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第一章 転生
16 さあ、食べ物を見つけよう
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「森の中に入ってもまたこの道に出てくることは出来るかな」
「はい。出来ます」
「じゃあ、少し森の中に入ってみよう。道沿いとは違うものがあるかもしれない」
魔法の練習も気になったけど、まずは食べられるものを探そうと俺とコパンは道を外れて森の中に入った。そして鑑定をフル活用して食料を確保していく。
だけど俺のレベル1の鑑定は、自分で言うのもなんだけどかなり大雑把だ。きちんとした名前も出ない。
「沢山鑑定をしていけばレベルが上がります」
コパンの言葉に励まされて俺は鑑定を繰り返した。
『食べられる草』『食べられない草』『食べられる草』『石ころ』『食べられる実』『食べられないキノコ』
食料に特化しているのはきっと今の状況のせいだろう。
ちなみにコパンの鑑定ではきちんと草の名前が出るらしい。ちょっと口惜しい。
「最初はそういうものです。頑張りましょう!」
そう言いながらコパンは食べられるものを自分の収納の中に入れていった。
俺もインベントリがあるんだけど、どれくらいの容量か分からないのでコパンに任せる事にした。
オレンジのような木の実。リンゴのような木の実、そして昨日は見かけなかったブドウのようなものも見つかった。果物ばかりではあまりお腹はいっぱいにはならないけれど、食べられるものがあるというだけでも安心感に繋がる。
「あ……」
「どうされましたか?
「鑑定に名前が出るようになった」
手の中にある実は『コケモモ 食用可』とポップアップがされていた。
ついでピロンとスマホが鳴る。
「鑑定のスキルがレベルアップしたんですね。おめでとうございます!」
「ありがとう」
どうやら俺自身のレベルが上がる時は昨日みたいな感覚があるみたいだけど、それぞれのスキルが上がった時はスマホが鳴ってレベルアップを知らせるくらいだと分かった。
「それにしても一々鑑定をかけないと、どういうものか分からないっていうのは結構大変だね。こう一遍にわーっと食べられるものだけをピックアップして表示されるようになったら便利なのにな」
そういえばサバイバルの本に食べられる植物や実の一覧表みたいなものがあったな。あれを覚えていれば少しは鑑定が進められるかな。あ、でも『サバイバル読本 これであなたも生き残る』は特殊アイテムって書いてあった気がする。それってどういう風に使うのかな。
「アラタ様、どうかされましたか?」
「あ、うん。ちょっと試してみたい事があってさ」
俺はデイパックの中から件の本を取り出した。
「アイテムっていうんだから、何かに使うんだよね。どういう使い方をすればいいんだろう」
取扱説明書のみたいなものがあればいいのだけれど、あいにくステータスの画面はそれを押しても何も表示されない。ようするに自分でみつけるか、そのレベルに到達されると自然に使い方が分かるようになるという仕組みなのかもしれない。
もしも本当に見つけられれば少し早くその力を使う事が出来るというのであれば、朝コパンが言っていたように女神は優しいけれど、少し意地悪なのかもしれないな、なんて思ってつい笑ってしまった。
「とりあえず見てみよう」
俺はサバイバル本を開いた。サバイバル本は気をつけないと虫のページがあるんだよね。しかも恐ろしい事に食べられる虫っていうのもあった気がする。食べない。どんなにお腹がすいても絶対に虫だけは食べない! それだけはどうしてもどうしてもどうしてもダメなんだ。
薄目のままパラパラと植物のページを探す。
「あった! 食べられる植物と実」
その瞬間、パァーッっと本が光った。
-----------
アイテム起動(ФωФ)フフフ・・・
「はい。出来ます」
「じゃあ、少し森の中に入ってみよう。道沿いとは違うものがあるかもしれない」
魔法の練習も気になったけど、まずは食べられるものを探そうと俺とコパンは道を外れて森の中に入った。そして鑑定をフル活用して食料を確保していく。
だけど俺のレベル1の鑑定は、自分で言うのもなんだけどかなり大雑把だ。きちんとした名前も出ない。
「沢山鑑定をしていけばレベルが上がります」
コパンの言葉に励まされて俺は鑑定を繰り返した。
『食べられる草』『食べられない草』『食べられる草』『石ころ』『食べられる実』『食べられないキノコ』
食料に特化しているのはきっと今の状況のせいだろう。
ちなみにコパンの鑑定ではきちんと草の名前が出るらしい。ちょっと口惜しい。
「最初はそういうものです。頑張りましょう!」
そう言いながらコパンは食べられるものを自分の収納の中に入れていった。
俺もインベントリがあるんだけど、どれくらいの容量か分からないのでコパンに任せる事にした。
オレンジのような木の実。リンゴのような木の実、そして昨日は見かけなかったブドウのようなものも見つかった。果物ばかりではあまりお腹はいっぱいにはならないけれど、食べられるものがあるというだけでも安心感に繋がる。
「あ……」
「どうされましたか?
「鑑定に名前が出るようになった」
手の中にある実は『コケモモ 食用可』とポップアップがされていた。
ついでピロンとスマホが鳴る。
「鑑定のスキルがレベルアップしたんですね。おめでとうございます!」
「ありがとう」
どうやら俺自身のレベルが上がる時は昨日みたいな感覚があるみたいだけど、それぞれのスキルが上がった時はスマホが鳴ってレベルアップを知らせるくらいだと分かった。
「それにしても一々鑑定をかけないと、どういうものか分からないっていうのは結構大変だね。こう一遍にわーっと食べられるものだけをピックアップして表示されるようになったら便利なのにな」
そういえばサバイバルの本に食べられる植物や実の一覧表みたいなものがあったな。あれを覚えていれば少しは鑑定が進められるかな。あ、でも『サバイバル読本 これであなたも生き残る』は特殊アイテムって書いてあった気がする。それってどういう風に使うのかな。
「アラタ様、どうかされましたか?」
「あ、うん。ちょっと試してみたい事があってさ」
俺はデイパックの中から件の本を取り出した。
「アイテムっていうんだから、何かに使うんだよね。どういう使い方をすればいいんだろう」
取扱説明書のみたいなものがあればいいのだけれど、あいにくステータスの画面はそれを押しても何も表示されない。ようするに自分でみつけるか、そのレベルに到達されると自然に使い方が分かるようになるという仕組みなのかもしれない。
もしも本当に見つけられれば少し早くその力を使う事が出来るというのであれば、朝コパンが言っていたように女神は優しいけれど、少し意地悪なのかもしれないな、なんて思ってつい笑ってしまった。
「とりあえず見てみよう」
俺はサバイバル本を開いた。サバイバル本は気をつけないと虫のページがあるんだよね。しかも恐ろしい事に食べられる虫っていうのもあった気がする。食べない。どんなにお腹がすいても絶対に虫だけは食べない! それだけはどうしてもどうしてもどうしてもダメなんだ。
薄目のままパラパラと植物のページを探す。
「あった! 食べられる植物と実」
その瞬間、パァーッっと本が光った。
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アイテム起動(ФωФ)フフフ・・・
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