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「それで? 何故ここに失われし技術で作られた木があるのだ?」
ビキッと青筋を立てながら、私達に聞いてくる職人さん。
「ちょっと、ヤバいかな?」
「いや、ヤバいってどころじゃないですって」
「リン様と一緒にいると、私の感覚もおかしくなってしまったようです」
コソコソと3人で話す。
「これは王にまず言わなければならない程の代物なのだぞ? 一体どこの遺跡から持ってきた? こんなに状態のいいものは初めてだ!」
出来立てほやほやです、とは言えない。
「ま、王様に会えるんだったらいっか」
「こんな簡単にいって大丈夫なんですか?」
「俺もそこが1番心配です」
心配性の2人を宥め、フードを被ったまま職人さんに話しかける。
「すみません、私達は田舎から出てきたものでよく分からなかったんです。どうすれば王様に会えますか?」
しばらく考えるそぶりを見せた職人さんが、ゆっくりと口を開く。
「ならばワシが王に繋いでやる。お前達は幸運だったな。ワシの店はこの国の王の御用達の店なんだ。ウソかどうかは王に見定めて貰えばいい」
うん、知ってた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、一旦外に出て使いが来るのを待つ。
「まさかのドンピシャですね」
「リン様は分かってらしたんですか?」
オリビアとトワがびっくりしたように聞いてくるが、私はにこりと笑って濁した。
逆行前、冒険者として活躍していたときにここの職人さんとは顔見知りだったのだ。武器の調達なんかもここでお世話になっていた。その時に職人さんの自慢話として、王家御用達と知ったのだ。
上手くいくかは分からなかったけど、やればなんとかなるもんだ。
「おい、行くぞ」
どうやら連絡をしたらしい職人さんが声をかけてくる。他所行きの服装だった。
「もし職人さんがこの木を買い取るとしたら何円くらいで買い取りますか?」
城に行くつい途中、何気なく質問する。
「んん、そうだなぁ。金があれば金貨1枚でその木1本を買い取るだろうな」
「うわぁ、そんなに高価だったんですね」
「おうよ」と返事をくれる職人さん。
木は全部で200本ほど持ってきていた。売ればこの国の下級貴族並みの生活が半月ほど遅れるだろう。農民であれば、下手すれば一生遊んで暮らせるお金が手に入る。
どちらにしろ、高価すぎて買い取るのは貴族ぐらいしかいないだろうと予想ができた。
○○○
すっかり打ち解け、「頑張ってこいよー」と手を振りながら私たちを見送ってくれた職人さんと別れ、城に入場する。
荷物を預け、王の待つ部屋まで通された。
「そちらがあの木を売りにきた者たちか……よく来たな」
中に入ると、すでに王は椅子に座っており慌てて床に膝をつく。
オリビアとトワも事前に話していたので、私の真似をして膝をついていた。
「ふむ、作法は完璧じゃな。して、そのフードは取ってくれんのかの?」
来たか! と思うが、それも事前に3人で話し合っておいた。ここは素直に取ろうと。
「いえ、とりましょう」
パサッと音を立てて深く被っていたフードが落ちる。
「なんと? 魔物……」
トワを見て、驚きで固まってしまった王に私がそっと声をかける。
「説明してもよろしいでしょうか?」
「う、うむ。取り乱してすまない」
まあ、予想はできていたけどね。
「ありがたき幸せ。私達は魔物ではございません。亜人といえばよろしいのでしょうか? このツノは酒呑童子という種族の特徴なのです」
新種族だけどね、とは言わない。
「ではそちらの髪色は? ツノで驚いたのもあるが、お前達の髪色は神話にしか出てこない髪色だ」
王に、問われ「へ?」と返事をするオリビア。まさか自分もだとは思っていなかったのだろう。ガレア王国では私が聖女だということを知っていながら隠していたので騒がれなかっただけのようだ。
「黒髪の彼女は大聖女です。そして、私は魔聖亜族というらしいです」
自分が進化した種族の名前が難しくて、ステータスを開いて読み上げる。
「いま、なんと?」
「黒髪の彼女は大聖女で、私は魔聖亜族らしいです。私の場合は大聖女から進化しました」
そういうと、王がフゥッとため息を吐き、頭に手をやる。頭痛がするようだ。
大丈夫だろうかと様子見していると、何かを決意したように王が頭から手を退けた。
「聖教会へ……」
「あ、それはダメです。それに彼女は大聖女なので報告しなくてもいいはずですよね?」
「それは屁理屈じゃろうが……もうよい。儂の鑑定機で測らせてもらったからツノのある奴はA級、黒髪の美女はS級、お主に至っては測定不能と出たもんだ。儂がどうこうできる相手じゃない。厄介者を連れてきよって……」
ブツブツと文句をいう王は、猫を被るのが疲れたようで素で文句を言っている。
「あの、それで提案なんですが……」
「なんじゃ? 儂の国は確かに国力はある。そこらの大国にも負けておらん。脅すならお引き取り願おう」
勘違いしている王に慌てて弁解する。
「いえ、違うんです。鉄鋼朴を買い取っていただきたくて……」
「あぁ、あの木をか……いや、儂としても欲しい。が……」
渋る王に提案をする。
「この国にだけ卸します。継続で卸せます。今なら10本で金貨5枚です。半額にします」
「はぁ? そんなバカなことが……」
そう言ってハッとしたように私を見る王。
「まさか……!」
「ええ、作れるんです。まあ、こんなに格安にするのはもう一つ。のんでいただきたい案件があるからなのですが」
いけるかな?
「ククククク……あっはっはっはっはっは! その、のんで欲しい案件とは聖教会を敵に回せということかな?」
王がいきなり笑い出した。
「え、いや、敵に回せまでは言いませんけど」
「ではなんだ? 黙っておれと?」
こくっと頷く。
私は神聖水のことを諦めていなかった。どーしても私の国の特産品として売りに出したかったのだ。
「無理だ。聖教会に黙っておることはできない」
顔を厳しくした王に私はがっくりする。
「そうですか……」
「私は聖教会を騙し切るほど器用ではない。最近煩くなってきてなぁ。儂は聖教会を敵に回すぞ? どうだ、儂と手を組むか?」
ハッと王を見れば、悪戯が成功したようなそんな顔していた。
「大聖女がおるならば怖くはない。それに鑑定機で測定不能と出たお主もおるしな。もしや、国を創ろうとしておるのか?」
その言葉に、私より先にオリビアが頷いた。
「そうだ。魔の森に拠点を構えている」
トワがすかさず発言した。
「なんと、そうであったか。魔の森に……それなら知らぬ種族がいても不思議ではないな。あいわかった。儂はお主らの国を認めよう。取引成立といこうではないか」
こうして、私達は国としての第一歩を踏み出した。王に通信用の道具を渡される。
「これで、来る時は連絡を入れなさい」と言うことらしい。金貨が入った袋と共に、私達は転移してみんなのいる魔の森へ帰ったのだった。
ちなみに同盟を結ぶ際、国名を決めてくれと言われたので"神聖魔和国"とした。とりあえず思いついたモノを並べた感じだ。王に呆れられたが、決めたので押し通した。
ビキッと青筋を立てながら、私達に聞いてくる職人さん。
「ちょっと、ヤバいかな?」
「いや、ヤバいってどころじゃないですって」
「リン様と一緒にいると、私の感覚もおかしくなってしまったようです」
コソコソと3人で話す。
「これは王にまず言わなければならない程の代物なのだぞ? 一体どこの遺跡から持ってきた? こんなに状態のいいものは初めてだ!」
出来立てほやほやです、とは言えない。
「ま、王様に会えるんだったらいっか」
「こんな簡単にいって大丈夫なんですか?」
「俺もそこが1番心配です」
心配性の2人を宥め、フードを被ったまま職人さんに話しかける。
「すみません、私達は田舎から出てきたものでよく分からなかったんです。どうすれば王様に会えますか?」
しばらく考えるそぶりを見せた職人さんが、ゆっくりと口を開く。
「ならばワシが王に繋いでやる。お前達は幸運だったな。ワシの店はこの国の王の御用達の店なんだ。ウソかどうかは王に見定めて貰えばいい」
うん、知ってた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、一旦外に出て使いが来るのを待つ。
「まさかのドンピシャですね」
「リン様は分かってらしたんですか?」
オリビアとトワがびっくりしたように聞いてくるが、私はにこりと笑って濁した。
逆行前、冒険者として活躍していたときにここの職人さんとは顔見知りだったのだ。武器の調達なんかもここでお世話になっていた。その時に職人さんの自慢話として、王家御用達と知ったのだ。
上手くいくかは分からなかったけど、やればなんとかなるもんだ。
「おい、行くぞ」
どうやら連絡をしたらしい職人さんが声をかけてくる。他所行きの服装だった。
「もし職人さんがこの木を買い取るとしたら何円くらいで買い取りますか?」
城に行くつい途中、何気なく質問する。
「んん、そうだなぁ。金があれば金貨1枚でその木1本を買い取るだろうな」
「うわぁ、そんなに高価だったんですね」
「おうよ」と返事をくれる職人さん。
木は全部で200本ほど持ってきていた。売ればこの国の下級貴族並みの生活が半月ほど遅れるだろう。農民であれば、下手すれば一生遊んで暮らせるお金が手に入る。
どちらにしろ、高価すぎて買い取るのは貴族ぐらいしかいないだろうと予想ができた。
○○○
すっかり打ち解け、「頑張ってこいよー」と手を振りながら私たちを見送ってくれた職人さんと別れ、城に入場する。
荷物を預け、王の待つ部屋まで通された。
「そちらがあの木を売りにきた者たちか……よく来たな」
中に入ると、すでに王は椅子に座っており慌てて床に膝をつく。
オリビアとトワも事前に話していたので、私の真似をして膝をついていた。
「ふむ、作法は完璧じゃな。して、そのフードは取ってくれんのかの?」
来たか! と思うが、それも事前に3人で話し合っておいた。ここは素直に取ろうと。
「いえ、とりましょう」
パサッと音を立てて深く被っていたフードが落ちる。
「なんと? 魔物……」
トワを見て、驚きで固まってしまった王に私がそっと声をかける。
「説明してもよろしいでしょうか?」
「う、うむ。取り乱してすまない」
まあ、予想はできていたけどね。
「ありがたき幸せ。私達は魔物ではございません。亜人といえばよろしいのでしょうか? このツノは酒呑童子という種族の特徴なのです」
新種族だけどね、とは言わない。
「ではそちらの髪色は? ツノで驚いたのもあるが、お前達の髪色は神話にしか出てこない髪色だ」
王に、問われ「へ?」と返事をするオリビア。まさか自分もだとは思っていなかったのだろう。ガレア王国では私が聖女だということを知っていながら隠していたので騒がれなかっただけのようだ。
「黒髪の彼女は大聖女です。そして、私は魔聖亜族というらしいです」
自分が進化した種族の名前が難しくて、ステータスを開いて読み上げる。
「いま、なんと?」
「黒髪の彼女は大聖女で、私は魔聖亜族らしいです。私の場合は大聖女から進化しました」
そういうと、王がフゥッとため息を吐き、頭に手をやる。頭痛がするようだ。
大丈夫だろうかと様子見していると、何かを決意したように王が頭から手を退けた。
「聖教会へ……」
「あ、それはダメです。それに彼女は大聖女なので報告しなくてもいいはずですよね?」
「それは屁理屈じゃろうが……もうよい。儂の鑑定機で測らせてもらったからツノのある奴はA級、黒髪の美女はS級、お主に至っては測定不能と出たもんだ。儂がどうこうできる相手じゃない。厄介者を連れてきよって……」
ブツブツと文句をいう王は、猫を被るのが疲れたようで素で文句を言っている。
「あの、それで提案なんですが……」
「なんじゃ? 儂の国は確かに国力はある。そこらの大国にも負けておらん。脅すならお引き取り願おう」
勘違いしている王に慌てて弁解する。
「いえ、違うんです。鉄鋼朴を買い取っていただきたくて……」
「あぁ、あの木をか……いや、儂としても欲しい。が……」
渋る王に提案をする。
「この国にだけ卸します。継続で卸せます。今なら10本で金貨5枚です。半額にします」
「はぁ? そんなバカなことが……」
そう言ってハッとしたように私を見る王。
「まさか……!」
「ええ、作れるんです。まあ、こんなに格安にするのはもう一つ。のんでいただきたい案件があるからなのですが」
いけるかな?
「ククククク……あっはっはっはっはっは! その、のんで欲しい案件とは聖教会を敵に回せということかな?」
王がいきなり笑い出した。
「え、いや、敵に回せまでは言いませんけど」
「ではなんだ? 黙っておれと?」
こくっと頷く。
私は神聖水のことを諦めていなかった。どーしても私の国の特産品として売りに出したかったのだ。
「無理だ。聖教会に黙っておることはできない」
顔を厳しくした王に私はがっくりする。
「そうですか……」
「私は聖教会を騙し切るほど器用ではない。最近煩くなってきてなぁ。儂は聖教会を敵に回すぞ? どうだ、儂と手を組むか?」
ハッと王を見れば、悪戯が成功したようなそんな顔していた。
「大聖女がおるならば怖くはない。それに鑑定機で測定不能と出たお主もおるしな。もしや、国を創ろうとしておるのか?」
その言葉に、私より先にオリビアが頷いた。
「そうだ。魔の森に拠点を構えている」
トワがすかさず発言した。
「なんと、そうであったか。魔の森に……それなら知らぬ種族がいても不思議ではないな。あいわかった。儂はお主らの国を認めよう。取引成立といこうではないか」
こうして、私達は国としての第一歩を踏み出した。王に通信用の道具を渡される。
「これで、来る時は連絡を入れなさい」と言うことらしい。金貨が入った袋と共に、私達は転移してみんなのいる魔の森へ帰ったのだった。
ちなみに同盟を結ぶ際、国名を決めてくれと言われたので"神聖魔和国"とした。とりあえず思いついたモノを並べた感じだ。王に呆れられたが、決めたので押し通した。
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