのは、例え本人がそれを望んだとしても、許せない気持ちです」
兄様の言葉を聞きながら僕は俯いてしまった。だって、ダリウス叔父様が言っている事も、兄様が言っている事も分かったから。
そんなやりとりを聞いて、シャマル様が口を開いた。
「取りあえず、王城での話し合いで変わるかもしれないが、シェルバーネでは一人の者がマルリカを使って子を授かる事が出来る上限を設ける事とした。また、今後子をもうける為に魔力のある者を買う事も禁ずる事にする。マルリカも永遠にあるわけではない。ある日、またシェルバーネにあった木のように枯れてくるかもしれない。あるいは実を付けなくなってしまうかもしれん。事実砂漠化はその速度は緩やかにはなっているが、『首』を全て封じても未だ止まっておらん。神は先々代が行った事をまだ許してはいないのだろう」
「…………」
「それでもこうしてマルリカの実が一定数手に入れられるようになったのはエドワード様のお陰。その実の使い方を間違えぬようにせねばならないと思っている」
部屋の中に重たい沈黙が落ちた。
その沈黙を破ったのは、僕だった。
「……行方知れずの者達の捜査は打ち切りですか? あと、四年近くという事を考えると167名というのは少ないように思います。摘発された時は20名で、偶々多かったのかもしれませんが……」
「捜査は続ける。この組織だけが行っていた事とも思えないからね。だが、去年の三の月より前は、それほど大々的に何かが出来るほど、実を手に入れられなかった筈だ。それほど実は減っていた」
「…………」
「この167名については、売られた家まで付きとめている者がほとんどだ。今回ほどの大掛かりなものを続けていくのは難しいが、影を使って今後も捜査は続けていく事をエルグランドが約束しよう」
シャマル様の答えを聞きながら、僕はもう一つの気になっていた事を尋ねてみた。
「死んで、しまった人は……どうなったのでしょうか……」
「亡骸があった場合はシェルバーネで埋葬をした。すでに埋葬が難しかった者は、何か形見となるものがあればそれを」
「…………」
僕の手をそっと兄様が掴んだ。
「被害者の生死に関わらず、奴隷を買った者たちは全員、買った罪を償わせた。現時点では買った金額の2倍の罰金と労働だ。側室や妾として残留を選んだ者が居た場合は、その者の生活が立ち行かなくなると困る為、労働は免除したが、きちんをその後も面倒を見ているのか監視が付く。また、死んでしまった者の場合は労働は買ってから死亡させた日によって異なり、生きていた日が短い者ほど長い労働を科せられる。なお、本来実を使う事が出来ない年の者に使った者に関しては、家の取り潰しと極刑を与えた」
僕の喉の奥がヒュッと乾いた音を立てた。魔法鑑定は6歳。保護をされた者の中には7歳の子供が居たと聞いた。保護されないで売られた人たちの中には何歳の子供が居たのだろうか。
「エディ!」
兄様がグラリと傾いだ僕の身体を抱き留めてくれた。
「ああ、すまん。配慮が足らなかったな」
「……大丈夫です。すみません。教えていただきまして有難うございました」
僕がそう言って頭を下げると兄様が部屋の外に控えているマリーを呼んだ。
「エディは少し休んでいなさい。その間に私はマルリカの実をシャマルさん達に見ていただくから」
「でも……」
「そうしなさい。どうせ王城のやりとりは今日一日では終わらない。今日の報告を受けて私たちも明日の話をどうするのか考えなければならないからね。アルフレッド、せっかくだがマルリカの実は後日見せてもらおう。フィンレーに数日滞在をする事になっているので、また改めさせてもらうよ。一日で済まなくて申し訳ないが、親類という事で許してほしい」
ダリウス叔父様がそう言うと兄様はコクリと頷いた。
「お心遣い感謝いたします。ではまた明日」
「ああ。エドワード、色々な話を急にして悪かったね」
「いえ、ルフェリットの貴族として、知らなければならない事ですので」
「うん。お互いにこれから何が出来るのかを考えて行こう。ああ、あと、体調がよくなったらまた美味しいお菓子でも出してくれると嬉しいな。シャマルは結構甘い物好きなんだ」
「分かりました。ではシェフと相談をしておきますね」
こうしてシャマル様とダリウス叔父様はフィンレーへと戻っていき、僕はそのままベッドへと連れて行かれる事になった。
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「ご無沙汰しております。シャマル様、ダリウス様」
二の月の半ば。マルリカの実の収穫を前に、シャマル様達がグリーンベリーにやって来た。
王城ではシェルバーネの高位の役人と宰相府から宰相次官の侯爵が、ルフェリットの宰相であるニールデン公爵と賢者のメイソン侯爵と一緒に両国の調査内容の報告を行っているらしい。その話の見届け人として父様とスタンリー公爵が詰めていると聞いた。
「ダリウス叔父様方はこちらにいらしていても大丈夫なのですか?」
「ああ、大丈夫だよ。あそこにいてもかえって邪魔になるだけですからね。それよりもマルリカの実の様子を確認をして、甥っ子夫婦とお茶を飲んでいる方が有意義だ」
そう答えたのは僕が声をかけたダリウス叔父様ではなくてシャマル様の方だった。
それに思わず笑うとシャマル様は「色々と心配をかけてしまった事も詫びたかったしね」と言葉を加える。
「とりあえず、後からフィンレーのご当主が話をするかと思うが、分かっている事をかいつまんで話せればと思っているよ」
シャマル様の言葉を聞いて少しだけ兄様が緊張したような顔をしたのが分かった。
「大丈夫だよ。エドワード君を傷つける様な事はしないよ。まずは心配をされている人身売買の組織だが、ルフェリットの方で一つ大きなものを釣り上げてくれた。その後同じような事をしていた者達をシェルバーネの方で調べ、すでに処刑を終えている」
「…………」
「驚いたかい? けれど、シェルバーネの法はそういう法なのだよ。戦いの神の国だからね。禁じられた事をした報いは自身が受ける」
「……処刑をする前にその者達が売り払った者達の消息は掴めたのでしょうか」
硬い声で兄様が口を開くと今度はダリウス叔父様が答えた。
「追える者は全て。残念ながら亡くなっている者もいた。何しろ手に入れた者の名も把握はされておらず、帳簿も杜撰なものだったから正確な人数までは出せなかったが、国交が正常化してからそれらがルフェリットから攫ってきた者は167名。内保護を出来たのは82名。行方知れずが31名、死亡を確認出来た者は16名。自分で望んで来たのだと国の介入を拒み、事件とする事をしなかった者は38名だ」
「……それを全て鵜呑みにしたのですか?」
兄様の問いにダリウス叔父様が苦い表情を浮かべた。
うん。だって、昨年の秋の終わりに摘発された船には20名の人が乗っていて、その船はここで収穫されたマルリカの実が売り出された三の月以降毎月二回行き来をしている。
単純に計算をすれば、300人近くなる。それが国交が正常化されて四年近くで167名というのは少なすぎるのではないだろうか。
「アルフレッド、長い者でシェルバーネに来てから四年近い時間が経っている。勿論被害が多くなったのは昨年からだが、それ以前にシェルバーネへとやって来た者達の中にはすでに三人の子を持っている者もいる。保護をされた後の事を考え、ルフェリットに戻されてどうなるか分からないという状況よりも、魔力持ちの妾や側室で子は認知をされている今の生活を選ぶ者もいるだろう。シェルバーネとしては、その者の将来を捻じ曲げた行いをした者達を罰する事しか出来なかった」
「…………言われている事は理解できます。ですが、理解は出来ても、売られた事は変わりはない。そして、これからも産む為の道具にされるのは、例え本人がそれを望んだとしても、許せない気持ちです」
兄様の言葉を聞きながら僕は俯いてしまった。だって、ダリウス叔父様が言っている事も、兄様が言っている事も分かったから。
そんなやりとりを聞いて、シャマル様が口を開いた。
「取りあえず、王城での話し合いで変わるかもしれないが、シェルバーネでは一人の者がマルリカを使って子を授かる事が出来る上限を設ける事とした。また、今後子をもうける為に魔力のある者を買う事も禁ずる事にする。マルリカも永遠にあるわけではない。ある日、またシェルバーネにあった木のように枯れてくるかもしれない。あるいは実を付けなくなってしまうかもしれん。事実砂漠化はその速度は緩やかにはなっているが、『首』を全て封じても未だ止まっておらん。神は先々代が行った事をまだ許してはいないのだろう」
「…………」
「それでもこうしてマルリカの実が一定数手に入れられるようになったのはエドワード様のお陰。その実の使い方を間違えぬようにせねばならないと思っている」
部屋の中に重たい沈黙が落ちた。
その沈黙を破ったのは、僕だった。
「……行方知れずの者達の捜査は打ち切りですか? あと、四年近くという事を考えると167名というのは少ないように思います。摘発された時は20名で、偶々多かったのかもしれませんが……」
「捜査は続ける。この組織だけが行っていた事とも思えないからね。だが、去年の三の月より前は、それほど大々的に何かが出来るほど、実を手に入れられなかった筈だ。それほど実は減っていた」
「…………」
「この167名については、売られた家まで付きとめている者がほとんどだ。今回ほどの大掛かりなものを続けていくのは難しいが、影を使って今後も捜査は続けていく事をエルグランドが約束しよう」
シャマル様の答えを聞きながら、僕はもう一つの気になっていた事を尋ねてみた。
「死んで、しまった人は……どうなったのでしょうか……」
「亡骸があった場合はシェルバーネで埋葬をした。すでに埋葬が難しかった者は、何か形見となるものがあればそれを」
「…………」
僕の手をそっと兄様が掴んだ。
「被害者の生死に関わらず、奴隷を買った者たちは全員、買った罪を償わせた。現時点では買った金額の2倍の罰金と労働だ。側室や妾として残留を選んだ者が居た場合は、その者の生活が立ち行かなくなると困る為、労働は免除したが、きちんをその後も面倒を見ているのか監視が付く。また、死んでしまった者の場合は労働は買ってから死亡させた日によって異なり、生きていた日が短い者ほど長い労働を科せられる。なお、本来実を使う事が出来ない年の者に使った者に関しては、家の取り潰しと極刑を与えた」
僕の喉の奥がヒュッと乾いた音を立てた。魔法鑑定は6歳。保護をされた者の中には7歳の子供が居たと聞いた。保護されないで売られた人たちの中には何歳の子供が居たのだろうか。
「エディ!」
兄様がグラリと傾いだ僕の身体を抱き留めてくれた。
「ああ、すまん。配慮が足らなかったな」
「……大丈夫です。すみません。教えていただきまして有難うございました」
僕がそう言って頭を下げると兄様が部屋の外に控えているマリーを呼んだ。
「エディは少し休んでいなさい。その間に私はマルリカの実をシャマルさん達に見ていただくから」
「でも……」
「そうしなさい。どうせ王城のやりとりは今日一日では終わらない。今日の報告を受けて私たちも明日の話をどうするのか考えなければならないからね。アルフレッド、せっかくだがマルリカの実は後日見せてもらおう。フィンレーに数日滞在をする事になっているので、また改めさせてもらうよ。一日で済まなくて申し訳ないが、親類という事で許してほしい」
ダリウス叔父様がそう言うと兄様はコクリと頷いた。
「お心遣い感謝いたします。ではまた明日」
「ああ。エドワード、色々な話を急にして悪かったね」
「いえ、ルフェリットの貴族として、知らなければならない事ですので」
「うん。お互いにこれから何が出来るのかを考えて行こう。ああ、あと、体調がよくなったらまた美味しいお菓子でも出してくれると嬉しいな。シャマルは結構甘い物好きなんだ」
「分かりました。ではシェフと相談をしておきますね」
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