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間抜けな兎
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私は腐女子だった。そりゃあもう。ええ、腐女子極めまくってました。
最初の出会いは高校の春。クラスの数人の女子達が騒いでいたので興味本位で聞き耳を立てていた時だった。『○○×✖︎✖︎ヤバくない』この単語が耳に入ってきたんです。そして、私は調べました。×とはなんなのか⁉︎ と。出てきたのはBLと呼ばれる種類の漫画でした。そこからですね、ハマったのは。
「ねー! あそこの男子怪しくない⁉︎」
「あー! 私も怪しいと思ってた‼︎」
「え、腕組んでんじゃん‼︎ 見てよ、ヤバイヤバイ‼︎」
「きゃー!」
もともと女子が少なく男子が多い学校だったこともあり、創作活動及び腐女子達と交流を高めるのはとても捗りました。
そして、現実でも創作は捗るのですがそれ以上に捗るのが2次元なのです‼︎ BLを主題としていなくても私達はそれを捻じ曲げてBLに持っていける‼︎ ええ、漫画の世界を勝手にBLにして同人誌を作り始めたのですよ。それは売れに売れまして、うれしい悲鳴が上がったものです。
なのにーー
この世界にはありませんが、車というカラクリがありましてですね、はい。それに見事に轢かれたんです。あ、私が悪いんですよ? お酒飲みながら歩いてたんですからそりゃあもう千鳥足? あー、まあ平衡感覚が無くなってフラフラしちゃう感じですかね。痛くはなかったですよ。酔いすぎてたんでね。
だから……
「俺の上に乗るなぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「なんだ、いきなり喚くんじゃない」
「うっせーー!この変態教師‼︎ BLは見るのが楽しいんであって実際やられるのはお断りなんだよ‼︎ つーか、俺ってモブなんですけど⁉︎ さっさとヒロイン候補の可愛い奴の方に行けよ‼︎」
「おまえ……仮にも良家の長男だろう? しかも、お前のその容姿なら汚い口調は合わんぞ?」
「ぁあ"? なんか言ったか? この変態‼︎ ここから出せよ! 俺は今を満喫してるの! BLを観察するのが俺の楽しみなの! 邪魔すんじゃねぇーよ!」
私は何故か男に襲われていた。奴は前世でいう無気力系チャラ男。私の好み(創作する上での)ではないから放っておいたら何故か空き教室に連れ込まれてこのざまだ。最悪としか言いようがない。
しかも、だ! お前教師だろ!
ーー秋斗side (無気力系チャラ男 by那央斗)
「クソっ!どけよこの野郎‼︎」そう言って汚い暴言を吐きながら俺の下で暴れている男子生徒は那央斗だ。
一見すれば目を見張るほどの美しい容姿である。そして、俺のことを教師と思っているらしい。確かに教師の真似事をしているが実際はこの学園の理事長だ。
コイツを見つけたのは今年の春だった。
『……では、これからも勉学に励んでいきましょう』
ニコリと麗しい笑みを浮かべて壇上で生徒代表の挨拶を行う那央斗。その時はただ見目の良い男子生徒としか思わなかった。まあ、本音を言えばつまらない奴ぐらいだった気がする。
しかし、そんな俺の印象を覆すような出来事がその3日後に起こった。
『おーーーーーー! いいよいいよ、そのまま! ナイスぅーーーー‼︎ まって、君はネコだったのね! うわ、その発想は無かった‼︎ いや、待てよ? うん、アリかも……』
見つけたのはなんとなく外を見ていたらコソコソと物陰に隠れて何かしている男子生徒がいたから。ちょっと面白そうだと思って見てみたらソイツは那央斗だった。
つまらない生徒のはずの那央斗が、何故かメモを片手凄い形相で何かを見ていたのだ。
攻めやら受けやら知らない単語ばかりだったが、何か重大なことを見つけたかのように真剣そのものの表情で、それがとても大切なのはよく分かった。
そろりと視線の先を見てみれば空いた口が塞がらない。なんと、男同士でキスをしていたのだ。
我に帰り、もう1度那央斗の方を見れば興奮した様子でキスの様子をメモしている。……興奮のあまり、涎も垂れていた。そこからだ、俺があいつに興味を持ったのは。
なんだこの変な生き物は……?
那央斗の行動は観察してみればとても面白かった。一応俺以外にバレた奴は居ないみたいだが、何故あんなにも目立たないように行動できるのかが逆に疑問だった。ちょこちょこと嗅ぎ回る姿はまるで小動物そのもの。
そして、どうやら男同士のアレコレに興味があるらしい。
最初は興味がなかった俺も、あいつを見てから少し興味が湧いて来た。
『うへへへへへ……豊作豊作ぅ!』
相変わらず黙っていれば綺麗な筈の顔面をニマニマと崩しながら観察している那央斗。アイツ、もしかしてあっち系の奴なのか?
段々と興味が湧いて来る中、ある日俺は、那央斗に向けてギラギラとした欲望の目を向けている生徒を見た。那央斗の本当の姿を見なければ見目麗しい品行方正な生徒会長だ。女顔でもあるから狙われるのもしょうがない。
しかし、しょうがないとはいえ何故か釈然としなかった。
ふと思い返してみて、納得する。ああ、コイツは俺の獲物だからだ。前から目をつけていたんだ、横取りされるなんて許さない。
そう思って俺は行動に移した。まぁ、アイツに惚れていたのもあったんだが……そしてその結果が冒頭部分に戻る。
未だに諦めずに俺から逃れようと暴れる那央斗だったが、流石に疲れたのか抵抗も弱々しくなっていた。
「クソッ! 離せよ! お前は可愛い男の尻追っかけとけばいいんだ! 俺がじっくり観察してやるからよぉ‼︎」
「おま、それはちょっと下品だぞ?」
抱きしめてみて分かったが、コイツはとても華奢だった。学園の制服であるローブを見に纏っているお陰で分からなかったがなるほどーー
「ちぃせぇなあ」
「うるせぇ! 変態! レイプ魔‼︎ そこは言うなよ‼︎」
思わず口に出てしまった言葉に過剰反応してより手足をジタバタさせる生徒会長。どうやらコンプレックスだったらしい。激しくブンブンと振られる小さな頭を上から見ていると、とても面白い。時々髪の間から覗く涙目の顔も結構そそる。
「ダメだ。もう我慢できねぇ」
「は? おい⁉︎ やめろって‼︎ 変態!」
この日、俺は大いに満足した。那央斗の身体は素晴らしかったとだけ言っておこう。捕まえた、もう一生逃がさねぇよ。那央斗。
ーー
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!』
空き教室に響き渡る私の悲鳴。今でも蘇る悪夢……
ケツの痛みは安定の痛さ……神様、仏様……私は何か悪いことでもしましたでしょうか?
そう、私は空き教室で変態教師に喰われた。現実と妄想は違うと言うけれどその通りだ。気持ちよくなる兆しなんて1つもない。
彼奴は体力バカなのか何度もヤリやがる。私はその度に悲鳴を上げた。文字通り鬼畜。絶倫。骨の髄まで貪り喰らわれた。
『すげぇ良かった。またシような? 拒否すんなよ? お前が覗き魔だってことバラされたくなかったらなぁ? お前はもう俺のものだ。じゃあな、子猫ちゃん?』
べろりと力の抜けた私の首筋に舌を這わせ、ギラギラと不穏な色を灯した瞳を向けられ、背筋がゾクッとなる。ヒラヒラと手を振りながら出ていく姿に私は100発ほどエアー弾丸を打ち込んだ。
「つーかよ、アレを地で言うとか……ナルシスト……は、ははっ。あはははははっ」
ヒーヒーと引き攣ったように息をしながら私はバカ笑いをした。だってあんな寒いセリフ誰が言えるかってんだ‼︎
「それに俺は男だ! 前世は女だったとしても今は男だと割り切ってんだ‼︎ 子猫ちゃんじゃねぇぇぇぇぇ‼︎ 今に見てろこの野郎! 俺をレイプした罪は重い」
ガラリと扉を開け、私は痛む腰に鞭を打って、薄暗くなった教室から走って出て行った。アイツに一泡吹かせてやると! 男だから今日のことは涙をのんで水に流してやる。だが、迷惑料だけは譲れねぇ1発食らわしてやる!
"俺のバージン返せ‼︎"
その後、やり返しを計画していた那央斗は早々と秋斗に捕まり、たっぷりお仕置きをされたそうだ。
『やめろぉぉぉぉぉぉお‼︎』
『うん? お仕置きだろ? 元気そうだなぁ、もういっちょヤるか?』
『いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!』
【とりあえずまぁ、めでたしめでたし?】
最初の出会いは高校の春。クラスの数人の女子達が騒いでいたので興味本位で聞き耳を立てていた時だった。『○○×✖︎✖︎ヤバくない』この単語が耳に入ってきたんです。そして、私は調べました。×とはなんなのか⁉︎ と。出てきたのはBLと呼ばれる種類の漫画でした。そこからですね、ハマったのは。
「ねー! あそこの男子怪しくない⁉︎」
「あー! 私も怪しいと思ってた‼︎」
「え、腕組んでんじゃん‼︎ 見てよ、ヤバイヤバイ‼︎」
「きゃー!」
もともと女子が少なく男子が多い学校だったこともあり、創作活動及び腐女子達と交流を高めるのはとても捗りました。
そして、現実でも創作は捗るのですがそれ以上に捗るのが2次元なのです‼︎ BLを主題としていなくても私達はそれを捻じ曲げてBLに持っていける‼︎ ええ、漫画の世界を勝手にBLにして同人誌を作り始めたのですよ。それは売れに売れまして、うれしい悲鳴が上がったものです。
なのにーー
この世界にはありませんが、車というカラクリがありましてですね、はい。それに見事に轢かれたんです。あ、私が悪いんですよ? お酒飲みながら歩いてたんですからそりゃあもう千鳥足? あー、まあ平衡感覚が無くなってフラフラしちゃう感じですかね。痛くはなかったですよ。酔いすぎてたんでね。
だから……
「俺の上に乗るなぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「なんだ、いきなり喚くんじゃない」
「うっせーー!この変態教師‼︎ BLは見るのが楽しいんであって実際やられるのはお断りなんだよ‼︎ つーか、俺ってモブなんですけど⁉︎ さっさとヒロイン候補の可愛い奴の方に行けよ‼︎」
「おまえ……仮にも良家の長男だろう? しかも、お前のその容姿なら汚い口調は合わんぞ?」
「ぁあ"? なんか言ったか? この変態‼︎ ここから出せよ! 俺は今を満喫してるの! BLを観察するのが俺の楽しみなの! 邪魔すんじゃねぇーよ!」
私は何故か男に襲われていた。奴は前世でいう無気力系チャラ男。私の好み(創作する上での)ではないから放っておいたら何故か空き教室に連れ込まれてこのざまだ。最悪としか言いようがない。
しかも、だ! お前教師だろ!
ーー秋斗side (無気力系チャラ男 by那央斗)
「クソっ!どけよこの野郎‼︎」そう言って汚い暴言を吐きながら俺の下で暴れている男子生徒は那央斗だ。
一見すれば目を見張るほどの美しい容姿である。そして、俺のことを教師と思っているらしい。確かに教師の真似事をしているが実際はこの学園の理事長だ。
コイツを見つけたのは今年の春だった。
『……では、これからも勉学に励んでいきましょう』
ニコリと麗しい笑みを浮かべて壇上で生徒代表の挨拶を行う那央斗。その時はただ見目の良い男子生徒としか思わなかった。まあ、本音を言えばつまらない奴ぐらいだった気がする。
しかし、そんな俺の印象を覆すような出来事がその3日後に起こった。
『おーーーーーー! いいよいいよ、そのまま! ナイスぅーーーー‼︎ まって、君はネコだったのね! うわ、その発想は無かった‼︎ いや、待てよ? うん、アリかも……』
見つけたのはなんとなく外を見ていたらコソコソと物陰に隠れて何かしている男子生徒がいたから。ちょっと面白そうだと思って見てみたらソイツは那央斗だった。
つまらない生徒のはずの那央斗が、何故かメモを片手凄い形相で何かを見ていたのだ。
攻めやら受けやら知らない単語ばかりだったが、何か重大なことを見つけたかのように真剣そのものの表情で、それがとても大切なのはよく分かった。
そろりと視線の先を見てみれば空いた口が塞がらない。なんと、男同士でキスをしていたのだ。
我に帰り、もう1度那央斗の方を見れば興奮した様子でキスの様子をメモしている。……興奮のあまり、涎も垂れていた。そこからだ、俺があいつに興味を持ったのは。
なんだこの変な生き物は……?
那央斗の行動は観察してみればとても面白かった。一応俺以外にバレた奴は居ないみたいだが、何故あんなにも目立たないように行動できるのかが逆に疑問だった。ちょこちょこと嗅ぎ回る姿はまるで小動物そのもの。
そして、どうやら男同士のアレコレに興味があるらしい。
最初は興味がなかった俺も、あいつを見てから少し興味が湧いて来た。
『うへへへへへ……豊作豊作ぅ!』
相変わらず黙っていれば綺麗な筈の顔面をニマニマと崩しながら観察している那央斗。アイツ、もしかしてあっち系の奴なのか?
段々と興味が湧いて来る中、ある日俺は、那央斗に向けてギラギラとした欲望の目を向けている生徒を見た。那央斗の本当の姿を見なければ見目麗しい品行方正な生徒会長だ。女顔でもあるから狙われるのもしょうがない。
しかし、しょうがないとはいえ何故か釈然としなかった。
ふと思い返してみて、納得する。ああ、コイツは俺の獲物だからだ。前から目をつけていたんだ、横取りされるなんて許さない。
そう思って俺は行動に移した。まぁ、アイツに惚れていたのもあったんだが……そしてその結果が冒頭部分に戻る。
未だに諦めずに俺から逃れようと暴れる那央斗だったが、流石に疲れたのか抵抗も弱々しくなっていた。
「クソッ! 離せよ! お前は可愛い男の尻追っかけとけばいいんだ! 俺がじっくり観察してやるからよぉ‼︎」
「おま、それはちょっと下品だぞ?」
抱きしめてみて分かったが、コイツはとても華奢だった。学園の制服であるローブを見に纏っているお陰で分からなかったがなるほどーー
「ちぃせぇなあ」
「うるせぇ! 変態! レイプ魔‼︎ そこは言うなよ‼︎」
思わず口に出てしまった言葉に過剰反応してより手足をジタバタさせる生徒会長。どうやらコンプレックスだったらしい。激しくブンブンと振られる小さな頭を上から見ていると、とても面白い。時々髪の間から覗く涙目の顔も結構そそる。
「ダメだ。もう我慢できねぇ」
「は? おい⁉︎ やめろって‼︎ 変態!」
この日、俺は大いに満足した。那央斗の身体は素晴らしかったとだけ言っておこう。捕まえた、もう一生逃がさねぇよ。那央斗。
ーー
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!』
空き教室に響き渡る私の悲鳴。今でも蘇る悪夢……
ケツの痛みは安定の痛さ……神様、仏様……私は何か悪いことでもしましたでしょうか?
そう、私は空き教室で変態教師に喰われた。現実と妄想は違うと言うけれどその通りだ。気持ちよくなる兆しなんて1つもない。
彼奴は体力バカなのか何度もヤリやがる。私はその度に悲鳴を上げた。文字通り鬼畜。絶倫。骨の髄まで貪り喰らわれた。
『すげぇ良かった。またシような? 拒否すんなよ? お前が覗き魔だってことバラされたくなかったらなぁ? お前はもう俺のものだ。じゃあな、子猫ちゃん?』
べろりと力の抜けた私の首筋に舌を這わせ、ギラギラと不穏な色を灯した瞳を向けられ、背筋がゾクッとなる。ヒラヒラと手を振りながら出ていく姿に私は100発ほどエアー弾丸を打ち込んだ。
「つーかよ、アレを地で言うとか……ナルシスト……は、ははっ。あはははははっ」
ヒーヒーと引き攣ったように息をしながら私はバカ笑いをした。だってあんな寒いセリフ誰が言えるかってんだ‼︎
「それに俺は男だ! 前世は女だったとしても今は男だと割り切ってんだ‼︎ 子猫ちゃんじゃねぇぇぇぇぇ‼︎ 今に見てろこの野郎! 俺をレイプした罪は重い」
ガラリと扉を開け、私は痛む腰に鞭を打って、薄暗くなった教室から走って出て行った。アイツに一泡吹かせてやると! 男だから今日のことは涙をのんで水に流してやる。だが、迷惑料だけは譲れねぇ1発食らわしてやる!
"俺のバージン返せ‼︎"
その後、やり返しを計画していた那央斗は早々と秋斗に捕まり、たっぷりお仕置きをされたそうだ。
『やめろぉぉぉぉぉぉお‼︎』
『うん? お仕置きだろ? 元気そうだなぁ、もういっちょヤるか?』
『いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!』
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