210 / 335
第8章 収束への道のり
322. 日暮れと不安と
しおりを挟む
震動と地底から響く音は断続的に続いていた。いずれ、あの苔むした魔物の亡骸を壊して、再び魔物達が穴の中から溢れ出してくる。それまでにもう一度隊を立て直さなければならない。
奇跡のような出来事から、徐々に次に起きる出来事に思いを巡らせて、第一隊の魔導騎士達は戦いの妨げにならないように、始点以外の魔物を与えられたマジックボックスに収納したり、傷の手当てや魔力回復をして備えたり、使っていた武具を点検したりと次の戦いのフィールドを整えていた。
始点で戦っていた第一隊90名はそのほとんどが怪我を負い、その内二十名ほどが聖神殿へと送られた。出現をした魔物の数を考えれば被害は少ないと言えるのかもしれない。けれど、神殿送りになった者以外に、命を落とした者も十数名いる。決して小さな被害ではない。
「……援護隊は来ないのだろうか」
「コートニーズから来ると言っていた援護はどうなっているのでしょうか」
「コートニーズだけではない。他の所だって出せる筈だ」
ポロポロと漏れ落ちる言葉。
騎士達も分かってはいた。北と南で首塚の封印を行っている事。そして北に黒竜が出現した事。モーリスのダンジョンもスタンピードを起こしている事。王宮神殿の地下にも首塚が発見され、魔物が現れている事。それらは彼等にもきちんと伝えられていた。
王国の中で一度に色々な事が起こりすぎている事も十分分かっているのだ。けれど駆けつけて来てくれた大きな戦力はレイモンドだけだ。そしてもうすぐ日が落ちる。このまま再びあの穴が開けられたら、おそらくは全滅だ。
「苦戦をしている事は伝えられている筈だ。魔物の数だってとても……」
「やめておけ。ポーションを飲んで備えよう。これが切れる事なくあるだけでも助かる」
「…………分かっている。でも欲しいのは戦力だ」
必死に戦っていた時は考えもしなかった事が、こうして身体を休めると自然に頭の中に浮かんできはじめる。
先ほど魔物を一掃したあれが、未だになんの力なのかは分からなかったが、助かったと喜んだからこそ、騎士としてはあるまじき恐れが湧き出していた。
そして恐れと疑心は影を呼ぶ。日が傾いて沈んでいくとそれは尚の事大きな影になっていく。
「震動の回数が増えている。もしかすると蓋が開かれるのは案外早いかもしれないな」
マーティンが囁くような声でそう言った。
「ああ、だが、もう一度エディに力を使わせるのは無理だ」
「本人が出来ると言ってもさせないよ」
ダニエルとアルフレッドもまた声を潜めて返す。
「それにしてもなんだか嫌な雰囲気だな。僅かな時間が出来ると考えなくていい事を考え出すのは人の悪い癖だ。極限状態からの解放が、あまり喜べないような形になっている」
ダニエルは辺りを見回して眉を寄せた。
「負の感情が大きくなると余計なものを寄せるからな」
そう。ここに魔素が湧き出したらまた面倒な事になる。
「…………ああ、そういえば」
アルフレッドは声を出して立ち上がり、騎士たちが休んでいる方へ向かった。そして持っていたマジックバックの中から、以前エディにもたれた簡易の食事を取り出した。時間経過のないバックなので良かった。
「持たされていた軽食です。全員ですと一つか二つくらいなりますが、少しポーション以外のものを口にしましょう。気分が変わります。父もワイバーンの討伐を任されていたそうですが、終われば駆けつけて来るでしょう。こちらのポーチに入っていますので今の内に」
「ありがとうございます。申し訳ございません」
「いえ、一緒に頑張りましょう」
「! はい」
アルフレッドが渡した軽食に周囲からもワッと嬉しそうな声が上がった。沢山食べてしまうとかえって動けなくなってしまうが、これくらいならば大丈夫だろう。エディには「ずっと持っていたんですか?」と叱られるかもしれないが、入れっぱなしになっていたものが思わぬところで役に立った。
そう思いつつアルフレッドはダニエル達の元へと戻りながら始点の裏側の方でしゃがみこんでいるエディたちを見つめた。何とかうまく扉を閉じる事が出来ればいい。ああして動いているが、その顔色はあまり良いものとは思えなった。もう一度あの加護の力を使わせる事は出来ないと改めて思う。
「アル、そんなに見つめているとエディに穴が開いちゃうよ?」
「マーティ、くだらない事を言うな。それよりも現状は知らせたのか?」
どこか楽し気なマーティンにアルフレッドは無表情に近い顔を向けて口を開いて冷めた口調でそう返した。最愛の弟が関わらない限りアルフレッドの通常はこんなものだ。にこやかに甘い表情など浮かべていれば、驚いて二度見するような者もいるだろう。
「知らせたよ。父たちには再び大きな出現があったが、エディが例の力で鎮めたが、地下から再び湧きだすのは時間の問題だと。ニールデン卿にはとりあえずエディの力の事は伏せて小康状態とだけね」
「ありがとう。ところで王宮神殿の方はどうなっているのか、何か連絡が入っているかな?」
「カルロス様が封印される事を決めて神官たちを集めたとまでは連絡が来たよ」
即座にダニエルが答えた。
「やはり封印するのか。という事は魔物がかなり湧いているんだな。ジェイムズが魔素じゃ剣で戦いようがないってぼやいていたけれど、墓廟の方まで魔物がきているのかな」
「場所が三か所に分かれてしまっているから分散されるのも厳しいな」
「スタンリーの騎士と魔導騎士隊が追加されて、バーナードにも声をかけたみたいだな」
「封印すると決まるまでが長かったしね、それにしてもカルロス様とは言え一日に三箇所の封印はキツいだろうね」
「ああ。それにしてもエディの力がないのに、あの木を使って封印できたというのだからすごいね」
「妖精と取引したらしい。エディがね」
ぼそりとそう言ったダニエルにアルフレッドが苦い表情をうかべた。
「本当にあの子は突拍子もないところでやんちゃだよね。アルがこれからも振り回されるのが目に見えるようだけど、それもきっと楽しいんだろう?」
「勿論。と言いたいけれど、なるべく無茶はしてほしくないと思っているよ」
話をしながら三人は始点の後ろ辺りにしゃがみこんでいる一団を見た。
「……それにしても予想以上の力だったな」
ダニエルが呟くようにそう言った。
「ああ、まさかここにいた魔物たちを全てとは考えても見なかった。第二の方のアシュトンが何も言ってこないからそちらまでは届いていないと思うけれどね。あれをエディ一人がやったと分かれば、色々面倒な事が予想される。ここにいた騎士達のどれだけがエディの力に気付いたかな。おそらくは公的な報告にも上がるだろうね。もっともその前に鮮やかに囲い込む旦那がいるみたいだけど」
「囲い込むんじゃないよ。ただ、一緒に幸せになる。それだけだ」
「惚気だな」
「惚気だね」
「ふふふ、何とでも言ってくれ」
そう言ってアルフレッドがニヤリと笑った途端、彼らの元に書簡が届いた。
「ああ、大きな援護が来るよ。フィンレーとレイモンドが始点に向けて出発したそうだ。合計80名と各領主。先程のミッチェルの声に国王に詰め寄ったらしい。これで士気が上がるな」
マーティンはどこかホッとしたようにそう言った。
先程まで朱を滲ませていた空は、いつの間にかその中に藍色を加え始めていてる。もう少しすれば日が落ちる。夜が来る。
「とにかく、出来る限り次のスタンピードの始まりを遅らせる事を考えよう」
「ああ、そうだな。強化だけでなく結界をかけて強化をするのがいいかもしれない」
「扉の欠片と言うものが見つかってくれればすぐにでもそうしたいんだが……」
その瞬間、アルフレッドの言葉を聞いていたかのようにそちらから「ここだよ! これに間違いないよ!」という声があがった。
------------
ああ、なんか久しぶりに兄様ズを書いた感じ。ジェイムズいないけど(;^ω^)
そして惚気る兄様(#^.^#)
奇跡のような出来事から、徐々に次に起きる出来事に思いを巡らせて、第一隊の魔導騎士達は戦いの妨げにならないように、始点以外の魔物を与えられたマジックボックスに収納したり、傷の手当てや魔力回復をして備えたり、使っていた武具を点検したりと次の戦いのフィールドを整えていた。
始点で戦っていた第一隊90名はそのほとんどが怪我を負い、その内二十名ほどが聖神殿へと送られた。出現をした魔物の数を考えれば被害は少ないと言えるのかもしれない。けれど、神殿送りになった者以外に、命を落とした者も十数名いる。決して小さな被害ではない。
「……援護隊は来ないのだろうか」
「コートニーズから来ると言っていた援護はどうなっているのでしょうか」
「コートニーズだけではない。他の所だって出せる筈だ」
ポロポロと漏れ落ちる言葉。
騎士達も分かってはいた。北と南で首塚の封印を行っている事。そして北に黒竜が出現した事。モーリスのダンジョンもスタンピードを起こしている事。王宮神殿の地下にも首塚が発見され、魔物が現れている事。それらは彼等にもきちんと伝えられていた。
王国の中で一度に色々な事が起こりすぎている事も十分分かっているのだ。けれど駆けつけて来てくれた大きな戦力はレイモンドだけだ。そしてもうすぐ日が落ちる。このまま再びあの穴が開けられたら、おそらくは全滅だ。
「苦戦をしている事は伝えられている筈だ。魔物の数だってとても……」
「やめておけ。ポーションを飲んで備えよう。これが切れる事なくあるだけでも助かる」
「…………分かっている。でも欲しいのは戦力だ」
必死に戦っていた時は考えもしなかった事が、こうして身体を休めると自然に頭の中に浮かんできはじめる。
先ほど魔物を一掃したあれが、未だになんの力なのかは分からなかったが、助かったと喜んだからこそ、騎士としてはあるまじき恐れが湧き出していた。
そして恐れと疑心は影を呼ぶ。日が傾いて沈んでいくとそれは尚の事大きな影になっていく。
「震動の回数が増えている。もしかすると蓋が開かれるのは案外早いかもしれないな」
マーティンが囁くような声でそう言った。
「ああ、だが、もう一度エディに力を使わせるのは無理だ」
「本人が出来ると言ってもさせないよ」
ダニエルとアルフレッドもまた声を潜めて返す。
「それにしてもなんだか嫌な雰囲気だな。僅かな時間が出来ると考えなくていい事を考え出すのは人の悪い癖だ。極限状態からの解放が、あまり喜べないような形になっている」
ダニエルは辺りを見回して眉を寄せた。
「負の感情が大きくなると余計なものを寄せるからな」
そう。ここに魔素が湧き出したらまた面倒な事になる。
「…………ああ、そういえば」
アルフレッドは声を出して立ち上がり、騎士たちが休んでいる方へ向かった。そして持っていたマジックバックの中から、以前エディにもたれた簡易の食事を取り出した。時間経過のないバックなので良かった。
「持たされていた軽食です。全員ですと一つか二つくらいなりますが、少しポーション以外のものを口にしましょう。気分が変わります。父もワイバーンの討伐を任されていたそうですが、終われば駆けつけて来るでしょう。こちらのポーチに入っていますので今の内に」
「ありがとうございます。申し訳ございません」
「いえ、一緒に頑張りましょう」
「! はい」
アルフレッドが渡した軽食に周囲からもワッと嬉しそうな声が上がった。沢山食べてしまうとかえって動けなくなってしまうが、これくらいならば大丈夫だろう。エディには「ずっと持っていたんですか?」と叱られるかもしれないが、入れっぱなしになっていたものが思わぬところで役に立った。
そう思いつつアルフレッドはダニエル達の元へと戻りながら始点の裏側の方でしゃがみこんでいるエディたちを見つめた。何とかうまく扉を閉じる事が出来ればいい。ああして動いているが、その顔色はあまり良いものとは思えなった。もう一度あの加護の力を使わせる事は出来ないと改めて思う。
「アル、そんなに見つめているとエディに穴が開いちゃうよ?」
「マーティ、くだらない事を言うな。それよりも現状は知らせたのか?」
どこか楽し気なマーティンにアルフレッドは無表情に近い顔を向けて口を開いて冷めた口調でそう返した。最愛の弟が関わらない限りアルフレッドの通常はこんなものだ。にこやかに甘い表情など浮かべていれば、驚いて二度見するような者もいるだろう。
「知らせたよ。父たちには再び大きな出現があったが、エディが例の力で鎮めたが、地下から再び湧きだすのは時間の問題だと。ニールデン卿にはとりあえずエディの力の事は伏せて小康状態とだけね」
「ありがとう。ところで王宮神殿の方はどうなっているのか、何か連絡が入っているかな?」
「カルロス様が封印される事を決めて神官たちを集めたとまでは連絡が来たよ」
即座にダニエルが答えた。
「やはり封印するのか。という事は魔物がかなり湧いているんだな。ジェイムズが魔素じゃ剣で戦いようがないってぼやいていたけれど、墓廟の方まで魔物がきているのかな」
「場所が三か所に分かれてしまっているから分散されるのも厳しいな」
「スタンリーの騎士と魔導騎士隊が追加されて、バーナードにも声をかけたみたいだな」
「封印すると決まるまでが長かったしね、それにしてもカルロス様とは言え一日に三箇所の封印はキツいだろうね」
「ああ。それにしてもエディの力がないのに、あの木を使って封印できたというのだからすごいね」
「妖精と取引したらしい。エディがね」
ぼそりとそう言ったダニエルにアルフレッドが苦い表情をうかべた。
「本当にあの子は突拍子もないところでやんちゃだよね。アルがこれからも振り回されるのが目に見えるようだけど、それもきっと楽しいんだろう?」
「勿論。と言いたいけれど、なるべく無茶はしてほしくないと思っているよ」
話をしながら三人は始点の後ろ辺りにしゃがみこんでいる一団を見た。
「……それにしても予想以上の力だったな」
ダニエルが呟くようにそう言った。
「ああ、まさかここにいた魔物たちを全てとは考えても見なかった。第二の方のアシュトンが何も言ってこないからそちらまでは届いていないと思うけれどね。あれをエディ一人がやったと分かれば、色々面倒な事が予想される。ここにいた騎士達のどれだけがエディの力に気付いたかな。おそらくは公的な報告にも上がるだろうね。もっともその前に鮮やかに囲い込む旦那がいるみたいだけど」
「囲い込むんじゃないよ。ただ、一緒に幸せになる。それだけだ」
「惚気だな」
「惚気だね」
「ふふふ、何とでも言ってくれ」
そう言ってアルフレッドがニヤリと笑った途端、彼らの元に書簡が届いた。
「ああ、大きな援護が来るよ。フィンレーとレイモンドが始点に向けて出発したそうだ。合計80名と各領主。先程のミッチェルの声に国王に詰め寄ったらしい。これで士気が上がるな」
マーティンはどこかホッとしたようにそう言った。
先程まで朱を滲ませていた空は、いつの間にかその中に藍色を加え始めていてる。もう少しすれば日が落ちる。夜が来る。
「とにかく、出来る限り次のスタンピードの始まりを遅らせる事を考えよう」
「ああ、そうだな。強化だけでなく結界をかけて強化をするのがいいかもしれない」
「扉の欠片と言うものが見つかってくれればすぐにでもそうしたいんだが……」
その瞬間、アルフレッドの言葉を聞いていたかのようにそちらから「ここだよ! これに間違いないよ!」という声があがった。
------------
ああ、なんか久しぶりに兄様ズを書いた感じ。ジェイムズいないけど(;^ω^)
そして惚気る兄様(#^.^#)
383
お気に入りに追加
10,824
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。