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「抑制薬を、お持ちか?」
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工房に案内してもらい、私はセリアのために機械の購入交渉に入った。
いや、娘のためだけではない。あの珍しい機械は、我が国でも何かの役に立ちそうだ。工房そのものも興味深く、妻と娘がよその店に行ったというのもあり、じっくり時間を使ってしまった。
まずひとつ問題がある。
自国まで運ぶためには機械をバラす必要がある。そうでなくとも馬車の揺れに耐えられるか怪しいとのことだ。
「ヴァイジリアまで組み立てに来てもらうというのは難しいだろうか? もちろん旅費、滞在費は出す……」
ふと、気づいた。
クリス王子の様子がおかしい。いや、おかしくない。おかしくはないが……おかしい。
俺がおかしいのだ。クリス王子から目が離せない。
「この工房も少人数で回しておりましてな……」
俺はクリス王子を見ながら店主の言葉に返した。
「では、ヴァイジリアからの職人を受け入れるというのはどうだろうか? もちろん技術料は払う」
この機械には多くの金を払う価値があるだろう。
「そこまで来ると国の領域になりますが……うーん、評価いただけるのは嬉しいですが、どうでしょう。父がどれだけ貴国と取引したいか……」
考え込むクリス王子も絵画のように整っている。見つめすぎだ。目をそらす。できれば鼻も閉じたいと考えた。
くらりとくる良い匂いがするのだ。
これは……フェロモンでは。
「……」
俺は困った。
どうしたものか。クリス王子は首を傾げて考えている。そのさらりとした金髪をひっつかんで屈服させてやりたい。そうするべきだ。そういう顔だ。
引き倒して上に乗って服を引きちぎり、などと考えながら、俺は頬の内側を噛んだ。まだ大丈夫だ。まだ我慢できる。妻子あるきちんとした立場の者でいられる。
だがこれ以上はまずい。
「……クリス王子、その……気分が優れないのでは」
控えめに俺は言った。
この王子はオメガだ。
間違いない。
一国の王子がオメガか。
第二の性を持つものは少なく、産む性オメガとなれば表に出てくることは滅多にない。もちろん王家の子に現れることもあり得るが、支配者階級で尊ばれるのは人を従わせる力を持つアルファ。かくいう俺もアルファで、王族には多いのだ。
なるほどオメガでは、顧みられることもないはずだ。気の毒なことだが、それはそれとして、どうにかしてほしい。困る。
俺が外交問題を起こす前に、目の前からいなくなってほしい。
「え、いえ? 問題ないですよ」
クリス王子は微笑みながら返してくるが、その視線がわずかに揺れた。動揺だ。なんとか平然を装おうとしている。
確かに隠せる程度なのかもしれない。もし俺がアルファでなければ気づかなかった、まだその程度なのだろう。周囲の護衛も、店主も、何も感じていない顔だ。
「……失礼ながら、クリス王子」
おおっぴらに言えることではなく、俺は彼の耳に口を近づけた。
「んっ……?」
そんな声を。
あげられると、非常に、非常にまずい。目の前の耳に噛み付いてしまいそうになる。実際それを我慢できたのは、自分を褒めてやりたい。
「抑制薬を、お持ちか?」
周囲の誰にも聞かれないよう囁いた。
「……!」
クリス王子は目を見開き、後ずさった。
怯えさせただろうか。少なくとも俺がアルファだと気づいただろう。アルファがそばにいるからこそ、予定外のヒートを起こしたのかもしれない。
「……ああ」
しかし王子は手のひらで一瞬だけ顔を覆い、苦笑してため息をついた。
「お見苦しいところを。どうにも慌ただしくていけませんね」
「お休みになったほうがいい」
犬の耳をした彼が妻と娘についていってから、王子の周囲に護衛はいない。内密にはついている気配を感じたが、声が聞こえるような距離にはいない。
俺の護衛が少し困った顔をした。他国の王子の調子が悪いなど、彼らの対応できる範囲を超えてしまっているのだ。
「はい。出すもの出せば大丈夫だと思うので、ここはちょっとお任せします。それでは!」
「は」
クリス王子は周囲の心配を払うように明るく言ってから、店主に声をかけてぱたぱたと走っていった。その方角には便所があるのだろう。抑制剤を飲んでくるのだろうが、なんとも軽い、そして王子としてどうなのかという発言であった。
俺の護衛も苦笑いして「変わった方だな」と小さく呟いた。俺もそう思うが、同時に、あれは阿呆ではないなと理解した。上手いものだ。
できれば今日はこのまま帰って欲しいが。
いや、帰ってほしくはない。ほしくは……フェロモンに当てられているようだ。やれやれ。
「では店主、商談の続きだが……」
失敗した。
「気づかれるとは思わなかったなあ……」
まだなんとなく体が熱いなという程度で、忘れようと思えば忘れられる。そう思っていたのだけれど、出てしまってるんだろうか。
「まあ、アルファなんだろうな」
親切な人でよかった。不快な思いもさせてしまったかもしれないので、帰る時に何かお詫びの品を渡しておこう。
いつでも持ち歩いている抑制剤を飲む。興奮した家畜を鎮めるとして使われていた薬草がもとになっている。飲むたび僕は家畜なんだろうかと切なくなりつつ、どっちにしろ生き物すべて家畜みたいなものだ。考えない考えない。
いち、に、と頭の端で数える。聞き始めるまで少しかかる。
まだヴィーは帰ってこないよな。
帰ってこられたら困るなあ。町を案内する仕事が途中だ。生活費を稼いでいるわけでもないので、投げ出したところで何もないけれど、始めたことはできるだけ最後までやりたい。
ヒートは生理的な現象だ。
排泄と同じ。
ある程度コントロールして生きるのが人の幸せというものだろう。
そのために薬がある。ありがたい。ただ副作用というか、引き延ばせば引き延ばすほどヒートが辛くなるので、僕だって飲みたくはない。ヴィーもいい顔をしない。付き合わされるのが嫌なんだろうか。
また僕のわがままでヴィーを一日休ませることになる。
一日。
一日中。
中に入れて。
外も触れ合って、逃げ場がないようにしていっぱい注いでもらうのだ。
「っむ……」
考えない考えない考えない考えない。
さて、もういい。もういいだろう。ひとりでいると際限なく思考が桃色になってしまう。ヴィーのことを考えているともうそれだけで、薬の効果など踏み越えてしまえそうだ。
「ヴィー……んん」
うっかり声にも出してしまう。
首を振った。
ぱさぱさ髪が頬にかかる感触もいけない。
「はあ」
もう少し休もうか。
そうだ、今回の費用について考えておこう。どこまでを使者の歓待費として計上するかだ。わりと僕の趣味でやってる部分があり、お金に困ってないにしても、ちゃんとするところはちゃんとしないと。
とりあえず馬車代。
一番通りと五番通りだと馬車代にも違いが出るのでそのあたりは少々課題かもしれない。それほど広い町じゃないんだから、統一したほうが色々といい。いいけど、五番通りの人たちはブランド意識が高いというか、なんというか。自分たちの価値を高めるのはいいことなんだけど、全部が全部それだと周囲が困る。
どうしようかな……。
考えながら僕はご不浄を出た。幸い、マルファス様はまだ店主と白熱の交渉をしているようだ。邪魔しないようにそっと近づく。
「ああ、クリス王子、体調は?」
マルファス様が気づいて聞いてきた。僕は晴れやかに笑って腹をさする。
「失礼しました。よくなりましたので、気づかいなく」
「……ふむ」
「え」
マルファス様がなぜか僕に顔を近づけてきた。なんだろう。真剣な顔だ。すっと息を吸ったのがわかった。
匂い?
匂いが出てるのか。
「……失礼を。だいぶ顔色がよくなられた」
「あ、はい。はい……大丈夫です」
マルファス様はにこりと笑った。近い。まだ距離が近い。けど親切なんだろう。匂いは大丈夫だ、と教えてくれているのだ。
いや、娘のためだけではない。あの珍しい機械は、我が国でも何かの役に立ちそうだ。工房そのものも興味深く、妻と娘がよその店に行ったというのもあり、じっくり時間を使ってしまった。
まずひとつ問題がある。
自国まで運ぶためには機械をバラす必要がある。そうでなくとも馬車の揺れに耐えられるか怪しいとのことだ。
「ヴァイジリアまで組み立てに来てもらうというのは難しいだろうか? もちろん旅費、滞在費は出す……」
ふと、気づいた。
クリス王子の様子がおかしい。いや、おかしくない。おかしくはないが……おかしい。
俺がおかしいのだ。クリス王子から目が離せない。
「この工房も少人数で回しておりましてな……」
俺はクリス王子を見ながら店主の言葉に返した。
「では、ヴァイジリアからの職人を受け入れるというのはどうだろうか? もちろん技術料は払う」
この機械には多くの金を払う価値があるだろう。
「そこまで来ると国の領域になりますが……うーん、評価いただけるのは嬉しいですが、どうでしょう。父がどれだけ貴国と取引したいか……」
考え込むクリス王子も絵画のように整っている。見つめすぎだ。目をそらす。できれば鼻も閉じたいと考えた。
くらりとくる良い匂いがするのだ。
これは……フェロモンでは。
「……」
俺は困った。
どうしたものか。クリス王子は首を傾げて考えている。そのさらりとした金髪をひっつかんで屈服させてやりたい。そうするべきだ。そういう顔だ。
引き倒して上に乗って服を引きちぎり、などと考えながら、俺は頬の内側を噛んだ。まだ大丈夫だ。まだ我慢できる。妻子あるきちんとした立場の者でいられる。
だがこれ以上はまずい。
「……クリス王子、その……気分が優れないのでは」
控えめに俺は言った。
この王子はオメガだ。
間違いない。
一国の王子がオメガか。
第二の性を持つものは少なく、産む性オメガとなれば表に出てくることは滅多にない。もちろん王家の子に現れることもあり得るが、支配者階級で尊ばれるのは人を従わせる力を持つアルファ。かくいう俺もアルファで、王族には多いのだ。
なるほどオメガでは、顧みられることもないはずだ。気の毒なことだが、それはそれとして、どうにかしてほしい。困る。
俺が外交問題を起こす前に、目の前からいなくなってほしい。
「え、いえ? 問題ないですよ」
クリス王子は微笑みながら返してくるが、その視線がわずかに揺れた。動揺だ。なんとか平然を装おうとしている。
確かに隠せる程度なのかもしれない。もし俺がアルファでなければ気づかなかった、まだその程度なのだろう。周囲の護衛も、店主も、何も感じていない顔だ。
「……失礼ながら、クリス王子」
おおっぴらに言えることではなく、俺は彼の耳に口を近づけた。
「んっ……?」
そんな声を。
あげられると、非常に、非常にまずい。目の前の耳に噛み付いてしまいそうになる。実際それを我慢できたのは、自分を褒めてやりたい。
「抑制薬を、お持ちか?」
周囲の誰にも聞かれないよう囁いた。
「……!」
クリス王子は目を見開き、後ずさった。
怯えさせただろうか。少なくとも俺がアルファだと気づいただろう。アルファがそばにいるからこそ、予定外のヒートを起こしたのかもしれない。
「……ああ」
しかし王子は手のひらで一瞬だけ顔を覆い、苦笑してため息をついた。
「お見苦しいところを。どうにも慌ただしくていけませんね」
「お休みになったほうがいい」
犬の耳をした彼が妻と娘についていってから、王子の周囲に護衛はいない。内密にはついている気配を感じたが、声が聞こえるような距離にはいない。
俺の護衛が少し困った顔をした。他国の王子の調子が悪いなど、彼らの対応できる範囲を超えてしまっているのだ。
「はい。出すもの出せば大丈夫だと思うので、ここはちょっとお任せします。それでは!」
「は」
クリス王子は周囲の心配を払うように明るく言ってから、店主に声をかけてぱたぱたと走っていった。その方角には便所があるのだろう。抑制剤を飲んでくるのだろうが、なんとも軽い、そして王子としてどうなのかという発言であった。
俺の護衛も苦笑いして「変わった方だな」と小さく呟いた。俺もそう思うが、同時に、あれは阿呆ではないなと理解した。上手いものだ。
できれば今日はこのまま帰って欲しいが。
いや、帰ってほしくはない。ほしくは……フェロモンに当てられているようだ。やれやれ。
「では店主、商談の続きだが……」
失敗した。
「気づかれるとは思わなかったなあ……」
まだなんとなく体が熱いなという程度で、忘れようと思えば忘れられる。そう思っていたのだけれど、出てしまってるんだろうか。
「まあ、アルファなんだろうな」
親切な人でよかった。不快な思いもさせてしまったかもしれないので、帰る時に何かお詫びの品を渡しておこう。
いつでも持ち歩いている抑制剤を飲む。興奮した家畜を鎮めるとして使われていた薬草がもとになっている。飲むたび僕は家畜なんだろうかと切なくなりつつ、どっちにしろ生き物すべて家畜みたいなものだ。考えない考えない。
いち、に、と頭の端で数える。聞き始めるまで少しかかる。
まだヴィーは帰ってこないよな。
帰ってこられたら困るなあ。町を案内する仕事が途中だ。生活費を稼いでいるわけでもないので、投げ出したところで何もないけれど、始めたことはできるだけ最後までやりたい。
ヒートは生理的な現象だ。
排泄と同じ。
ある程度コントロールして生きるのが人の幸せというものだろう。
そのために薬がある。ありがたい。ただ副作用というか、引き延ばせば引き延ばすほどヒートが辛くなるので、僕だって飲みたくはない。ヴィーもいい顔をしない。付き合わされるのが嫌なんだろうか。
また僕のわがままでヴィーを一日休ませることになる。
一日。
一日中。
中に入れて。
外も触れ合って、逃げ場がないようにしていっぱい注いでもらうのだ。
「っむ……」
考えない考えない考えない考えない。
さて、もういい。もういいだろう。ひとりでいると際限なく思考が桃色になってしまう。ヴィーのことを考えているともうそれだけで、薬の効果など踏み越えてしまえそうだ。
「ヴィー……んん」
うっかり声にも出してしまう。
首を振った。
ぱさぱさ髪が頬にかかる感触もいけない。
「はあ」
もう少し休もうか。
そうだ、今回の費用について考えておこう。どこまでを使者の歓待費として計上するかだ。わりと僕の趣味でやってる部分があり、お金に困ってないにしても、ちゃんとするところはちゃんとしないと。
とりあえず馬車代。
一番通りと五番通りだと馬車代にも違いが出るのでそのあたりは少々課題かもしれない。それほど広い町じゃないんだから、統一したほうが色々といい。いいけど、五番通りの人たちはブランド意識が高いというか、なんというか。自分たちの価値を高めるのはいいことなんだけど、全部が全部それだと周囲が困る。
どうしようかな……。
考えながら僕はご不浄を出た。幸い、マルファス様はまだ店主と白熱の交渉をしているようだ。邪魔しないようにそっと近づく。
「ああ、クリス王子、体調は?」
マルファス様が気づいて聞いてきた。僕は晴れやかに笑って腹をさする。
「失礼しました。よくなりましたので、気づかいなく」
「……ふむ」
「え」
マルファス様がなぜか僕に顔を近づけてきた。なんだろう。真剣な顔だ。すっと息を吸ったのがわかった。
匂い?
匂いが出てるのか。
「……失礼を。だいぶ顔色がよくなられた」
「あ、はい。はい……大丈夫です」
マルファス様はにこりと笑った。近い。まだ距離が近い。けど親切なんだろう。匂いは大丈夫だ、と教えてくれているのだ。
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