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閉じ込められた世界で
電話代わりのアイテム、完成。
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「『特別スキル【言霊・物語付与】で、電話もどきを作成』します」
そう口に出して告げる。そして、カンナさんのお店を見渡した。何か、電話代わりのアイテムにできそうなものはっと……。
映像も送れるようなもので、なおかつ会話もできるようなもの。リアルで言うと、bluetoothイヤホンみたいなものかな。いや、でもあれは映像は送れないけど。
ぐるりと店内を一周。すると、端っこのほうに、小さなカゴが置いてあるのが見えた。近くまで寄ってみると、カゴからあふれそうなくらいたくさん、色んなものが、ごちゃごちゃと積み重ねられていた。
ちょっと触ったら、崩れちゃいそう。そんなことを思っていると、ずんだ餅さんが、近くにあった買い物カゴみたいなものを持ってきてくれた。
「ありがとうございます。その手がありましたか」
感心して言うと、ずんだ餅さんが大きなため息をついた。
「その手も何も、思いつかなかったんですか」
すみませんねぇ、そういう頭の使い方ができなくて!
ずんだ餅さんに、心の中で言い返しながら、商品が重ねられているカゴから商品を取り出しては、ずんだ餅さんが持ってきてくれたカゴへ避けていく。
全部見終わった後、元に戻せばいいだけの話だからね。
「……いわゆる、処分棚といったところでしょうか」
私が買い物カゴに避けた商品の一つを手に取って、彼は独り言のように言う。この世界に処分棚という概念があるのかどうかは分からないけど、その可能性はある。
売れると思ったけど、定価で売り切れなかった商品、棚を圧迫するから値引きしてでも売り切ってしまいたい商品。賞味期限が近づいてるから早めに売ってしまいたい商品。そういったものは、値引きシールを貼られたり、ワゴンに詰められる。そして特価品として置く。そういう店が現実世界にはあるもんね。
「おお、これは使えそうな気がします!」
現実世界で言うモノクルみたいなもの。それと、イヤリング。これだ!!!
二つの商品を手に取った。この二つを合体させて作っちゃおう。
「『特別スキル【言霊・物語付与】で、この……『役に立たない片眼鏡』と『片方しかない耳飾り』を『どこかの世界の通信技術』に作り変えます」
手に持ってから気づいた、この二つのアイテム、あくまで役に立たない扱いのものなんだ。
首をかしげていた私に、やってきたカンナさんが苦笑する。
「ああそれはねえ、見本で置いてたら、片方だけなくなっちまった、いわゆる売り物にならない商品さ。とはいえ、捨てるのはもったいないと思って、そこに置いてたんだよ」
誰かが活用してくれるかもしれないからねぇ、そう言って、カンナさんはまた店の奥へと引っ込んでいった。
うん、これを使おう。
そう口に出して告げる。そして、カンナさんのお店を見渡した。何か、電話代わりのアイテムにできそうなものはっと……。
映像も送れるようなもので、なおかつ会話もできるようなもの。リアルで言うと、bluetoothイヤホンみたいなものかな。いや、でもあれは映像は送れないけど。
ぐるりと店内を一周。すると、端っこのほうに、小さなカゴが置いてあるのが見えた。近くまで寄ってみると、カゴからあふれそうなくらいたくさん、色んなものが、ごちゃごちゃと積み重ねられていた。
ちょっと触ったら、崩れちゃいそう。そんなことを思っていると、ずんだ餅さんが、近くにあった買い物カゴみたいなものを持ってきてくれた。
「ありがとうございます。その手がありましたか」
感心して言うと、ずんだ餅さんが大きなため息をついた。
「その手も何も、思いつかなかったんですか」
すみませんねぇ、そういう頭の使い方ができなくて!
ずんだ餅さんに、心の中で言い返しながら、商品が重ねられているカゴから商品を取り出しては、ずんだ餅さんが持ってきてくれたカゴへ避けていく。
全部見終わった後、元に戻せばいいだけの話だからね。
「……いわゆる、処分棚といったところでしょうか」
私が買い物カゴに避けた商品の一つを手に取って、彼は独り言のように言う。この世界に処分棚という概念があるのかどうかは分からないけど、その可能性はある。
売れると思ったけど、定価で売り切れなかった商品、棚を圧迫するから値引きしてでも売り切ってしまいたい商品。賞味期限が近づいてるから早めに売ってしまいたい商品。そういったものは、値引きシールを貼られたり、ワゴンに詰められる。そして特価品として置く。そういう店が現実世界にはあるもんね。
「おお、これは使えそうな気がします!」
現実世界で言うモノクルみたいなもの。それと、イヤリング。これだ!!!
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手に持ってから気づいた、この二つのアイテム、あくまで役に立たない扱いのものなんだ。
首をかしげていた私に、やってきたカンナさんが苦笑する。
「ああそれはねえ、見本で置いてたら、片方だけなくなっちまった、いわゆる売り物にならない商品さ。とはいえ、捨てるのはもったいないと思って、そこに置いてたんだよ」
誰かが活用してくれるかもしれないからねぇ、そう言って、カンナさんはまた店の奥へと引っ込んでいった。
うん、これを使おう。
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