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作ってみよう!物語のアイテム

アイダさんと合流する。

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 大鍋奉行さんから、最後の作業のやり方の説明を受けている間に、アイダさんがお店にやってきた。

「アイダさん、わざわざ来て頂いてありがとうございます」

 私の言葉に、アイダさんは私に軽く会釈する。

「いえいえ。アイテムはできそうですか」

 私は頷いた。そしてアイダさんに大鍋奉行さんを紹介する。それから、大鍋奉行さんから聞いた最後の仕上げのやり方を説明した。

 アイダさんは驚いた顔をする。

「もちろん、それでアイテムが完成するんでしたら協力しますけど……。それで完成するんですか」
「そうみたいです」

 私は頷き、大鍋奉行さんを見返す。大鍋奉行さんも頷く。

『最後の仕上げを失敗しなければ、必ず効果を発揮するよー』

 私は、ごくりとつばを飲み込んだ。そして、完成前のアイテムの入ったガラスのような、すぐ割れてしまいそうな材質の瓶を握りしめる。

「よし、最後の仕上げ、始めましょう」

―〇―〇―〇―

 最後の仕上げが完了した、アイテムを私は握りしめている。アイテムを使うにはまだ早い。アイダさんは、さっそくメールを作り始める。あの謎の男性から送られてきた昨日のメールに返信するためだ。

『昨日はご連絡、ありがとうございました。返信遅くなり、申し訳なかったです。スキルをお渡しするべきかどうか、悩んでおりました。スキルをお渡しするかどうかは、直接お話をお伺いして決めたいと思います』

 そう返信メールを作り、相手に送信する。私とシュウさんはアイダさんの後ろからその様子を眺めていた。

「あ、返信来ました」

 間髪入れず、アイダさんが叫んだ。『新着メッセージ1通』という文字が躍っている。アイダさんがそっと、メッセージを開封する。

 件名は、『返信ありがとう』。シュウさんは小さくため息をついた。

「……暇人か」
「確かに、これだけすぐに返信できる人間です、ずっとこのゲームにいるのですかね」

 ずっとゲームの中にいたら、日常生活に支障をきたすと思う。そもそもこのゲームは、自分たちの生きる日常を大事にしていくために開発された側面があるだろうに、こんなの、本末転倒なんじゃないかな。まあ、ただ夜中にログインしているだけかもしれないけど。

『返信ありがとう。それじゃあ、前と同じように今から転送を始めるよ』

 そのメールを見て、アイダさんはあわてて私とシュウさんにメールを転送する。私は、アイテムの入った瓶を手に取ると、アイテムを口に放り込んだ。そして、アイダさんに瓶ごと回す。アイダさんもまた、私と同じく瓶に入ったアイテムを口に放り込んだ。

 それとほぼ同時に私とアイダさん、シュウさんの体が浮かび上がった。転送開始だ。
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