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作ってみよう!物語のアイテム
抜け道?
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シュウさんは、先頭に立った。そして何か考えるそぶりを見せる。
「どうしたんですか」
「いや……、この扉の出口に行くにはコツがあるんだ」
なるほど、この扉に逃げ込んだからって、必ずしも男性から逃げきれたってわけじゃないんだろうね。
「失敗すると、先ほどの場所に戻されてしまう。一回きりの勝負になる」
そう言うと、シュウさんは何やら呟き始めた。
「……確かこの辺にメモしておいたはずだが……」
そして、私たちの方に向き直る。ほぼ同時に、シュウさんからチャットが飛んでくる。
「左に3歩、右に6歩、前に1歩」
……ん? これは一体何だろう……。
「……これが、出口に繋がる歩き方だ」
「いかにも抜け道って感じですね」
昔、裏技でそんなことができるゲームがあったなぁと思い出す。ストーリーには直接関係ないんだけど、とある場所から一定の操作をすることで、本来はたどり着けない場所に出られるという裏技。
その裏技で、本来通常では入手できないものが入手できたりするから、みんなこぞって挑戦したんだけど、失敗してそのままの状態でセーブすると、ゲームをリセットするしかなくなるっていう恐ろしい代物だった。まぁ、裏技でありチートに近い技だったんだろうから、当然といえば当然のペナルティだったのかもしれない。
今回私たちがやってきたこの場所も、似たような感じなんだろう。
「ちなみに間違った手順を踏むと、さっきの場所に逆戻りだ」
シュウさんの言葉に、私とアイダさんは固まる。さっきの場所に逆戻りってことは……。あの男性の待ち受ける場所に戻されちゃうってことだよね!?
あの男性が既にあの場所からいなくなっていれば問題ないけど、そうじゃなかったら……。考えただけで寒気がする。
私がブルッと身震いすると、シュウさんが静かな声で言う。
「……慰めにしかならないが。時間制限は、多分ない」
いやいやいや!! 多分って!! もし制限時間があったらどうしたらいいの!!
「と、とにかく、ゆっくりやりましょう。それしかありません」
ゆっくり、慎重に。こうなったら、やるしかない!!
「……何かあってはいけない。こちらは最後に手順を踏もう」
シュウさんの言葉に頷く。もしアイダさんか私が失敗した場合は、一緒にもとの場所に戻ってくれるつもりなんだ。または、制限時間切れが来ちゃう場合を想定してか。
私は、ごくりとつばを飲み込む。アイダさんをみた。アイダさんも静かに頷く。
仕方ない。やろう!
「どうしたんですか」
「いや……、この扉の出口に行くにはコツがあるんだ」
なるほど、この扉に逃げ込んだからって、必ずしも男性から逃げきれたってわけじゃないんだろうね。
「失敗すると、先ほどの場所に戻されてしまう。一回きりの勝負になる」
そう言うと、シュウさんは何やら呟き始めた。
「……確かこの辺にメモしておいたはずだが……」
そして、私たちの方に向き直る。ほぼ同時に、シュウさんからチャットが飛んでくる。
「左に3歩、右に6歩、前に1歩」
……ん? これは一体何だろう……。
「……これが、出口に繋がる歩き方だ」
「いかにも抜け道って感じですね」
昔、裏技でそんなことができるゲームがあったなぁと思い出す。ストーリーには直接関係ないんだけど、とある場所から一定の操作をすることで、本来はたどり着けない場所に出られるという裏技。
その裏技で、本来通常では入手できないものが入手できたりするから、みんなこぞって挑戦したんだけど、失敗してそのままの状態でセーブすると、ゲームをリセットするしかなくなるっていう恐ろしい代物だった。まぁ、裏技でありチートに近い技だったんだろうから、当然といえば当然のペナルティだったのかもしれない。
今回私たちがやってきたこの場所も、似たような感じなんだろう。
「ちなみに間違った手順を踏むと、さっきの場所に逆戻りだ」
シュウさんの言葉に、私とアイダさんは固まる。さっきの場所に逆戻りってことは……。あの男性の待ち受ける場所に戻されちゃうってことだよね!?
あの男性が既にあの場所からいなくなっていれば問題ないけど、そうじゃなかったら……。考えただけで寒気がする。
私がブルッと身震いすると、シュウさんが静かな声で言う。
「……慰めにしかならないが。時間制限は、多分ない」
いやいやいや!! 多分って!! もし制限時間があったらどうしたらいいの!!
「と、とにかく、ゆっくりやりましょう。それしかありません」
ゆっくり、慎重に。こうなったら、やるしかない!!
「……何かあってはいけない。こちらは最後に手順を踏もう」
シュウさんの言葉に頷く。もしアイダさんか私が失敗した場合は、一緒にもとの場所に戻ってくれるつもりなんだ。または、制限時間切れが来ちゃう場合を想定してか。
私は、ごくりとつばを飲み込む。アイダさんをみた。アイダさんも静かに頷く。
仕方ない。やろう!
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