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ログアウト権限を獲得した者たち

現実部隊とゲーム潜入部隊

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『ずんだ餅は、今後どういった動きをする予定なのかを気にしていた。そして、会社内部の人間が信用できないこともな』

 ずんだ餅さん、ゲーム内にいた時もそういうこと、言ってた。
 だから、シュウさんのことも信用できないって話をしてたんだよね。

『……まぁ、成り行き上ではあるが、こちらのことは、とりあえず他の人間よりは信用しているという趣旨のことを言っていた』
『人を信用できないって、悲しいけどねー』

 シュウさんの横で、シュウカさんが肩をすくめる。

「仕方ないです、そもそも私たちが調べたことが本当なら、少なくともムトウさんは会社の人に自分のアイデアを盗まれたということになりますし……」
『……まぁ、用心しても、しすぎることはないだろうな』

 シュウさんも頷く。

『……ずんだ餅は、自分が警戒心が強いことは自覚していた。そのうえで、自分は会社に普段通り出勤して仕事をしているフリをするから、会社に探りを入れるのは任せてほしいと言っていた』
『あたしは、昨日休んだ手前、ゲームからログアウトできない人を装った方がよさそうだね』

 シュウカさんが言う。それに頷きながら、シュウさんが言う。

『……こちらとしては、ついて行きたいのは山々だが現実世界で行動する人間を、ずんだ餅一人にするのもまた、問題かと思っている』
「そうですね」
『ただ、ゲームにログインする戦力としては、いささか不安が残る。ゲームにログインしてから仲間を探す余裕は、ないかもしれないからな』

 そう。ゲーム内部の様子がこちらから知ることができない以上、どんなことが起こるかは予想ができない。
 私たちがダンジョンに入る前までは、そこまでの混乱は起きていなかった。だけど、あれから約1日経っている。多分、内部の様子も変わっているはず。

 人のことを気にする様子なんてなくて、みんな自分のことで手一杯の可能性がある。そうなると私たちがやろうとしていることに協力してくれる人は見つからないかもしれない。

「さっきお伝えしていた、二人ほどの心当たりの人物がどうなっているのか、他に頼れる人がいないか探ってみます。そしてその人たちがログインしているかオフライン状態なのかを探ってみます」
『……分かった。こちらはまだまだ起きているので、確認でき次第連絡をくれ。こちらは、ずんだ餅と連絡先を交換したから、彼と連絡を取っておく』
「お願いします」

 よし、現実部隊とゲーム潜入部隊に分かれて行動する作戦が、動き出しそうだ。
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