285 / 304
ログアウト権限を獲得した者たち
裏公式からのアナウンス?
しおりを挟む
その時だった。新着メールが届いたことを告げるデスクトップ通知が入る。
「公式からメールが来ました」
「こんな時間に? 一体なんだろ?」
シュウカさんが首をかしげる。そうしている間に、シュウさんが自分のスマートフォンを取り出す。しばらくして、顔をしかめた。
『……いや、これは公式が出した正式なメールじゃないな』
「公式が出したものじゃない……?」
そう聞き返しつつ、自分もメールボックスを開いて中身を確認してみる。件名を見て、シュウさんの言っている意味が分かった。
『【裏運営】自動ログアウトシステムとログイン権限に関して』
自動ログアウトシステム? そんなシステムがあるの?
それに、裏運営って……。
あわててメールの内容を確認する。
『Wonderland Fantasy Onlineをプレイしてくださっている皆様にお知らせです。現在、ご自身のタイミングでゲームからログアウトができないシステムとなり、ご迷惑をおかけしております。こちらのシステムですが、本日から3日後の23時59分を持ちまして、廃止いたします。既定の時間になりましたら全プレイヤーを一斉に強制ログアウトとさせて頂きます。この期間内に既定の条件をクリアしたプレイヤーは、それ以降のログインログアウトは自由に行うことができます。条件がクリアできなかったプレイヤーに関しては、強制ログアウト後、再度ログインはできませんのでご了承ください』
「……」
『……ムトウからのメールだな』
シュウさんがため息をつく。
『これってさ、ムトウさんが課した課題を3日以内にクリアできなかった人たちはもう、二度とこのゲームをプレイできないことになるってことだよね!?』
「そういうことになりそうですね」
『うわー、それは嫌! お金返してってなる!』
いや、そっちなんだ、シュウカさん。まぁそれも大事だけれども……。
「確かに、そう思う人も一定数いそうですね」
『……これは、運営側も対応に追われそうだな……』
シュウさんが頭を抱えている。確かに、それは言えてる。
たくさんの問い合わせの電話やメールが飛んでくるんだろうな。
「とはいえ、まだゲームをプレイしている当人たちは、ゲームの中です。公式に問い合わせをするとしたら、メールしか手段がありません。電話対応はそこまで混雑しなさそうですね」
『……だといいな』
とはいえ、ムトウさんの意図が気になる。
なんで今、このタイミングでこんなアナウンスを出したんだろう。
しかも条件をクリアしないと、強制的にゲームからログアウトさせられるなんて。
これは、なんとしてでも真相を確かめなくちゃ!
「公式からメールが来ました」
「こんな時間に? 一体なんだろ?」
シュウカさんが首をかしげる。そうしている間に、シュウさんが自分のスマートフォンを取り出す。しばらくして、顔をしかめた。
『……いや、これは公式が出した正式なメールじゃないな』
「公式が出したものじゃない……?」
そう聞き返しつつ、自分もメールボックスを開いて中身を確認してみる。件名を見て、シュウさんの言っている意味が分かった。
『【裏運営】自動ログアウトシステムとログイン権限に関して』
自動ログアウトシステム? そんなシステムがあるの?
それに、裏運営って……。
あわててメールの内容を確認する。
『Wonderland Fantasy Onlineをプレイしてくださっている皆様にお知らせです。現在、ご自身のタイミングでゲームからログアウトができないシステムとなり、ご迷惑をおかけしております。こちらのシステムですが、本日から3日後の23時59分を持ちまして、廃止いたします。既定の時間になりましたら全プレイヤーを一斉に強制ログアウトとさせて頂きます。この期間内に既定の条件をクリアしたプレイヤーは、それ以降のログインログアウトは自由に行うことができます。条件がクリアできなかったプレイヤーに関しては、強制ログアウト後、再度ログインはできませんのでご了承ください』
「……」
『……ムトウからのメールだな』
シュウさんがため息をつく。
『これってさ、ムトウさんが課した課題を3日以内にクリアできなかった人たちはもう、二度とこのゲームをプレイできないことになるってことだよね!?』
「そういうことになりそうですね」
『うわー、それは嫌! お金返してってなる!』
いや、そっちなんだ、シュウカさん。まぁそれも大事だけれども……。
「確かに、そう思う人も一定数いそうですね」
『……これは、運営側も対応に追われそうだな……』
シュウさんが頭を抱えている。確かに、それは言えてる。
たくさんの問い合わせの電話やメールが飛んでくるんだろうな。
「とはいえ、まだゲームをプレイしている当人たちは、ゲームの中です。公式に問い合わせをするとしたら、メールしか手段がありません。電話対応はそこまで混雑しなさそうですね」
『……だといいな』
とはいえ、ムトウさんの意図が気になる。
なんで今、このタイミングでこんなアナウンスを出したんだろう。
しかも条件をクリアしないと、強制的にゲームからログアウトさせられるなんて。
これは、なんとしてでも真相を確かめなくちゃ!
10
お気に入りに追加
616
あなたにおすすめの小説
ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~
雪月 夜狐
ファンタジー
異世界の冒険がしたい、だけど激しい戦闘や壮大な戦いはちょっと…。
そんな人にぴったりの、のんびりVRMMOファンタジーがここに誕生!
主人公アキは、仕事の合間に癒しを求めて「エターナル・ラプソディ」の世界にフルダイブ。
ネコマタというレアな種族でキャラクリし、素材集めや生産活動を楽しむことに。
仲間や街の住人たちとゆるやかに交流し、未知の素材や魔物と出会いながら、
自分らしい冒険の道を見つけていく。
ゆるふわな異世界で心のままに過ごすアキの姿は、日常の疲れを忘れさせてくれるはず。
癒しと発見が詰まった旅路、どうぞお楽しみに!
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/270920526】
最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職
鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』
倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。
……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。
しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。
意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる