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魔王戦争
魔界へ向かう勇者
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勝負だ。と言って向かったのはいいが、実際には戦いにすらならなかった。
獣たちは一斉に俺に向かって飛びかかってきたので、俺はそれに合わせて剣を振る。
何の能力も無いただの召喚剣に斬られた魔獣たちは、あっけなく砕けて灰になって消えていった。
「これは……剣が強いっていうより、俺のステータスが高すぎるのか?」
今まで使ってきた武器……聖剣や魔剣、ソラワリやコトワリと比べるのは贅沢かもしれないが、これならばおそらく剣を使わずに素手で戦っていたとしても同じ結果になっていただろう。
そのまま、全ての魔獣を片付ける。
飛びかかってくる魔獣を確実に倒しながら、逃げようとする魔獣は追いかけてとどめを刺す。
周囲を見渡して、うち漏らした魔獣がいないことを確認してから召喚剣を観察すると、刃こぼれの一つもなかった。
ある程度の頑丈さはあるみたいだから、普段用の剣としては十分だが……この剣の実力を測るには、あの魔物達では役不足だったな。
柵を跳び越えて村の中に入ると、驚いた顔で固まっている村人達を無視して、アカリとシオリが駆け寄ってきた。
「終わったぞ」
「お帰り、イツキくん!」
「イツキ、お疲れ様です。どうでしたか? その剣は」
「よくわからなかったが……まあ、悪くはないんじゃないかな」
「敵が弱かったのかもしれませんね。あれは、魔界ではなく、人間界の森にいた魔物のようですから」
「そうなのか……」
シオリの図書館の知識では、あの魔獣は人間界の森に生息していた魔物なのだという。
今まで見たことがなかったのは、本来森の奥に生息している魔物だからだろう。
魔界から強力な魔物が大量に来たせいで、森を追い出されたとか、そういうことなのだろう。
もしかしたら今後も同じように森から魔物が出てくる可能性はあるだろうが、ひとまずは片付いたから良しとしよう。
そう考えていたら、ようやく状況を理解できてきた村人が恐る恐る俺達の方に近づいてきた。
「あ、ありがとうございます、勇者様……おかげで助かりました」
「なに、別に大したことはしていない。それじゃあ俺達は、先に行かせてもらうが……」
魔物は倒したので村の危機は救ったことだし、すぐにティナと赤髪を追いかけようとしたのだが、いつの間にか村人が集まってきていて、抜け出せなくなっている。
意図的に囲んでいるとは思いたくないが……
「勇者様、この村に残って頂くことは、できないですか?」
「悪いが、俺達には使命があるからな。邪魔をするなら力尽くでも……」
「勇者様方もそうですか……仕方がないのかもしれません」
俺達の話を聞いて、村人達は諦めたように、あっさりと道を空けてくれた。
勇者に滞在してもらって、危険な魔物から守って欲しい気持ちはあるが、勇者の機嫌を損ねるのは最悪だと考えたのかもしれない。
村を出て、振り返って確認すると、未だに俺達の方に視線を向けている。
後ろ髪を引かれながら歩き続けると、村が見えない距離まで離れて、ようやくアカリが話しかけてきた。
「イツキくん、良かったの?」
「……まあ、仕方ないだろ。いつまでもあの村に止まっているわけにもいかない」
「そうだよね……それにあの村の柵は頑丈だったから、閉じこもっていれば安全だよね」
「私たちが魔物を追い払うことが、彼らを救うことにつながります。急ぎましょう!」
シオリの言うとおりだと、俺も思う。
魔物を追い払うと言ってもどうすればいいかはわからないが、結局のところは戦い続けるしか方法が思いつかない。
そのためにもやはり、まずはティナと赤髪に合流しよう。
ティナと赤髪が魔物を倒しながら進んでいった痕跡は、魔物の森の中に続いていたので、俺達もその跡を追う。
森の中では追跡するのが難しいのではないかとある程度覚悟していたのだがそんなことはなく、むしろ樹木がなぎ倒されていたり焼き払われていたりしていたので、平原を進むよりもわかりやすいぐらいだった。
そのまま森を一直線に抜け、そのまま進むと、だんだんと周りの景色が変わってきた。
今までは緑豊かな大地という感じだったのが、気がついたら荒野のような、草があまり生えない土地になっていた。
アカリとシオリはその様子を見て、何かに気がついたように立ち止まる。
「……どうした? 何か見つけたのか?」
俺も立ち止まって聞くと、二人は目配せをして頷きあう。
「……シオリちゃん、ここってやっぱり?」
「アカリも気づきましたか。そうですね、ここはおそらく『魔界』です。結界が消滅して時間が経っているので、明確な境界線は見つけられませんが……それに、もう一つ気づいたことがあります」
俺が魔界に行き来するときは洞窟を使っていたのだが、アカリとシオリは地上から人間界に戻ったことがあるらしい。
この場所は、その時通った道とは違うらしいのだが、そこにも今のように植生ががらりと変わる場所があったらしい。
「つまり、俺達はまた魔界に戻ってきたということか……それでシオリ。気がついたことって?」
「はい。こちらの足跡を見てください……どうやら彼らは二人ではなく、もっと大勢で移動をしているようです」
「ほんとだ! 一人、二人、三人……十人以上?」
シオリに言われて俺も、灰の上に残った足跡を読んでみる。
一つ一つの違いは見ても全くわからないが、足跡同士を結んで線を引いてみると、確かに数人以上がここを通ったようだ。
歩幅はかなり広いので、走って移動しているようにも見える。
「どういうことだ? アカリとユータ以外に、魔界に向かっている人がいるのか?」
「それも、短時間に、同じ方向に向かっています。偶然とは思えません」
「それって、赤髪くんやティナちゃんは、ほかの勇者を引き連れて魔界に向かったっていうこと?」
俺もアカリと同じことを考えていたのだが、シオリは首を横に振った。
「この足跡は、灰が積もった後にここを通った者達のものです。先行する二人を追っているように見えますね」
「つまり、勇者と賢者の戦いに感化されたとか、そういうことか……」
もしかしたら、ティナと赤髪は、魔界に向かう途中で勇者達に声をかけていったのかもしれない。
例えば「俺達は今から魔王との最終決戦に向かう!」とか、そんな感じに。
だとしたら、勇者達がその後を追っていくのにも説明がつく。
俺だってそんな話を聞いたら、同じように二人を追いかけると思うから。
力が及ぶとか、役に立てるとか、そういうことは抜きにしても、ここで逃げ出していたら勇者ではない。
「俺達も、先を急ごう。なんだか嫌な予感がする……」
獣たちは一斉に俺に向かって飛びかかってきたので、俺はそれに合わせて剣を振る。
何の能力も無いただの召喚剣に斬られた魔獣たちは、あっけなく砕けて灰になって消えていった。
「これは……剣が強いっていうより、俺のステータスが高すぎるのか?」
今まで使ってきた武器……聖剣や魔剣、ソラワリやコトワリと比べるのは贅沢かもしれないが、これならばおそらく剣を使わずに素手で戦っていたとしても同じ結果になっていただろう。
そのまま、全ての魔獣を片付ける。
飛びかかってくる魔獣を確実に倒しながら、逃げようとする魔獣は追いかけてとどめを刺す。
周囲を見渡して、うち漏らした魔獣がいないことを確認してから召喚剣を観察すると、刃こぼれの一つもなかった。
ある程度の頑丈さはあるみたいだから、普段用の剣としては十分だが……この剣の実力を測るには、あの魔物達では役不足だったな。
柵を跳び越えて村の中に入ると、驚いた顔で固まっている村人達を無視して、アカリとシオリが駆け寄ってきた。
「終わったぞ」
「お帰り、イツキくん!」
「イツキ、お疲れ様です。どうでしたか? その剣は」
「よくわからなかったが……まあ、悪くはないんじゃないかな」
「敵が弱かったのかもしれませんね。あれは、魔界ではなく、人間界の森にいた魔物のようですから」
「そうなのか……」
シオリの図書館の知識では、あの魔獣は人間界の森に生息していた魔物なのだという。
今まで見たことがなかったのは、本来森の奥に生息している魔物だからだろう。
魔界から強力な魔物が大量に来たせいで、森を追い出されたとか、そういうことなのだろう。
もしかしたら今後も同じように森から魔物が出てくる可能性はあるだろうが、ひとまずは片付いたから良しとしよう。
そう考えていたら、ようやく状況を理解できてきた村人が恐る恐る俺達の方に近づいてきた。
「あ、ありがとうございます、勇者様……おかげで助かりました」
「なに、別に大したことはしていない。それじゃあ俺達は、先に行かせてもらうが……」
魔物は倒したので村の危機は救ったことだし、すぐにティナと赤髪を追いかけようとしたのだが、いつの間にか村人が集まってきていて、抜け出せなくなっている。
意図的に囲んでいるとは思いたくないが……
「勇者様、この村に残って頂くことは、できないですか?」
「悪いが、俺達には使命があるからな。邪魔をするなら力尽くでも……」
「勇者様方もそうですか……仕方がないのかもしれません」
俺達の話を聞いて、村人達は諦めたように、あっさりと道を空けてくれた。
勇者に滞在してもらって、危険な魔物から守って欲しい気持ちはあるが、勇者の機嫌を損ねるのは最悪だと考えたのかもしれない。
村を出て、振り返って確認すると、未だに俺達の方に視線を向けている。
後ろ髪を引かれながら歩き続けると、村が見えない距離まで離れて、ようやくアカリが話しかけてきた。
「イツキくん、良かったの?」
「……まあ、仕方ないだろ。いつまでもあの村に止まっているわけにもいかない」
「そうだよね……それにあの村の柵は頑丈だったから、閉じこもっていれば安全だよね」
「私たちが魔物を追い払うことが、彼らを救うことにつながります。急ぎましょう!」
シオリの言うとおりだと、俺も思う。
魔物を追い払うと言ってもどうすればいいかはわからないが、結局のところは戦い続けるしか方法が思いつかない。
そのためにもやはり、まずはティナと赤髪に合流しよう。
ティナと赤髪が魔物を倒しながら進んでいった痕跡は、魔物の森の中に続いていたので、俺達もその跡を追う。
森の中では追跡するのが難しいのではないかとある程度覚悟していたのだがそんなことはなく、むしろ樹木がなぎ倒されていたり焼き払われていたりしていたので、平原を進むよりもわかりやすいぐらいだった。
そのまま森を一直線に抜け、そのまま進むと、だんだんと周りの景色が変わってきた。
今までは緑豊かな大地という感じだったのが、気がついたら荒野のような、草があまり生えない土地になっていた。
アカリとシオリはその様子を見て、何かに気がついたように立ち止まる。
「……どうした? 何か見つけたのか?」
俺も立ち止まって聞くと、二人は目配せをして頷きあう。
「……シオリちゃん、ここってやっぱり?」
「アカリも気づきましたか。そうですね、ここはおそらく『魔界』です。結界が消滅して時間が経っているので、明確な境界線は見つけられませんが……それに、もう一つ気づいたことがあります」
俺が魔界に行き来するときは洞窟を使っていたのだが、アカリとシオリは地上から人間界に戻ったことがあるらしい。
この場所は、その時通った道とは違うらしいのだが、そこにも今のように植生ががらりと変わる場所があったらしい。
「つまり、俺達はまた魔界に戻ってきたということか……それでシオリ。気がついたことって?」
「はい。こちらの足跡を見てください……どうやら彼らは二人ではなく、もっと大勢で移動をしているようです」
「ほんとだ! 一人、二人、三人……十人以上?」
シオリに言われて俺も、灰の上に残った足跡を読んでみる。
一つ一つの違いは見ても全くわからないが、足跡同士を結んで線を引いてみると、確かに数人以上がここを通ったようだ。
歩幅はかなり広いので、走って移動しているようにも見える。
「どういうことだ? アカリとユータ以外に、魔界に向かっている人がいるのか?」
「それも、短時間に、同じ方向に向かっています。偶然とは思えません」
「それって、赤髪くんやティナちゃんは、ほかの勇者を引き連れて魔界に向かったっていうこと?」
俺もアカリと同じことを考えていたのだが、シオリは首を横に振った。
「この足跡は、灰が積もった後にここを通った者達のものです。先行する二人を追っているように見えますね」
「つまり、勇者と賢者の戦いに感化されたとか、そういうことか……」
もしかしたら、ティナと赤髪は、魔界に向かう途中で勇者達に声をかけていったのかもしれない。
例えば「俺達は今から魔王との最終決戦に向かう!」とか、そんな感じに。
だとしたら、勇者達がその後を追っていくのにも説明がつく。
俺だってそんな話を聞いたら、同じように二人を追いかけると思うから。
力が及ぶとか、役に立てるとか、そういうことは抜きにしても、ここで逃げ出していたら勇者ではない。
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