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行動開始
違和感しかないダンジョン
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「しかし、よくもまぁこれだけ、ゲームの世界観を潰すようなデザインのダンジョンを作りましたねぇ」
ずんだ餅さんが眉をひそめた。
「それがまだ、現実世界でも楽しい建物ならいいですけどねぇ、この建物はだめです」
どどーんときれいな草原の中に現れたのは。とっても大きなビルだった。前面に貼られた鏡のような材質が、光を反射している。
「こんな、いかにもオフィス街にあるような建物をこんなところに建てたら、せっかく現実世界から離れたくてゲームしてるのに、現実を彷彿とさせます。社畜の人とか、ぜったい文句言ってきますよ」
ずんだ餅さんが大きなため息をつく。それからまだぶつぶつと文句を言っている。その横で、シュウカさんが首をかしげた。
「でも、この建物、どこかで見たことがある気が……」
彼女の言葉に、私は頷く。うん、それは私も思った。でも、オフィス街のビルなんて、どれも似たような見た目、作りをしてるもんだし。
ただ、自分が今まで生きてきた人生の中で見たことがあったものに酷似してただけだろう。
『……さすがに、現実世界とまったく同じ建物を作ることはないと思うが』
シュウさんも一言。
「とりあえず、入ってみましょうか」
ずんだ餅さんの言葉で、私たちは入口へと向かう。シュウカさんを先頭に、私、ずんだ餅さんが続く。
シュウカさんが頬をふくらませる。
「あーあ。こんなビルの中じゃ、モンスターなんて出てきそうにないなぁ」
『……いや、それは分からないぞ。オフィスに見立てた場所で、戦闘もあり得る』
「モンスター名は、それ行け! 社畜くんとかですか!?」
なにそれ面白そう。
『……ありえるかもな』
よかったシュウさんにも冗談が通じた。いや、半分冗談で言ってないけどね。
入口の前のガラス張りの扉に立つ。すると、扉は自動的に開いた。
『ヨウコソ。ココハ、アクムノ、カイシャ、デス』
私たちが扉の中に足を踏み入れた瞬間。大音量で、機械のアナウンスが流れた。
「ぎゃあああああっ」
思わず飛び上がった私の前に、とっさにシュウカさんが立ってくれる。守ってくれるのかなと思いきや。
「いやあああああ! こわいいいいいい!!!」
思わず抱き合ってしまう私たち。そしてぼう然と私たちを見つめるずんだ餅さん。
しばらくして、私たちはお互いの体を離した。シュウカさんが大きく咳払いをして言った。
「コホン。……えーっと、どうやらあそこのスピーカーから流れたみたいだね」
「あれか、赤外線センサーみたいなのがついてて、自動的に流れるんだろうね」
「すっごい! この世界にもそんな高度な技術あるんだっ」
『……シュウカ……』
勢いよくまくしたてあっていた私たちに向かって、シュウさんが呆れた声を出す。
『……それより、気になるな。そのダンジョン、【カイシャ】なのか』
ずんだ餅さんが眉をひそめた。
「それがまだ、現実世界でも楽しい建物ならいいですけどねぇ、この建物はだめです」
どどーんときれいな草原の中に現れたのは。とっても大きなビルだった。前面に貼られた鏡のような材質が、光を反射している。
「こんな、いかにもオフィス街にあるような建物をこんなところに建てたら、せっかく現実世界から離れたくてゲームしてるのに、現実を彷彿とさせます。社畜の人とか、ぜったい文句言ってきますよ」
ずんだ餅さんが大きなため息をつく。それからまだぶつぶつと文句を言っている。その横で、シュウカさんが首をかしげた。
「でも、この建物、どこかで見たことがある気が……」
彼女の言葉に、私は頷く。うん、それは私も思った。でも、オフィス街のビルなんて、どれも似たような見た目、作りをしてるもんだし。
ただ、自分が今まで生きてきた人生の中で見たことがあったものに酷似してただけだろう。
『……さすがに、現実世界とまったく同じ建物を作ることはないと思うが』
シュウさんも一言。
「とりあえず、入ってみましょうか」
ずんだ餅さんの言葉で、私たちは入口へと向かう。シュウカさんを先頭に、私、ずんだ餅さんが続く。
シュウカさんが頬をふくらませる。
「あーあ。こんなビルの中じゃ、モンスターなんて出てきそうにないなぁ」
『……いや、それは分からないぞ。オフィスに見立てた場所で、戦闘もあり得る』
「モンスター名は、それ行け! 社畜くんとかですか!?」
なにそれ面白そう。
『……ありえるかもな』
よかったシュウさんにも冗談が通じた。いや、半分冗談で言ってないけどね。
入口の前のガラス張りの扉に立つ。すると、扉は自動的に開いた。
『ヨウコソ。ココハ、アクムノ、カイシャ、デス』
私たちが扉の中に足を踏み入れた瞬間。大音量で、機械のアナウンスが流れた。
「ぎゃあああああっ」
思わず飛び上がった私の前に、とっさにシュウカさんが立ってくれる。守ってくれるのかなと思いきや。
「いやあああああ! こわいいいいいい!!!」
思わず抱き合ってしまう私たち。そしてぼう然と私たちを見つめるずんだ餅さん。
しばらくして、私たちはお互いの体を離した。シュウカさんが大きく咳払いをして言った。
「コホン。……えーっと、どうやらあそこのスピーカーから流れたみたいだね」
「あれか、赤外線センサーみたいなのがついてて、自動的に流れるんだろうね」
「すっごい! この世界にもそんな高度な技術あるんだっ」
『……シュウカ……』
勢いよくまくしたてあっていた私たちに向かって、シュウさんが呆れた声を出す。
『……それより、気になるな。そのダンジョン、【カイシャ】なのか』
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