言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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再び、ログイン。

合流の前に。

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『……さて、無事にログインできたのはいいが、これからどうする?』
「まずは、シュウカさんと一緒にヒナコさんが働いていたお店に行って、ヒナコさんと合流しようと思います。それから、ギルドへ行こうかと」

 ヒナコさん。ゲームを始めてすぐに出会った、お菓子作りに執念を燃やしている人。彼女のスキルは、『空想・実現(菓子のみ)』。あのスキルは、今思えばただのスキルじゃなくて私と同じ、特別スキル枠だったのかもしれない。そしていとこのヒナタさん。彼のスキルは、お菓子を量産するスキル。詳しい内容はあの時聞かなかったけど、もしかしたら彼のスキルもまた、特別スキルだったのかも。

「このゲーム内で知り合った方なのですが、ゲーム内に取り残されているということなので、彼女もまた、特別スキル持ちである可能性があります。彼女にも協力してもらえれば、心強いかと」
『どんなスキルなんだ』
「彼女が想像したお菓子がそのまま、形になるというスキルです」
『……色々な運用方法が考えられそうだな』

 シュウさんが電話越しにうなっている。

「はい。使い方によっては、戦闘にも役立つのではないかと思います」

 とはいえ、戦い専門のジョブを持った人なんかがいないときつそうではあるけどね。

 私は部屋から出て、カンナさんのお店の前まで出る。すると、こちらに向かって走ってくる人影が。

「ごめん、お待たせ!」

  シュウカさんだった。彼女は手を振りながら、私の前に立った。

『元気そうで何よりだ』
「あ、そうだ。……スピーカー通話に切り替えお願いします」

 この電話もどきが、電話の役割を果たせるのだとしたらきっと、現代のスマートフォンと同じように、スピーカー機能もあるはずだ。

 スピーカー機能は、本来なら電話をしている本人しか聞こえない相手方の音声を、他の人にも聞こえるよう、その名の通りスピーカーにできる機能。この世界でもそれが使えれば、シュウカさんにも私にも、そして必要ならこれから仲間として一緒に動いてもらうメンバーにも聞こえる方がいいよね。

「兄ちゃん、どうせお菓子でも食べてるんだろうなー、いいなー」
『……お菓子は食べてない。夜に食べたら大変なことになる』

 シュウさんの声は、シュウカさんにも聞こえたようだ。

「えー、夜に食べるお菓子っていいじゃん、なんか幸せじゃん」
『後から来る罪悪感のことを考えたら、俺は食べたくない』
「サランさんも好きだよねぇ、お菓子!」
「夜に食べるのは最高ですよね!」
「「ねー」」
『……はぁ』

 シュウさんが大きなため息をつく。
「お菓子のことは忘れて、まずはヒナコさんに会いに行きましょう!」
「おー!」
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