言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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閉じ込められた世界で

情報集めのために

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「とにかく、情報をなんとか集めないと」

 こういう時こそ、私の『特別スキル』が役に立つ時だ。早速、特別スキルを使用する準備を始めよう。

 メニュー画面は、いつもと変わらずに開いた。よかった、あくまでこのゲームから出られないだけで、それ以外はいつも通りなのかも。

「特別スキルで、何か外の情報を知ることができたら、便利ですよね……。それこそ、ポイッターでも見られたら……」

 今のご時世、テレビニュースよりも、動画サイトの動画だったり、ポイッターなどのSNSの方が情報が早い。

『Wonderland Fantasy Online』に実際にログインしていた人は、この世界に閉じ込められてしまったにせよ、ゲームをプレイしていた人の身近な人たちが何かポイートしてくれているかもしれない。

「そうだ! この世界に、スマートフォンを召喚すればいいんだっ」

 私はポンと手を打った。すると、ずんだ餅さんが顔をしかめた。

「この世界にスマートフォンを召喚……ですか」
「はい。スマートフォン本体が召喚できなかったとしても、せめて、ポイートさえ見ることが出来ればそれでいいんですけどね」

 私がスマートフォンを見るのは、職業柄、電話がかかってくるときと、ポイートを見る時、アプリゲームをするときくらい。

 ポイッターもあまり長いこと見るタイプではないし、一日に一ポイートすればいい方って感じ。

 だから、スマートフォンそのものが必要ってわけではない。ただ、現実世界でどんなことが起こっているのか、情報が欲しいだけ。

「情報が欲しいだけだから、スマートフォン自体は必要ない。必要なのは、SNSと情報発信サイトや動画が見られる機能……。だったら」

 この世界にある何かを、スマートフォンみたいな機能を備えたものに変えればいい。

「スマートフォンみたいな機能がつけられそうなアイテム……」

 ここで、自分のスマートフォンを思い出してみる。掌に収まるサイズで、その大半が液晶画面で占められている。その液晶画面で、様々な情報を得たりすることができる。

 でも、どうせならパソコンみたいな方がいいかもしれない。私、パソコンのキーボードのタイピングが速いんだ。だから、調べものをするときはいつも、パソコンを開くようにしているの。

「パソコンだったら……、映像を映す液晶画面の役割を果たすアイテムと、キーボード代わりのアイテム、二つ必要かなぁ……」

 よし、パソコン代わりになりそうなアイテム探しからだ!
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