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うーん……一難去ってまた一難ですねぇ
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『……できたっ!』
『へぇ……もう少しかかると思ってたんだけど……やるじゃないアリスさん』
練習を初めてから早いもので既に一週間が経過した本日。
ついに……ついに私の踊りが完成しました!
指導員のニーナさんは惜しみのない拍手で私を祝福してくれています……。 あぁ……ここまで頑張ってよかった……。
『ふむ……やっぱりアリスは運動神経がいいようだね。 魔法はてんでダメだが……』
『魔法も運動神経も抜群のセシリアに言われてもねぇ……』
『ふふっ。 でも今回ばかりは私も骨が折れたよ?』
どこの骨が折れたんだよと、思わず突っ込みたくなるようなセシリアの発言でしたが今は機嫌がいいのでスルーしました。
「しかし……もう帰らないといけないんだよねぇ……」
「その通りだね。 いやぁ……もっとここの美味しいご飯を食べたかったよ」
各々で教わった振り付けで併せを行いながら話をする私たち。
既に胃袋を掴まれてしまっているのですエルフさん達の美味しい料理に。
そんな他愛もない話を続けながらも踊りをそつなくこなす私たち。 まぁ相手が指導員から私たちに変わっただけなのでさして違いはありませんし。
あとはセシリアのリードが上手ですね。 やっぱり才能の違いですよ。
さぁいよいよラストです。 くるくるーと回ってスタッ!
最後にビシッと決めポーズをする!
……よしっ! 綺麗に決まりました!
『おぉー! 本当に上手になりましたね……まさか一週間でマスターしてしまうとは』
『ふふんっ! どうですか!?』
『いやぁ……上手になりましたよ』
ドヤっと胸を張る私に嫌がる顔も見せずに褒めてくれるサロメさん。
この一週間は本当にこの人に褒められたおかげで耐え切ることができましたよ本当に。
『いやぁ……ありがとうございました。 また後日校長からお礼が届くはずですから……』
『あー!!!!! やっぱりあの人が好きだぁぁぁぁ!』
『『『……!?』』』
お礼を述べていた私たちとは別のところから聞こえてきた叫び声。
声のした方へ走っていくと……一人のエルフさんが泣き喚いておりました。
金髪をゆさゆさと揺らして蒼眼から涙を流す姿は美少女を想像させますが……今の残念すぎる姿ではそれを感じることが出来ませんでした。
『……ええと。 あなた大丈夫ですか?』
『人間? 人間がどうして私たちの言葉を?』
『あ。 ええと……私は異種族通訳者というものをやっておりまして……』
『通訳者!? ちょうど良かった! ねぇ! ちょっと手伝ってくれない!?』
『ひえっ!?』
いきなりガシッと肩を掴まれてビックリしました。
なっ……なんの用でしょうか?
『私の大好きな人間の人を振り向かせるために……手伝って欲しいの!』
『へぇ……もう少しかかると思ってたんだけど……やるじゃないアリスさん』
練習を初めてから早いもので既に一週間が経過した本日。
ついに……ついに私の踊りが完成しました!
指導員のニーナさんは惜しみのない拍手で私を祝福してくれています……。 あぁ……ここまで頑張ってよかった……。
『ふむ……やっぱりアリスは運動神経がいいようだね。 魔法はてんでダメだが……』
『魔法も運動神経も抜群のセシリアに言われてもねぇ……』
『ふふっ。 でも今回ばかりは私も骨が折れたよ?』
どこの骨が折れたんだよと、思わず突っ込みたくなるようなセシリアの発言でしたが今は機嫌がいいのでスルーしました。
「しかし……もう帰らないといけないんだよねぇ……」
「その通りだね。 いやぁ……もっとここの美味しいご飯を食べたかったよ」
各々で教わった振り付けで併せを行いながら話をする私たち。
既に胃袋を掴まれてしまっているのですエルフさん達の美味しい料理に。
そんな他愛もない話を続けながらも踊りをそつなくこなす私たち。 まぁ相手が指導員から私たちに変わっただけなのでさして違いはありませんし。
あとはセシリアのリードが上手ですね。 やっぱり才能の違いですよ。
さぁいよいよラストです。 くるくるーと回ってスタッ!
最後にビシッと決めポーズをする!
……よしっ! 綺麗に決まりました!
『おぉー! 本当に上手になりましたね……まさか一週間でマスターしてしまうとは』
『ふふんっ! どうですか!?』
『いやぁ……上手になりましたよ』
ドヤっと胸を張る私に嫌がる顔も見せずに褒めてくれるサロメさん。
この一週間は本当にこの人に褒められたおかげで耐え切ることができましたよ本当に。
『いやぁ……ありがとうございました。 また後日校長からお礼が届くはずですから……』
『あー!!!!! やっぱりあの人が好きだぁぁぁぁ!』
『『『……!?』』』
お礼を述べていた私たちとは別のところから聞こえてきた叫び声。
声のした方へ走っていくと……一人のエルフさんが泣き喚いておりました。
金髪をゆさゆさと揺らして蒼眼から涙を流す姿は美少女を想像させますが……今の残念すぎる姿ではそれを感じることが出来ませんでした。
『……ええと。 あなた大丈夫ですか?』
『人間? 人間がどうして私たちの言葉を?』
『あ。 ええと……私は異種族通訳者というものをやっておりまして……』
『通訳者!? ちょうど良かった! ねぇ! ちょっと手伝ってくれない!?』
『ひえっ!?』
いきなりガシッと肩を掴まれてビックリしました。
なっ……なんの用でしょうか?
『私の大好きな人間の人を振り向かせるために……手伝って欲しいの!』
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