言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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攻略!ビルもどきダンジョン

新しい、キー。

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 まずは、シュウカさんが見つけた何かを拾いに行かない。多分、プラグなんじゃないかと思うけど。

 シュウカさんがどのあたりにハートマークをつけたか、全く分からないけど、とにかく他のキーアイテムを探しながら進むしかないよね。

 そう思いながら、歩みを進める。触れるものはないか、何か得られるヒントはないか。何も得られなさそうなデスクには、ただ、【マーキング・パウダー】をまくのみ。何かありそうなデスクを見つけたら、丸印をつける。そう思って歩いていると、デスクの上に広げられた書類が目に入った。そしてふと気づく。

 そう言えば、さっきまで見てきたデスク。上に何か物が置いてあった時も、オブジェクトだったからか、文字が読めるようにはなってなかったな。これはなんだか読めそうだけど……。

 手に取ろうとしてみる。オブジェクトなら、触れないはず。しかし、それがさも当たり前のように、書類の束は手に取れてしまった。

「あ、しまった」

 書類を手に、立ち尽くす。これは、めぼしいアイテムを見繕ってから、後でまとめて手に取るって作戦は、難しいかも。だって、触れるか触れないか確認しようとして、触れちゃったらその時点で、キーアイテムをゲットした扱いになっちゃうもんね。

「……あれ?」

 けれども、相変わらず敵さんは、シュウカさんを追いかけている。私の方には注意は向いてない。

「ずんだ餅さんずんだ餅さん。間違って、キーアイテムを入手してしまいましたが、特にさっきまでと変わりなさそうですか」

 大声で叫ぶ。すると、返事が返ってきた。

「ないですよ! 多分!!」
『……だとすると、フラグが立つのはあくまで、プラグを手に入れた時だけということか』

 シュウさんの納得したような声が響いてくる。

「シュウカさんが落としたものが本当にプラグだったとしたら、そういうことになりますね」

 私はそう言いつつ、手に取った書類を眺めた。一番上のタイトルには、『VRMMOもの企画書』と書いてある。

 ページをめくると、ページの端から端まで文字がびっしり書き込まれていた。これはなかなか読むのも一苦労な気がする。

 それは、表紙に書いてある通り、ゲームの企画書のようだった。VRMMOのゲームで、なんとなく、今私たちがいる、このゲームに近い内容だ。

「これ……」

 書類をシュウさんにも見やすいように持ち上げて見せる。

『……これは、WFOの企画書……かもしれない』

 シュウさんが考え込むように言う。ぱらぱらとページをめくっていくと、最後の方のページにこう書いてあった。

『極秘・社外秘書類につき、持ち出し禁止』
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