275 / 304
攻略!ビルもどきダンジョン
ゲームプランナー
しおりを挟む
『……ゲームプランナーと言えば、ゲームの肝となるゲーム内容などをまとめて企画書を作る役割だな』
「はい。私も一時期、ゲームシナリオを作りたくてシナリオライター募集を探していましたけど、なかなかいい募集がなくてゲームプランナーに応募したことがあります」
まぁ私、プレゼンテーションとか、大勢の人の前で何かを発表するのが極端に苦手で。そんな人間が、自分の作りたい何かを売り込む発表なんてできるはずないって諦めちゃったんだけどね。
それに、プレゼンテーションがうまく行って、企画が通ったところで、そこからプロジェクトチーム立ち上げ、そして総指揮するみたいな立ち位置の職種みたいだったから、なおさら無理だって思っちゃった。今思うと、情けないよね。
「シュウカさんの考えが正しくて、ここがゲームプランナーさんの部署だとすると。その部署のデスク二つに、類似した企画書が存在していたことになります」
『……似たような企画なんて、流行りものを抑えたりしてたら、多少はあるんじゃないか。こちらは詳しくないからよく分からないが』
シュウさんの意見も一理ある。でも、ここは現実世界じゃない。ゲームの中。しかも、触れて調べられるものは限られてる中、この二つの企画書は触れられた。何の意図もなくそれが行われたとは考えにくい。
「わざわざ、この二つだけ触れられるようにしている以上、ミスリードを誘う目的でない限り、何か理由があってわざとこうしていると考えるのが妥当だと思います」
似ているものが生まれることは儘ある。どんなものを作る人でも、その人が人生の中で吸収してきた芸術作品なんかの影響がどこかしらに残るから。自分がリスペクトしている作品の断片が、自分の作品にも表れるから。
でも、これは違う。全部、一緒だもん。これだけ似ているものを作ろうと思ったら、それは「似せよう」って作らないと作れないんじゃないかっていうくらい、一緒。
「とりあえずシュウさん、こっちの書類もデータとして残して頂いてよろしいですか」
『任せろ』
一枚一枚、シュウさんが文字を打ち込みやすいように、書類をめくっていく。シュウカさんは、後は任せたとプラグ探しに戻って行った。
「どっちが先にこのゲーム内容の企画書を作ったか、探ってみるのもアリですね」
私の言葉にシュウさんが怪訝そうな声を出す。
『どうやって』
「そりゃあ、それぞれのデスクに備え付けてあるパソコンを調べてですね……ってそっか」
書類二つは触れたけど、二つの書類を見つめた場所、他に調べられそうなところ、なかったな。じゃあ、パソコンもオブジェクト扱い、調べられないな。
そう思った時だった。後ろで物音がした。振り返ると、さっきまでと変わった場所がある。
『……パソコンの電源が……ついてるところがあるな』
「はい。私も一時期、ゲームシナリオを作りたくてシナリオライター募集を探していましたけど、なかなかいい募集がなくてゲームプランナーに応募したことがあります」
まぁ私、プレゼンテーションとか、大勢の人の前で何かを発表するのが極端に苦手で。そんな人間が、自分の作りたい何かを売り込む発表なんてできるはずないって諦めちゃったんだけどね。
それに、プレゼンテーションがうまく行って、企画が通ったところで、そこからプロジェクトチーム立ち上げ、そして総指揮するみたいな立ち位置の職種みたいだったから、なおさら無理だって思っちゃった。今思うと、情けないよね。
「シュウカさんの考えが正しくて、ここがゲームプランナーさんの部署だとすると。その部署のデスク二つに、類似した企画書が存在していたことになります」
『……似たような企画なんて、流行りものを抑えたりしてたら、多少はあるんじゃないか。こちらは詳しくないからよく分からないが』
シュウさんの意見も一理ある。でも、ここは現実世界じゃない。ゲームの中。しかも、触れて調べられるものは限られてる中、この二つの企画書は触れられた。何の意図もなくそれが行われたとは考えにくい。
「わざわざ、この二つだけ触れられるようにしている以上、ミスリードを誘う目的でない限り、何か理由があってわざとこうしていると考えるのが妥当だと思います」
似ているものが生まれることは儘ある。どんなものを作る人でも、その人が人生の中で吸収してきた芸術作品なんかの影響がどこかしらに残るから。自分がリスペクトしている作品の断片が、自分の作品にも表れるから。
でも、これは違う。全部、一緒だもん。これだけ似ているものを作ろうと思ったら、それは「似せよう」って作らないと作れないんじゃないかっていうくらい、一緒。
「とりあえずシュウさん、こっちの書類もデータとして残して頂いてよろしいですか」
『任せろ』
一枚一枚、シュウさんが文字を打ち込みやすいように、書類をめくっていく。シュウカさんは、後は任せたとプラグ探しに戻って行った。
「どっちが先にこのゲーム内容の企画書を作ったか、探ってみるのもアリですね」
私の言葉にシュウさんが怪訝そうな声を出す。
『どうやって』
「そりゃあ、それぞれのデスクに備え付けてあるパソコンを調べてですね……ってそっか」
書類二つは触れたけど、二つの書類を見つめた場所、他に調べられそうなところ、なかったな。じゃあ、パソコンもオブジェクト扱い、調べられないな。
そう思った時だった。後ろで物音がした。振り返ると、さっきまでと変わった場所がある。
『……パソコンの電源が……ついてるところがあるな』
10
あなたにおすすめの小説
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる