言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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攻略!ビルもどきダンジョン

ゲームプランナー

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『……ゲームプランナーと言えば、ゲームの肝となるゲーム内容などをまとめて企画書を作る役割だな』
「はい。私も一時期、ゲームシナリオを作りたくてシナリオライター募集を探していましたけど、なかなかいい募集がなくてゲームプランナーに応募したことがあります」

 まぁ私、プレゼンテーションとか、大勢の人の前で何かを発表するのが極端に苦手で。そんな人間が、自分の作りたい何かを売り込む発表なんてできるはずないって諦めちゃったんだけどね。

 それに、プレゼンテーションがうまく行って、企画が通ったところで、そこからプロジェクトチーム立ち上げ、そして総指揮するみたいな立ち位置の職種みたいだったから、なおさら無理だって思っちゃった。今思うと、情けないよね。

「シュウカさんの考えが正しくて、ここがゲームプランナーさんの部署だとすると。その部署のデスク二つに、類似した企画書が存在していたことになります」

『……似たような企画なんて、流行りものを抑えたりしてたら、多少はあるんじゃないか。こちらは詳しくないからよく分からないが』

 シュウさんの意見も一理ある。でも、ここは現実世界じゃない。ゲームの中。しかも、触れて調べられるものは限られてる中、この二つの企画書は触れられた。何の意図もなくそれが行われたとは考えにくい。

「わざわざ、この二つだけ触れられるようにしている以上、ミスリードを誘う目的でない限り、何か理由があってわざとこうしていると考えるのが妥当だと思います」

 似ているものが生まれることは儘ある。どんなものを作る人でも、その人が人生の中で吸収してきた芸術作品なんかの影響がどこかしらに残るから。自分がリスペクトしている作品の断片が、自分の作品にも表れるから。

 でも、これは違う。全部、一緒だもん。これだけ似ているものを作ろうと思ったら、それは「似せよう」って作らないと作れないんじゃないかっていうくらい、一緒。

「とりあえずシュウさん、こっちの書類もデータとして残して頂いてよろしいですか」
『任せろ』

 一枚一枚、シュウさんが文字を打ち込みやすいように、書類をめくっていく。シュウカさんは、後は任せたとプラグ探しに戻って行った。

「どっちが先にこのゲーム内容の企画書を作ったか、探ってみるのもアリですね」

 私の言葉にシュウさんが怪訝そうな声を出す。

『どうやって』
「そりゃあ、それぞれのデスクに備え付けてあるパソコンを調べてですね……ってそっか」

 書類二つは触れたけど、二つの書類を見つめた場所、他に調べられそうなところ、なかったな。じゃあ、パソコンもオブジェクト扱い、調べられないな。

 そう思った時だった。後ろで物音がした。振り返ると、さっきまでと変わった場所がある。

『……パソコンの電源が……ついてるところがあるな』
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