言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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ログアウト権限を獲得した者たち

シュウさんの報告

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『結論から言おう。そちらから頼まれた件、確認が完了した』
『だーかーらぁ、お兄ちゃん、堅苦しい話し方、ほんとやめて。こっちが疲れる』

 シュウカさんが画面の向こうで顔をしかめてシュウさんを見た。私は感じないけど、確かにシュウさんの話し方ってずーっと、事務的だもんね。ただ、家族であるシュウカさんに対しては多少崩れてる感じはするけど。

『そうはいわれてもな。これが、こちらの普通なんだ』

 シュウさんもまた、難しい顔をする。

『……まぁそれは置いといて。さっきの件だが』

 シュウさんが続ける。

『やはりあのダンジョンの9階と会社の9階は、同じ配置だった。シュウカのいう通り、あの階は、ゲームプランナーの部署で間違いなかったしな』

「やはり、ゲームプランナーさんの部署だったんですか」
『ダンジョンでアイテムを拾えたデスクがキーではないかということを踏まえ、ダンジョン内でアイテムが拾えたデスクと同じ場所にある会社内のデスクが誰のものであるかを調べてきた』

 ダンジョンが、ナイトメア・ソフトウェアを意識して意図的に作られたものだとしたら。アイテムが拾えたダンジョン内のデスクと同じ場所にあるデスクの持ち主が、キーになっていると思ったんだよね。

『そして無事、持ち主が分かった。あの奥にあったデスクの持ち主、あれはゲームプランナー部署の部長のものだった』

 それを聞いて納得。確かにあのデスクと椅子、他のものよりいい感じだったもんね。

『そして、これからが大事な話になるのだが。もう一つのデスクの持ち主。最初にサランさんがの企画書を拾ったデスクの持ち主だが……。その持ち主が、ムトウだった』

 ムトウ。その名を聞いて、どこかやっぱり、と思う自分がいた。

「やはり……、そうだったんですね」

 思わず口に出すと、シュウさんも神妙な面持ちで画面の向こうで頷いた。

『……ああ。なんとなく、予想はしていたがな』
「はい」

 心の中で考えていたこと、ぼんやりとしていた考えが、少しずつ、輪郭をなして形になってくる。

 ムトウさんは、他の人に自分のゲームを取られたと言っていた。これは、その全貌を知るための、大切な何かにつながるのかもしれない。

「その、ゲームプランナーの部長さんとムトウさんの間に、何があったのかについて調べる必要がありそうですね」
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