どうも初めまして! 異種族通訳者のアリスと申します!

わさびもち

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金は自分で払いましょう

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 さて翌日。 昨夜の悲劇から立ち直った私は先日購入したハイカラな服に身を包んで、セシリアとアーチェさんのショッピングへと付き合っておりました。 ……え? ハイカラって死語なんですか???

『うーん。 私はもうこのお店で買いたいものはひとしきり買い終えたかな』
『よし!じゃああっちに行ってみようか!』
『……え? まだ行くんですか!?』
『当然!!ほれほれ!早く立って!!』
『……はい』

 王都程では無いものの……商売が特色の村と言うだけあって数多くのお店から活気づいた声が上がっておりました。 その空気にあてられてか、セシリアもアーチェさんも年相応の少女のような笑みでショッピングを楽しんでおりました。
 ……え? 私ですか? 私は先程から死んでから一年経った魚のような目をしてその光景を見守っております。
  
「ふむ……。 ここからここまでの魔法書を全部売ってくれ」
「……失礼ですがお客様? この魔法書は一冊一冊がかなりのお値段になるのですがお金の方は……」
「……ん? あぁそれは大丈夫だ。 これで足りるだろう?」

 ドスン、とセシリアが取り出したのは……なんというか見ただけでとんでもない金額だと分かる金貨の山。
 それをみた店員さんは一瞬にして顔を青くして、セシリアと金貨の山とに何度も視線を移しながらも魔法書を売り渡しました。 
 私とセシリアとの依頼金は山分けなので同程度のお金を持っているのはそうなんですが……私はあんなにお金を持っておりません。 セシリアの実家は大金持ちですから……恐らくそこら辺から持ってきているんでしょう。
 まぁセシリアのお金なのでどう使おうと別に文句はありませんが。

「ご苦労様。 釣りはいらないよ」

 ……前言撤回。 お釣りは回収してください。

『いや~セシリア。 セレブだねぇ~。 あ、アリスこれもおねがい』

 その様子をマジマジと見つめながら感嘆の声を漏らすアーチェさんが渡してきたのは綺麗な刺繍のハンカチでした。 ちなみにですがセシリアなんかよりよっぽど問題があるのがこのアーチェさんです。
 彼女……アーチェさんはハナから私に支払いを任せるつもりだったようで……お金をほとんど持っておりませんでした。
 この街に来る時も『私、あんまり手持ちないんだよね~』と言われた時から不穏なものを感じておりましたが……まぁ予想通り……でしたね。 くそくらえ。

《後書き》
長らく更新サボって申し訳ございません💦
今回はリハビリです
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