言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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リアルでの活動開始

アイダさんの話を聞く

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「子どもさんと、一緒にゲームにログインすることはあるんですか」

「いつもですよ。私と一緒にログインして、一緒にログアウト、それ以外はログインさせないようにしています」

 それを聞いて、まだアイダさんの子どもの年齢が幼いんじゃないかと思う。

「どのくらいの時間、ログインしているんですか」

「だいたい、毎日1時間くらいでしょうか」

「ゲームの、どんな話をするんですか」

「主に、どういったところでレベル上げをするといいとか、どんな場所でレアアイテムやレアスキルがもらえるとか、そういったことが多いですね」

「一緒に行動することが多いんですか」

「ええ。一緒にレベル上げをしたりしています。そもそも、私の『特別スキル』に気づいたのは、子どもですし」

 おお。私から切り出さずとも、向こうから話題を振ってくれた。

「『特別スキル』に気づいたのは、いつだったんでしょう」

「ゲームを開始した次の日のことです。私は詳しくありませんが、子どもがネットで『スキル一覧』を確認したところ、私のスキルがなかったと言って来たのが始まりです」

 確かに、ゲームの攻略情報は、早くて発売日当日から上がり始める。オンラインゲームだと、スキル一覧や場所ごとに獲得できるアイテムの一覧、宝箱の位置やアイテムの内容などがあがる。

 アイダさんのお子さんは、それを確認してアイダさんの持つスキルが、もしかしたら特別なものなんじゃないかって気づいたのかも。

「最初はゲーム発売直後でしたから、きっと攻略情報の方が不完全なんだろうと思っていました。でも、数日経ってスキル一覧が更新されても、私の持つスキルが掲載されることはありませんでした。それで、詳しく調べてみたら……」

「いわゆる、『特別スキル』だということが分かったと」

「はい」

 アイダさんは頷いた。

「今日は、お二人に自分の持っている情報はすべてお話しようと思ってまいりました」

「でも、見ず知らずの人間ですよ」

「本当に会ったことがなくても、SNSでのやりとりを通じて、お二人が悪い人ではないことは分かりました。それに、お二人がしようとしていることも。お二人は、私から話を聞くために、私に自分たちがしようとしていることを話してくれました。見ず知らずの私に」

 アイダさんは私に向き直った。

「ですから私も、あなた方に知っていることはすべて話すって決めたんです」
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