253 / 304
行動開始
シュウさんの援護
しおりを挟む
『それなら、こちらで現在手配を進めている』
シュウさんが柔らかな声で言う。
『現在ゲーム内にログインしている人間で、メールアドレス認証をしている人間、SNS認証を行っている人間など本人確認ができるもので認証しているプレイヤーの救済処置だ』
「一体、どういう処置なの、兄ちゃん」
『簡単に言えば、メール認証している人間は、メールアドレスから、SNS認証している人間は認証したSNSから自分が今、ゲーム内に閉じ込められているという事実を発信してくれるシステムだ。順次、プレイヤーは、発信の有無や、誰に向けて発信するかを選べる。これは、実装前のシステムだったが、今開発側が大急ぎで実装準備中だ。なんとか朝までには使える状態にしようと頑張っているはずだ』
シュウさんの言葉で、少しだけほっとする。ナイトメア・ソフトウェアに勤めている社員さんなら、誰がゲームにログインして仕事をしている人か、ある程度目処がついてるから、ゲーム内に取り残されている人の目星もつく。
だけど、ごく普通の会社員だったら、そうはいかない。休みの連絡を入れなければ無断欠勤になって、なんとか元の世界に戻れたとしてもそれを理由にクビになってしまうかもしれない。それに気づいた人がいたとしても現状、ゲーム内から現実世界へ連絡する方法がないんだよね。
「それじゃ、そっちは開発の人に任せるしかないですね。僕らは僕らで、なんとかログアウトする方法を探ることに全力を注ぎましょう」
『その通りだ。ゲームのシステムで必要なものがあれば、こちらが開発側に伝える。開発側に動きがあれば、すぐに伝えるようにもするから安心して行動してくれ』
シュウさんは、本当に頼りになる。
『シュウカ、そういうわけだから俺はそっちに行けない。だから、俺の代わりにサランさんたちと協力して、ログアウトできそうな方法を探ってほしい。今、こちらが持っている情報で一つ、調べてほしいものもあるしな』
「調べてほしいこと」
『ああ。突如出現した、ダンジョンを調べてほしい』
シュウさんの言葉に、シュウカさんが目を輝かせる。
「何それ、面白そう!」
『興味がわいてきたか?』
「うん。強いモンスター、きっといっぱいいるでしょっ」
『……それは知らない……』
「いや、きっといる! アタシを強くしてくれるモンスターがきっと!」
ガッツポーズをしているシュウカさん。シュウさんがため息まじりの声を出す。
『……すまない、変な妹で。ただ、戦闘力に関しては保障する。このゲームでの闘技場、総合順位10位には入る実力者だ。その点は、安心してほしい』
シュウさんが柔らかな声で言う。
『現在ゲーム内にログインしている人間で、メールアドレス認証をしている人間、SNS認証を行っている人間など本人確認ができるもので認証しているプレイヤーの救済処置だ』
「一体、どういう処置なの、兄ちゃん」
『簡単に言えば、メール認証している人間は、メールアドレスから、SNS認証している人間は認証したSNSから自分が今、ゲーム内に閉じ込められているという事実を発信してくれるシステムだ。順次、プレイヤーは、発信の有無や、誰に向けて発信するかを選べる。これは、実装前のシステムだったが、今開発側が大急ぎで実装準備中だ。なんとか朝までには使える状態にしようと頑張っているはずだ』
シュウさんの言葉で、少しだけほっとする。ナイトメア・ソフトウェアに勤めている社員さんなら、誰がゲームにログインして仕事をしている人か、ある程度目処がついてるから、ゲーム内に取り残されている人の目星もつく。
だけど、ごく普通の会社員だったら、そうはいかない。休みの連絡を入れなければ無断欠勤になって、なんとか元の世界に戻れたとしてもそれを理由にクビになってしまうかもしれない。それに気づいた人がいたとしても現状、ゲーム内から現実世界へ連絡する方法がないんだよね。
「それじゃ、そっちは開発の人に任せるしかないですね。僕らは僕らで、なんとかログアウトする方法を探ることに全力を注ぎましょう」
『その通りだ。ゲームのシステムで必要なものがあれば、こちらが開発側に伝える。開発側に動きがあれば、すぐに伝えるようにもするから安心して行動してくれ』
シュウさんは、本当に頼りになる。
『シュウカ、そういうわけだから俺はそっちに行けない。だから、俺の代わりにサランさんたちと協力して、ログアウトできそうな方法を探ってほしい。今、こちらが持っている情報で一つ、調べてほしいものもあるしな』
「調べてほしいこと」
『ああ。突如出現した、ダンジョンを調べてほしい』
シュウさんの言葉に、シュウカさんが目を輝かせる。
「何それ、面白そう!」
『興味がわいてきたか?』
「うん。強いモンスター、きっといっぱいいるでしょっ」
『……それは知らない……』
「いや、きっといる! アタシを強くしてくれるモンスターがきっと!」
ガッツポーズをしているシュウカさん。シュウさんがため息まじりの声を出す。
『……すまない、変な妹で。ただ、戦闘力に関しては保障する。このゲームでの闘技場、総合順位10位には入る実力者だ。その点は、安心してほしい』
10
お気に入りに追加
615
あなたにおすすめの小説
絶世のディプロマット
一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。
レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。
レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。
※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる