彼を知り己を知る

みももも

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まえがき

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【全文】
 故知勝有五
 ①知可以戰與不可以戰者勝
 ②識衆寡之用者勝
 ③上下同欲者勝
 ④以虞待不虞者勝
 ⑤將能而君不御者勝
 此五者知勝之道也故曰
 知彼知己者百戰不殆
 不知彼而知己一勝一負
 不知彼不知己毎戰必殆
 ※①~⑤は、あとで解説するためにつけただけです。

【解説】
 当たり前だけど、孫子なのだから漢文です。
 一番有名なのは「知彼知己者百戰不殆」の部分かと。
 直訳すると「彼を知り、己を知る者は百戦してあやうからず」となる。
 まず『敵』じゃなくて『彼』を知る。
 いろんなサイトで「ここでの『彼』は『敵』と訳してかまわない」みたいなことが書いてあるけれど、誰がそんなこと決めたの?
 私にはどうしてもこの『彼』が、単なる『敵』とは思えない。
 だって、冷静に考えてみて。
 どれだけ綿密に敵を分析したとしても、実力差が簡単に埋まるわけがない。
 勝てる敵には勝てるし、勝てない敵には勝てない。弱点を突いたぐらいで勝てるようになるのは、もともと拮抗している場合の話。
 そもそも、こちらが敵を観察するとき、敵もまたこちらを観察している。
 自分だけが一方的に。なんて都合のいい展開は、コンピュータ相手のゲームでもない限り発生しない。

 だからそんな「勝つには敵を調査することが大切です」みたいな結論は、あまりにも馬鹿げてる。
 こんなことをまじめに言ってるやつは、机上の空論が大好きなだけの、何もしない夢想家だと。
 そう思う。

 私が考えるに、ここでの『彼』は『自分以外』と解釈するべきだ。
 だって冷静に考えれば、確かに対戦相手も『彼』だけど、自分の仲間も『彼』。観戦者も『彼』だし、無関係な人たちさえも『彼』と言えるから。
 あえて一語で表現するなら『社会』とでもするべきか。
 自分と、自分以外をちゃんと理解する。
 そうすると、すべきことが見えてくる。道筋が見えてくる。

 自分にできることを理解して、社会が求めることをやってる人は、負けるはずもない。
 だけど例えば、自分が得意でも、社会が求めていなければ負けることがある。
 自分が得意かもわからない。社会が求めているかもわからない。そんなことばかりやってたら、毎回きわどいことになる。
 そりゃうまくいくこともあるけど、逆に嫌われることもある。

 そう考えると、①~⑤の例の解釈もだいぶ変わると思う。
 そして、軽くググった限りでは、私と同じ考えの意見はなかった。

 みんなはきっと、解説を求めてる。そして私は解説ができる。
 ……これは勝てるな。よし、ということで次話以降では①~⑤を解説します。

 解説というか、こういう解釈もあるのでは、と。
 興味があれば、読んでみてください。
 意見があれば、ご感想もお待ちしております。
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