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番外編
隣国の第3王子、悪役令嬢に惚れる
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「これは本当にルドガー大陸なのか⁉︎」
驚愕し呟く褐色の肌の美丈夫。そう、ギルである。ギルは第3王子であると共に、商会の取締役をしていた。今回は会長が行ってこいと命令されたため、ルドガー大陸にやってきたのだ。
「はぁ~スゲェなこりゃ。あの岩と砂だけの荒れ果てた土地とは思えねぇ」
「こんなに急成長するまで私達は誰も気づかなかったわけですよ。他の国々もこの大陸に注目しております。出遅れるわけにはいかないのです」
「確か株式会社ルノンとか言う商会の会長がこの土地を開発したんだよな?」
「ええ、地下水脈や、動力の元となる石油。鉱山を見つけたらしく……」
「そして、この土地は誰のものでもない」
「ですが、難癖をつけて乗っ取ろうとした国はことごとく最新のカラクリ兵器で倒されたのだとか」
それは俺も知っている。確か世界的にも影響力のある大国で、よく小さな国を難癖をつけては戦をしかけ、領土を広げていった国の1つでもある。そして、今回も国では無いものの、貴重な鉱山が見つかったと知って奪おうとでも思っていたのだろう。しかし、カラクリ兵器から飛んでくる巨大な石材に軍を乱され、弱ったところを追撃され呆気なく撤退していった。
「負けた国とは条約も結んでいるらしいからな……確か後3カ国ほど打ち負かして条約を結んでいるはず」
あと1カ国でも戦を仕掛け負ければ晴れてルドガー大陸は国として認められる。そう言う決まりなのだ。
「もしかしてそれを狙ってるとか? 面白れぇなぁ」
ニヤリとしたギルはこれから会う商会の会長に期待を寄せ、待ち合わせに指定されている場所へと向かったのだった。
○○○
やっと待ち合わせ場所についたギル達。髪をくしゃりとかきあげ、ギルはため息をつく。
「どんだけ広いんだ」
「あら、申し訳ありません。なにぶんバレないように都市を造っていたものですから」
「お前誰だ?」
独り言を呟いたはずなのに返ってきたことに疑問を感じたギルが横を見れば珍しいデザインのドレスを見に纏った美しい女性がニコニコしながらこちらを見ていた。そう、これがルリアとギルの出会いである。
ふーん、結構な美人さんじゃねえか。が、まだまだ小娘だな。
ジロジロと値踏みするようにルリアを眺めるギルに慌てたように一緒にいた職員が注意した。
「ギ、ギル様! こちらはあの株式会社ルノンの会長ですよ! 申し訳ありません」
「うふふ、いいのです。私がこっそり来てしまったのがそもそもいけないのですから。改めまして、私はこの株式会社ルリアを経営しているルリアと申します」
「ほぉ~、アンタが……俺はギルだ。今回は会長の代理でこちらに来させてもらった。失礼な振る舞いをしてしまい申し訳ない」
「ふふ、じゃあ商談の時にでも借りを返してもらおうかしら?」
楽しそうにそう話すルリアにギルは内心舌を巻く。
こりゃあ大物だな。この俺の名前を知っていてこの対応……さっきはただの小娘かと思ったが訂正する必要がありそうだ。
「お手柔らかに頼む」
ニヤリとして言い返せば、「ふふふ、冗談ですよ」と楽しそうに返された。
そして、交渉の場でギルはまだまだルリアを甘く見ていたことを身をもって実感する。自分が冗談だと思っていたことが本当だったのだ。それは、ルリアは建国することを考えていたということだ。
「なんで俺に話す?」
「あなたは第3王子でしょう? 正直にいえば、あなたの国ならここから近いし、1番資源の調達が楽なのよ。あなたの国は有り余ったている木の提供先が増え、技術も少し分けてもらえる。ねぇ、こんな良い条件を他の国に渡したくないのではなくって?」
挑発するようにこちらを見てくるルリアの美しい姿、そして賢さにギルは惚れた。
絶対コイツを手に入れてやる……
「ああ、いいぜ? 俺がお父様を説得してやる。そのかわり、俺への報酬は金貨じゃなくてお前だ。成功したらお前を嫁にもらう」
「は?」
ニヤリとして言えば、ルリアは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になった。
「金貨の方が断然使い道がありますよ? しかも私が勝手に思っているだけかもしれませんが貴方は王族のように縛られた生き方をするのがお嫌いそうにお見受けいたしますが……」
ルリアの見解は合っている。だが、自分はそんなちっぽけなわがままで獲物を逃したりなどしない。
「いや? そうでもないぞ。女1人だとこの先いくら軍事力が強くても舐められるだろう? 俺がついた方がいいんじゃないかってね」
「はぁ……私的にも婿探しはしなければいけなかったのですが……分かりました。しかし、まだこの話は無理です。ひとまず金貨を前払いとして渡しておきます」
こうして一旦商談? は終わった。この後、ギルがルリアが王国の公爵令嬢で王子の婚約者ということを知って、ますますルリアを手に入れる決心を固くする。
あの王国の王子といえばポンコツじゃないか。バカではないがアホだった気がする。なら勝てるな……ニヤリと笑うギルはさながら肉食獣である。ルリアが猛獣に捕まるまでのカウントダウンはこうして始まったのであった。
この後ギルが、思った以上にぶっ飛んだ思考のルリアに色々振り回されて、情けなく白旗を上げた後に結婚してもらえたのはまた別のお話。
……………………………………………………………………
ーーあー、やっと俺の手に入った。可愛い可愛い俺の嫁……ーー
花嫁衣装を着て真っ赤になって照れているルリアを眺めながらギルはペロリと下唇を舐めた。まるで獲物を捕まえた猛獣のように……
……………………………………………………………………
驚愕し呟く褐色の肌の美丈夫。そう、ギルである。ギルは第3王子であると共に、商会の取締役をしていた。今回は会長が行ってこいと命令されたため、ルドガー大陸にやってきたのだ。
「はぁ~スゲェなこりゃ。あの岩と砂だけの荒れ果てた土地とは思えねぇ」
「こんなに急成長するまで私達は誰も気づかなかったわけですよ。他の国々もこの大陸に注目しております。出遅れるわけにはいかないのです」
「確か株式会社ルノンとか言う商会の会長がこの土地を開発したんだよな?」
「ええ、地下水脈や、動力の元となる石油。鉱山を見つけたらしく……」
「そして、この土地は誰のものでもない」
「ですが、難癖をつけて乗っ取ろうとした国はことごとく最新のカラクリ兵器で倒されたのだとか」
それは俺も知っている。確か世界的にも影響力のある大国で、よく小さな国を難癖をつけては戦をしかけ、領土を広げていった国の1つでもある。そして、今回も国では無いものの、貴重な鉱山が見つかったと知って奪おうとでも思っていたのだろう。しかし、カラクリ兵器から飛んでくる巨大な石材に軍を乱され、弱ったところを追撃され呆気なく撤退していった。
「負けた国とは条約も結んでいるらしいからな……確か後3カ国ほど打ち負かして条約を結んでいるはず」
あと1カ国でも戦を仕掛け負ければ晴れてルドガー大陸は国として認められる。そう言う決まりなのだ。
「もしかしてそれを狙ってるとか? 面白れぇなぁ」
ニヤリとしたギルはこれから会う商会の会長に期待を寄せ、待ち合わせに指定されている場所へと向かったのだった。
○○○
やっと待ち合わせ場所についたギル達。髪をくしゃりとかきあげ、ギルはため息をつく。
「どんだけ広いんだ」
「あら、申し訳ありません。なにぶんバレないように都市を造っていたものですから」
「お前誰だ?」
独り言を呟いたはずなのに返ってきたことに疑問を感じたギルが横を見れば珍しいデザインのドレスを見に纏った美しい女性がニコニコしながらこちらを見ていた。そう、これがルリアとギルの出会いである。
ふーん、結構な美人さんじゃねえか。が、まだまだ小娘だな。
ジロジロと値踏みするようにルリアを眺めるギルに慌てたように一緒にいた職員が注意した。
「ギ、ギル様! こちらはあの株式会社ルノンの会長ですよ! 申し訳ありません」
「うふふ、いいのです。私がこっそり来てしまったのがそもそもいけないのですから。改めまして、私はこの株式会社ルリアを経営しているルリアと申します」
「ほぉ~、アンタが……俺はギルだ。今回は会長の代理でこちらに来させてもらった。失礼な振る舞いをしてしまい申し訳ない」
「ふふ、じゃあ商談の時にでも借りを返してもらおうかしら?」
楽しそうにそう話すルリアにギルは内心舌を巻く。
こりゃあ大物だな。この俺の名前を知っていてこの対応……さっきはただの小娘かと思ったが訂正する必要がありそうだ。
「お手柔らかに頼む」
ニヤリとして言い返せば、「ふふふ、冗談ですよ」と楽しそうに返された。
そして、交渉の場でギルはまだまだルリアを甘く見ていたことを身をもって実感する。自分が冗談だと思っていたことが本当だったのだ。それは、ルリアは建国することを考えていたということだ。
「なんで俺に話す?」
「あなたは第3王子でしょう? 正直にいえば、あなたの国ならここから近いし、1番資源の調達が楽なのよ。あなたの国は有り余ったている木の提供先が増え、技術も少し分けてもらえる。ねぇ、こんな良い条件を他の国に渡したくないのではなくって?」
挑発するようにこちらを見てくるルリアの美しい姿、そして賢さにギルは惚れた。
絶対コイツを手に入れてやる……
「ああ、いいぜ? 俺がお父様を説得してやる。そのかわり、俺への報酬は金貨じゃなくてお前だ。成功したらお前を嫁にもらう」
「は?」
ニヤリとして言えば、ルリアは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になった。
「金貨の方が断然使い道がありますよ? しかも私が勝手に思っているだけかもしれませんが貴方は王族のように縛られた生き方をするのがお嫌いそうにお見受けいたしますが……」
ルリアの見解は合っている。だが、自分はそんなちっぽけなわがままで獲物を逃したりなどしない。
「いや? そうでもないぞ。女1人だとこの先いくら軍事力が強くても舐められるだろう? 俺がついた方がいいんじゃないかってね」
「はぁ……私的にも婿探しはしなければいけなかったのですが……分かりました。しかし、まだこの話は無理です。ひとまず金貨を前払いとして渡しておきます」
こうして一旦商談? は終わった。この後、ギルがルリアが王国の公爵令嬢で王子の婚約者ということを知って、ますますルリアを手に入れる決心を固くする。
あの王国の王子といえばポンコツじゃないか。バカではないがアホだった気がする。なら勝てるな……ニヤリと笑うギルはさながら肉食獣である。ルリアが猛獣に捕まるまでのカウントダウンはこうして始まったのであった。
この後ギルが、思った以上にぶっ飛んだ思考のルリアに色々振り回されて、情けなく白旗を上げた後に結婚してもらえたのはまた別のお話。
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ーーあー、やっと俺の手に入った。可愛い可愛い俺の嫁……ーー
花嫁衣装を着て真っ赤になって照れているルリアを眺めながらギルはペロリと下唇を舐めた。まるで獲物を捕まえた猛獣のように……
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