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再び、ログイン。

2通のメール

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 電話を切ると、メールの通知マークがついていた。メールボックスを確認すると、未開封のメールが二通来ていた。一通はカズアキさん、一通はフリントさん。どちらもさっき、昨日ログインしていたかどうかを確認していた人たちだ。

『サランちゃん。返事が遅くなって申し訳ない。ゲームのことやけど、あの日、オレは強制ログアウトさせられてしもた人間や。せやから、あんまり役には立てへんかもしれへん。ただ、一つ気がかりなことがあってな。オレは強制ログアウトさせられてしもたけど、ギルドに所属している人間が何人か、まだログイン状態のままやねん。彼らが無事なのかが心配や。何か手伝えそうなことがあったら協力するから言うてな』

 そう言われてみて、がっかりした気持ちと希望が一つ。カズアキさんは強制ログアウトさせられたということは、特別スキルを持っていたにしろ持っていなかったにしろ、再度ゲームにログインするのは難しそう。だけど、ギルドに所属している人たちの何人かがログイン状態のまま。ということは、ゲーム内に取り残されている人がいるってことだ。私もただの幽霊部員みたいな感じだけど、カズアキさんのギルドには所属している。だとしたら……。

「ギルドに所属している人たちが『特別スキル』を持っている可能性が高いし、その人たちにゲーム内でコンタクトを取って協力を仰げば……」

 ゲーム内での協力者を増やすことができる。よし、これで行こう。そして、フリントさんのメールも開封する。

『サランさん。こんばんは。昨日は授業の指導案を作成するのに手間取っていて、ログインできませんでした。職業上、あまり長時間はお付き合いできないかもしれませんが、何かお役に立てることがあれば遠慮なくおっしゃってください』

 これではっきりした。カズアキさんは強制ログアウトさせられた。フリントさんはログインしていなかったから、ログインできるかどうかは不明。ただ、フリントさんは現実世界での職業が教師だからやっぱり、仕事に穴を開けさせるわけにはいかない。これはもう、シュウカさんと私、アイダさん、そして向こうにいるヒナコさんとギルド所属のまだ見ぬ誰かと協力してどうにかするしかない。

 フリントさんにはお礼のメールと今後もしかしたら何かしらお願いするかもしれない、その時はよろしくメールを送った。そして、カズアキさんにもメールを作成。

『カズアキさん。早々のご返信ありがとうございます。昨日の件の詳細、ありがとうございます。一つお願いがありましてご連絡しました……』
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